愚行連鎖 そして愚か者は…

GB楽器博物館

更に深淵へ墜ちて行く…[7]

>これまでのお話

ついでに手を入れる話

嘘か誠か、ウッドベースの材料、きちんとしたモノを揃えると、それだけで20万円以上なのだそうである。

だから、コントラバス弾き(クラシックの人たちね)は…
「30万円以下は楽器じゃない」
等と仰るのであろう。
ポップスに使うのであれば、合板の安い楽器の方が良いことも多々あるので、一概に価格で云々は出来ないと思うが…

中国の弦楽器生産量は、今や世界一なのだと言う。
その製造技術が、以前と違い格段に向上しているのは事実。
しかし、生産量が多い理由は、多分、工賃がタダみたいなモノだからだと思われる。

工賃がタダ同然なので、価格の大部分は材料費と言うことになる。
(中国製で比較的高価な楽器には、材料費の他に工程管理費が含まれるはずである)
材そのものも中国産は多分かなり安い。

Carlo Giordanoは客観的に見て本気で(中国人以外が)工程管理しているとは思えない。
細部の仕上げや品質チェックなどは、日本人の感覚では許せないモノがある。
と、言うことはコストの殆どが材料費と言えるかも知れない。

多くの中国製楽器は元は家具屋達が作っているので、箱そのものはしっかり出来ている。
(品質のばらつきはかなり激しいが…事実、試奏したもう一台は裏板が剥がれていた。)
ウチのは箱は当たりだったようである。
しかし、前にも書いたように、造りは…

手を入れないと一寸な、なのである。


テールピース:旧 前項でちらっと書いたが…
テールピースも表に酷い節が出ていたので、K楽器に問い合わせたら、交換してくれた。



テールピース:旧 これが問題の節。
安いとは言っても、それは相対的なウッドベース価格からすれば、であり、この商品の価格は絶対的に安いと言えるモノではない。
音に関係ないとは言え、外側に出る部品をこんな材質で通してしまうと言うのは信じがたいことではある。
とは言え、これは楽器屋には重大過失と言えるモノではないかも知れない。
普通に検品していたら、こんな所には気づかないことは大いにあり得る。


テールピース:新 新しいもの…というか、別の在庫から外したテールピースはウチのに元から付いていたそれよりもずっと綺麗で、写真では見えないが、うっすらと虎杢まで入っている。
でも雑木でしょ?と訊いたら、製造元ではツゲだと言っているとのこと。

うーん?
本当のBoxWood(ツゲ)ならかなり高いんだけどね。


マシンヘッドを外す 弦を外したついでに、ペグも外し、弦倉(ペグ軸に弦を巻き付けるところ)の、仕上げなどしてないに等しい、異常に適当な造作の修正を試みる。

余談になるが、外しているときに気づいたが、このルブナーコピーと思われるチロリアン・タイプのマシンヘッド、結構ヤワである。


弦倉内部 これは問題だろう?

ストリングポスト穴を、ガイド穴も無しに、一気に太ドリルでガガッと貫通させてしまったのだろうか?
何カ所か抜け側(内側)の穴周囲が欠けて無塗装の木部が剥き出しになっていた。
(写真は木質パテで埋めたところ)
弦倉内部には荒目ヤスリの痕も生々しくそのまま残されている。


弦倉内部 角欠け部分などを木質パテ修正後、半艶消し黒のアクリル塗料で弦倉内部を塗装してしまう。

非常にすっきりしたが、艶消しの方が品が良かったかな…


>続く


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