もともと視点が違うのだと思います


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記載者:高木つねひで on April 04, 2105 at 16:34:53:

元の記事:話をややこしくしないで下さい。 /記載者:西岡 on April 04, 2105 at 09:48:16:

室内の空気がある程度動いている状態で、さほど断熱性のないカーテンを、引いた状態と引かない状態を較べれば、カーテンを引いた状態のほうが結露が発生しやすい、というのが、物理的に正しいと思います。もし私が物理学の専門家であれば、そう言うと思います。

安達さんは、「カーテンは結露を促す」と言ってしまうと、カーテンは良くないような一面的な解釈に結びつく恐れがあるので、建築設計の専門家の立場からは、総合的に判断する必要がある。と言っているのだと思います。

話をもとに戻します。結露発生のメカニズムは、定常熱伝導における温度勾配だけでは説明が不十分で、「空気の動き」も大きな要素です。物体に接する空気が常に動いている状態では結露は発生しにくくなります。

ガラスの室内側表面温度が室温に対し著しく低い場合、結露を発生しにくくするには室内側で断熱と防湿をするか、ガラスに接する空気を絶えず動かす必要があります。カーテンを垂らすと、カーテンとガラスの間の空気層による断熱効果があるのでその点で有利になりますが、ガラスに接する空気は動きにくくなるのでその点では不利になります。防湿の働きはないので結露を防止することはできません。また、カーテンを引かない場合、室内の空気がある程度動いていれば結露は発生しにくくなりますが、静止した状態では発生しやすくなります。カーテンによってガラスとの間の空気を動きにくくする効果が、結果的にどちらに傾くかはケースバイケースで、いちがいにどちらの方がとは言えないと思います。

次に、複層ガラスなどでガラス自体に断熱性を持たせ、室内側のガラス表面温度を室温に近づけた場合には、結露は発生しにくくなります。これは、カーテンのあるなしよりも大きな効果になると思います。

複層ガラスを使えば、ガラスに結露が発生しにくくなるのは間違いないです。暖冷房のエネルギー効率も良くなります。しかし、窓ガラスに結露して困ることがどれほどあるでしょう? なにより気を付けなければならないのは、壁体内結露です。壁体内結露は建物の寿命を縮める可能性があります。

人間が生活をすると必ず水蒸気が発生します。水蒸気を室外に放出するか水に凝結させない限り、室内の水蒸気は増加する一方であり、どこかで飽和すればそこに結露が生じます。これは窓ガラスに限ったことではありません。換気をすることが必要なのですが、充分な換気をしている家はほとんどないのが実状です。

不謹慎な言い方ですが、もし窓ガラスがびっしょりと濡れていたら「換気しないといけませんよ」というサインだと考えていただいたらと思います。あるいは、これもまた不謹慎な言い方ですが、壁体内結露を起こす前に、窓ガラスが除湿してくれているという見方もできます。もちろん、建築家としては、できるだけ結露を防ぐ設計をするわけですが、水蒸気が増加する一方ならば必ずどこかで飽和し結露が発生します。


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