今度は黒檀を削る話
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ナット(上駒)部分での弦高は、もう一寸下げても良いような気もするが、演奏には殆ど支障がないので触らないでおく。
しかしながら、ナット弦溝が深すぎて、4弦以外全て弦全体がナットに隠れてしまっているのが気になる。
特にG線(1弦)等は完全にナット上面よりも深いところにある。
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ナットに弦が埋もれている状態は非常に気になるので、ナットを削り、相対的に弦溝を浅くすることにした。
これは一応削り上がった状態。
ナット上辺が指板と平行ではなく、G線側に行くに従ってなだらかに低くなっているのがお判りだろうか?
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G線側から見た状態。
E線側で0.5〜6mm、G線側で1mm一寸低くした感じになる。
気休めと言われればそうかもしれないが、開放弦の音が多少明確になり、サスティンも伸びる筈である。
削り落として表面を磨きだしたら、綺麗な縞模様が現れた。
価格から言って当然だが、縞黒檀の染めなのである。
縞黒檀を磨きだした模様は実に美しいと思うのだが…
商品価値から言うと漆黒でないと黒檀として高く売れないらしい。
楽器材としてならシミ一つ無い真っ黒な黒檀よりも綺麗に目が通った縞黒檀の方が強度的に高く、向いているという話もあるのだが…
指板も多分同じように縞黒檀の染めである。全体を磨きだして木目を出したい衝動に駆られた。
修正終わったヘッド部分。
弦溝そのもの(弦高に関わる部分)には、今回は手を触れなかったが、E線とストリングポストの角度があまりに急激だったので、緩やかなカーブで弦が巻かれるように弦溝の角度を調整した。
おまけ。
テールピース裏、弦のボールエンドに円形のフェルトで枕をかけてやる。
音には多分何の影響もないと思うが、ボールエンドがテールピースに食い込むのを防いでくれるはずである。
フェルトは得意の100円ショップで見つけた椅子脚用床の傷止め。
裏に付いている厚手の両面テープを剥がしたものを2枚を張り合わると丁度良い厚さになる。