愚行連鎖 そして愚か者は…

GB楽器博物館

更に深淵へ墜ちて行く…[11]

>これまでのお話

番外編

Patata置きベース 戦うオヤジの応援団(通称:おや応)の本拠地、パタータには一本のベースがある。
コントラバスと呼ぶよりもまさしくウッド・ベースと呼ぶべき姿をした古いベースだ。
所有者はおや応の初期からのメンバー“でじゃ丸”氏であるが、有り難いことに「GB、いつでも使って良いよ」と仰って頂いている楽器である。

メーカーは今は既に無いCOIN。
検索をかけても殆ど引っかからないだろう、既に忘れ去られたメーカー。

実はこの楽器、私が高校に入った年、一所懸命にアルバイトをして当時池袋パルコにあった山野楽器で購入し、帰りの電車賃が無くなって、国道254をてくてく歩いて運んだ、かつていつも一緒にいた相棒と同じモノなのである。
(その楽器は大学卒業の年、実家のもらい火火災で跡形もなく焼失してしまった)


Patata置きベース
COINは、当時ベースと言えば、エレキベースではなく、多くがまだこの“ウッド・ベース”を指していた時代に、アマチュアの貧乏なベーシスト向けに廉価版のベースを売り出していたメーカーである。

廉価版故、スクロール部分も全く飾り彫りなど一切ない、実にシンプルな姿をしている。
総合板楽器特有のぼわぁ〜とした、それでも存在感のある鳴り方をする。


Patata置きベース
マシンヘッドも、フェンダー・ベース用のクルーソンのコピーと思われる別体のシンプルなモノ。

当時、大きなプレートが付いた2連マシンヘッドに憧れたモノである。


Patata置きベース
こちらは駒。
一般的な駒よりかなり薄目である。
私の楽器は弦の張力で見事に反ってしまっていた。
この駒のせいもあるのか、全合板の特性なのか、それとも年を経て材が良く馴染んでいるのか、恐ろしいほどでかい音がする。


Patata置きベース
エンドピンは木製一体式で高さ調整は出来ない。
テールピースワイヤーはなんと洗濯屋のハンガーの如きムクの針金。
懐かしい仕様である。

少々弦高は高めではあるが、実に弾きやすい気持ちの良い楽器なのである。ボロだけど…


かつての憧れ ネットを徘徊していたら、かつて憧れたCOINの上級機種が売りに出ているのを発見した。

COIN Vintage ウッドベース
おそらく1960〜70年代に作られたウッドベースで、詳細は不明。ナチュラルなカラーが渋いですが、普通のコゲ茶色が退色してこうなったらしいです。ペグを外すと元のカラーが出てきました。再塗装ではありません。サイド&バックのトラ杢もオリジナルペイントによるもの(笑)。細かい作りはラフで、当時のローコストモデルのようですが、年月が経ったせいか良く鳴ります!指板とテールピースは塗装の劣化が激しかったので塗り直してあります。

だ、そうである…

言いも言ったりお値段¥238,000!
「当時のローコストモデル」を認識しながら、この値付けは何なのだ??


かつての憧れ 確かに、これはCOINのベースとしては上位機種で、昔憧れた楽器だが…

いくら何でも酷すぎないか?この価格。
歴史資料的価値以外殆ど何もない、塗り指板、多分総合板の楽器だぞ…

写真を圧縮してしまったので見づらいが、このナットの状態では、恐らくマトモに弾けない。

同程度グレードの楽器を、今探せば、新品で綺麗なのが4〜5万円で見つかるのでは無かろうか?


>続く


▽順路へ戻る
△国産ギター大好き!目次へ戻る

returnトップページへ戻る