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K-20

K-20 怪人二十面相・伝:K-TWENTY

監 督 佐藤嗣麻子
脚 本 佐藤嗣麻子
出 演 金城武/松たか子/仲村トオル/國村隼/高島礼子/本郷奏多/今井悠貴/益岡徹/鹿賀丈史
美 術 上條安里
脚本協力 VFX協力:山崎貴
原 作 北村想(怪人二十面相・伝)
音 楽 佐藤直紀/OASIS
製 作 年 2008

夫婦50割引 「明日出かけないんだったら映画、行かない?」
カミさんからのお誘い。

へいへい、映画だったら、どんなジャンルでもご一緒しますぜ。

「朝一ね。朝一の回は指定席ないから」

げげ…早起きかよ…ま、いいか。

所で、何観るの?


K-20
いやこれね、こないだ劇場で予告編観たけど、どうかなぁ…
金城武??松たか子??仲村トオル??

ま、あんまり期待してませんからぁ…


タイトルが始まる…
(株)Robot…?
  ん?
白組…?
  ん?んん??
監督が女??
  ん?んんん??

いや、のっけから、これは大長編総天然色冒険大活劇活動写真!
舞台は米英との平和条約を締結し、昭和の大戦を回避し、大正を引きずって歪んだ成長を遂げた日本。パラレルワールドとも言える架空の1940年代の終わり頃。


K-20 あの三丁目の夕日の映像チーム総力戦である。
監督は女性ながら、TVや映画で経験を積んでいるらしい。
アクションについても、ゲーム“鬼武者”や“BIO HAZZARD Code Veronica”等を手がけ、脚本家としても活躍しているのだとか。

これは…

文句なしに面白い!

もちろん、ありそうでない架空世界の映像構築は、あの三丁目を作ったチームなのでケチの付けようがない。
三丁目で培った技術を総動員したといった風情である。
その映像の拘りなどを差し引いても、単純明快アクションモノとして高評価できる。


お話しは荒唐無稽の大どんでん返しで、そのストーリーは劇場用パンフレットにすら記述がない程だが、速度感、爽快感満点である。
ネタバレは出来ない、と言うより、それが全てだしな。

日本でもこれだけの冒険活劇が作れるんだぞ〜〜!
音楽もまさに冒険活劇。ダイナミックでまるで映画みたいで宜しい!(ローレライ三丁目の作曲家だね)
っと、ちょっと誇らしくなった私である。

ハリウッドに負けるなぁ〜〜〜っ!


で、乱歩をここまでいじっちゃうのか…
と思ったら、実は、これは乱歩へのオマージュというかトリビュートというか、別人の小説が原作。
映画があまりにぶっ飛んでいたのでつい、帰りに原作を入手、読んでしまった。

北村想と言う戯曲家が1989年に発表した作品。
乱歩作品である名探偵明智小五郎側から描かれた怪人二十面相、それに対し、二十面相の側から筆を進めた作品である。

いや、この原作も、乱歩ファンからはかなり評判が悪い様だが…
私にはかなり面白く読めた。
小説についてはこちら
ちなみに、映画“K-20 怪人二十面相・伝”は、乱歩へのオマージュ作品を原作にしながら、又更にそれを大々的に再構築しているのだ…
早い話が、全くストーリーも語り口も異なるのね。
原作、と言うよりも原案に近いかな。


K-20 怪人二十面相・伝(小学館文庫)北村想(著)

文庫: 333ページ
出版社: 小学館 (2008/9/5)
ISBN-10: 4094083022
ISBN-13: 978-4094083026
発売日: 2008/9/5


K-20
怪人二十面相・伝〈PART2〉(小学館文庫)/北村想(著)

文庫: 278ページ
出版社: 小学館 (2008/10/7)
ISBN-10: 409408309X
ISBN-13: 978-4094083095
発売日: 2008/10/7

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