愚行連鎖 そして愚か者は…

GB楽器博物館

更に深淵へ墜ちて行く…[2]

>これまでのお話

愚かと誹りを受けようと、実際、愚かなのでこれは仕方がない…
何とでも罵倒して頂ければ、それは身に余る幸いなり。

一寸前にカミさんにローンの支払い通知を見せて、冷たい目を受けていたのだが…
ローンの支払い通知にはK楽器店の名称はある物の、ブツに関しては型番しか印字されていない。
通知書からはナニを買ったかは分からないはずである。

ギターの一本や二本増えたところで、もはや大勢に影響はないのだが…
我が巣にはこれを安置するスペースは既にない。

カミさんも、こういう物体が世の中にあることは知っているはずだが、現物のサイズなど想像の範疇外であろう、多分。
(そうでなければ、あんなに冷静ではいられんだろう)

オマケのケース お持ち帰りは「オマケしときますね」と付けてくれた楽器袋がケースとも言えない代物で、えらい苦労してしまった。

よく中学生位がエレキギターのオマケで貰うようなペラペラの黒ナイロンの袋…

白プリントで“Fendor”とか“Gibsan”とか書いてありそう…
ポケットも一応付いているが、マチがないので何も入らないし…(意味ない!)
これはちゃんとした「楽器ケース」を手に入れないとどうにもならないなぁ。


お家へ連れ帰ったは、よいのだが…
さて、どうしたものか…

とりあえず搬入予定の客間を小学生集団が占拠していたので、しばし玄関で待機…
(客間にゲーム機を設置した私の判断が誤りだった…)

カタログ

カミさん、「なに…これ…」(絶句)

もちろん、彼女は私がベース弾きだってのは知っている。
事前申告してあるから、買った物も何となく分かっていたはず。
で、ウッドベースというモノがどういうモノかも認識している。

けれど、現物を至近距離で見たことがない彼女には現実の大きさイメージがなかった、っつーことなのだ。

「なに…これ…」のあとの絶句は、怒った、とか呆れた、とか言うのではなく、自分の持ってたスケール感とのあまりの差にフリーズしていたのだと…

その思考停止状態に乗じて、つまり、どさくさに紛れて、えっさかほいさと運び込んでしまった、と、つまり、そゆことである。

Carlo Giordano SB300 中国娘 Carlo Giordano SB300 簡易身体検査

多分2004年の中国生まれ。


各数値は実測値である。
体重が予想外に軽い。
お店で、他の楽器試奏して、次にこれを同じ感覚でひょぃっと持ち上げようとして、あまりの重さに愕然としたのだが…

実重量はちっとも重くないじゃないか。
薄ぺったくてちいさいATELIER Z CUB Eliteが8.0kg(カタログ値)もあるのに?
(もっとも、ここんちのカタログ数値、全くアテにならないけど…計ると大抵違う)

YAMAHA SLB-200が7kgで、特別に軽いStud-B(4.5kg)は例外として、他の多くのエレクトリック・アップライト・ベースが大体6〜8kgをカタログに載せている。

ウッド・ベースってのは、実はそんなに死ぬ程重い物ではないのだな、実際は。
(持ち運びの辛さはガワのデカさとケースの出来の悪さなんだよ、実は)


Carlo Giordano SB300 はっきり言って…細部の造りや仕上げは、もう笑っちゃう位イーカゲンテキトーである。
国内製品だったらどんな寝ぼけたチェックでも絶対に検品を通らないレベル。
塗装仕上げなんか中学生の木工の方がマトモかも知れない。
本体のマット仕上げは、ニス塗装の上から、これは多分、手磨きサンディングで艶を消しているのだが…
をぃ、途中で飽きるなよ、ちゃんと最後までやれよ…と言った風情。


Carlo Giordano SB300 その他、パーツは付いてりゃいいんで、多少曲がってる位じゃ問題は起きない。
穴なんざ開いてりゃ機能するし…角が欠けてようが強度的には充分だし…
音、ちゃんと出ればどーでもいーぢゃん!

あははは…

流石中国人!と思わず賞賛してしまいたい位。


Carlo Giordano SB300 最近中国製の楽器の評判がとみに高いが、それは異常に口うるさい日本人がプロデュースして、ちゃんと工程管理している品物について、のみと言えよう。
恐い人が見てないと力一杯手抜き、と言うよりも、ま、良いかの仕事しちゃうみたいだな、彼ら。

これも歴史的に抑圧され続けた故の民族性なんだろうか…

ちゃんと使えるにも関わらず、仕上げがどうのなんて怒るから、日本人は獰猛で高圧的な侵略者だなんて言われちゃうんじゃないかとすら思える位…

そもそも彼らには機能に影響のないディティールにまで気を遣うなどと言う発想がそもそも無いんだろう。


Carlo Giordano SB300 見た目は結構テキトーだが、思ったより節度感があって手触りの良いチロリアン・タイプのペグ。
精度は意外にもまずまず。

表はかなり目が詰まり、木目が揃ったスプルース。
特徴的な手彫りと思われる富士額(細工)の顔。

背中はまるでマホガニーのような木目。でも近くで見ると微かに虎杢が入っている。


Carlo Giordano SB300
いや、この値段だから文句言えないし、気に入ったけどね、私。

木目は綺麗である。ホントに良い木なのかも知れない。


「感じるかい?大陸の風が吹いてきたよ!」


Carlo Giordano Logo 発売元のサイトには…
carlo_giordano“SINCE 1876”とあるが、中国でそんな古くから洋楽器を作っているわけはない、と思う…
これは現在この一連のカルロ・ジョルダーノを作っている工場が1876年に木工加工場(当時は楽器でなく家具など)として操業を始めた年らしい。

中国では家具屋から楽器屋に転身するケースが良くあるようだ。
きっと儲けが全然違うんだろうね。

音はなかなかなものだと思う。
自分の弾いた音が弾いたところからちゃんと聞こえて来るという感覚と、あの容積の空気が鳴っているという気持ちよさは、電気楽器とは比較のしようがない。
おそらく練習での上達度合いもかなり違うと思う。(特に音程感)

ただ、我々が普段演奏するような小さな、と言うか、やたら狭いライブハウスではやはりエレクトリック・アップライト・ベースに数段のアドバンテージがある。
逆に言えば、ウッド・ベースはデメリットの方が大きいと思う。

当分は、本番はやはりYAMAHAが出撃する事になる。

で、現在の音楽状況を鑑みるに、ウッド・ベースは確かに欲しかったけれど、大前提として「まずピックアップありき」、だった。
逆の言い方をすると、「クラシック以外の音楽でP.A.を意識しない楽器はあり得ないでしょ?」と言うことになる。

この楽器を買うまでの楽器屋でも、楽器の試奏よりピックアップ見せて貰って話聞いていた方が長かった位だし…

ピックアップの話に続く…か?

命名:影丸(理由は、後編に続く…)
>続く


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