GBのアームチェアCinema見ist:ロード・オブ・ザ・リング

ロード・オブ・ザ・リング

ロード・オブ・ザ・リング“旅の仲間”
:The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring

監  督 ピーター・ジャクソン
音  楽 ハワード・ショア
主  演 イライジャ・ウッド
助  演 ビリー・ボイド/ドミニク・モナハン/ショーン・アスティン/イアン・マッケラン
製 作 年 2001/米・ニュージーランド
シナリオ ピーター・ジャクソン/フランシス・ウォルシュ/フィリッパ・ボーエンズ
原  作 J.R.R.トールキン


あらぁ…本気で作っちゃったのね。
30年来の「指輪」フリークス。マニアとしては封切りと同時に見に行った。

確かに凄い。気合い入っている。
ニュージーランド・ロケと言うことだが、ニュージーランドの風土が果たして“指輪”世界のあの雰囲気を醸せるのか心配だったが、杞憂だったようだ。

楽しめた。しかしながら、少々疲れた。
原作も(翻訳であっても)かなり読むことに労力を必要とする作品だが、この映像は…
決して評価は低くない物の、二作目は実は映画館へは行っていない。
嫌いなわけではないのだが、何故なのか、自分でも良く分からない。
もしかしたら、自分の中に築き上げた「文学としての“指輪物語”」を他人に再構築されたくないと言う意識があるのかも知れない。
気になる映画のDVDは衝動的に買ってしまうのだが、それもまだしていない。
三部作が揃って発売されたら購入する…かも知れないが。

筋は…今更であるが、本作は書籍の一部に当たる「旅の仲間(Fellowship:映画副題は The Fellowship of The RING )」これをほぼ原作に忠実に映像化している。
同時に三部作全てを撮影したとのことで、
二つの塔 (The Two Towers)」 ─ 2003年(公開済)
王の帰還 (The Return of the King)」 ─ 2004年 と毎年一本ずつ封切ってゆく。
若い俳優を使って長大なシリーズを作ろうとすると俳優が肉体的に育って容貌が変ってしまう、故にまとめて全シリーズ取ってしまうと言うのは理想的方法であるが、作品に相当の自信があったのだろう。(一作目が売れなかったらオシマイだ…)

公開早々にアカデミー各賞にもノミネートされて、世の熱烈なる「指輪」フリークスにも受け入れらたのだろう。まずは良かった良かった。
かつて作られたラルフ・バクシのモーションピクチャー・アニメーション版は話題にはなったモノの結局受け入れられずに、続きが作られることなく消えてしまったが、今度のはラストまで見られるようである。

さて、長い映画である。
封切り時には、お気に入りの(前後ちゃんと互い違いに席を割り当てる全席指定で椅子が良い)ワーナー・マイカル・シネマズで見たが、それでも尻が痛くなった。
しかし、最後まで息つく暇なし。
非常に速度感のある映画。映画としてはなかなか良くできてはいる。

前述のように、ニュージーランドロケと言う事で、原作のちょっと陰鬱な風景が出るのか気になっていたが、なかなかの映像美である。
主人公のホビットはちょっと美しすぎる気がするが…

エルフのレゴラス君はまぁ、イメージ通り。
ドワーフのギムリとっつあんは、ドンピシャ。
ガンダルフ、ちょっとたれ目過ぎ。でも、まぁまぁ、かな?
馳男(字幕では韋駄天、原作ではStrider、アラゴルン)さんはもうちょっとシャープな方が良いけどナァ。
ラブシーンのあるエルフの姫君はちょっとゴツ過ぎ、儚さに欠けるな。
どっちにしても、ホビットはあんな美男子じゃないぞ。

どーだ、まにやはうるさいだろー!

アカデミー各賞を総なめしそうな…と公開当初から言われたのも納得できる。シナリオ、美術、音楽等々総合的になかなか良くできた映画とはいえる。
ファンタジーに嫌悪感をお持ちの方以外にはまぁ、お奨め。
ファンタジー・ファンはとりあえず、必見と言ったところか。(とは言え、私は二作目をまだ見ていない。2004.1.現在)


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