韓国社員旅行
2003年12月7日 日曜日
ようやく見つけたその店、現地の人の好意に助けられてようやく辿り着けた。
店の外に貼ってある写真入のメニューには日本語も書かれている、日本語も通じるのだろう。
しかし沢山貼ってあるメニューの中に犬肉料理である補身湯(ポシンタン)はどこを探しても無い。
果たしてこの店で良いのだろうか、少し入るのを戸惑ったが無かったらその時は仕方ない。
そして店に入った瞬間に記憶が甦った。
3年前の旅行記に
"明洞を歩いていて見つけた大聖堂近くの裏路地にあった炭火焼肉の店"
(韓国旅行・11月2日木曜日参照)
と書いているその店だった。
そしてまた3年前に一緒に韓国に行った友人の話を思い出した。
その友人が再び韓国を訪れた時に現地人ガイドに犬肉を食える店に連れて行ってもらったと言う。
そこで連れて行かれた店が我々が行ったあの店だった…という話だ。
そして今回私も同じ店に辿り着いた。
3年前にここまで来ていたのに食べていなかったのだ。
それにしても明洞に無数ある飯屋の中で偶然にも3年前に入った店にこういう形で再び来ることになるとは…
店内で席に着いてメニューを開くとあった、補身湯。
3年前にも同じメニューを見ていたはずだが、たまたま入った店に犬肉があるという発想が無かったのだろう。
ましてやその当時は犬肉が補身湯なる名で料理されているとすら知らなかった。
そしてメニューを見て判ったが、犬肉ではなく狗肉だということ。
3人で食べるので大きいのを1つ頼んだ、15000ウォン(1500円)。
普通に焼肉もあったのでカルビやプルコギなどオーソドックスな物も頼んだ、そして勿論ビール。
そしてとうとう出てきた補身湯。
赤い見るからに辛そうなスープの中に野菜などと煮込まれた細く切られた肉、それが狗肉だ。
それと思って意識して食べたからだろう、若干の臭みがあった。
ラム肉の臭みをもう少し強くした感じだろうか。
しかしピリピリ辛い熱いスープ、野菜などと一緒に食べると普通に美味いといえる代物だった。
狗肉を食したことで私の中で1つの大きなテーマを達成した。
3年越しで食べることが出来た、満足だ。
その店は大通り沿いではなく、通りを1本中に入ったところで人通りはあまり無い。
そして店の外に貼ってあるメニューに狗肉は全く載っていなかった。
私の友人が案内されたのも同じ店だったことを考えると、狗肉を食せる店は相当限られているのだろう。
やはり狗肉を扱っているというのは引け目があるのだろうか…。
(その辺りの複雑な事情は前回の旅行記の後日談参照)
補身湯で文字通り身体を温め、ビールと焼肉でさらに熱量を増して、だいぶ暖まって外へ出る。
最後に目指すは南大門市場。
典型的な市場の熱気と雰囲気は前回も気に入っていた。
前回同様我々が日本人なのは一目で判るようでしきりに日本語で声をかけられた。
「お兄さんお兄さん、見ていって。キムタクの腕時計、カンペキなニセモノ」
この"カンペキなニセモノ"というフレーズは市場を歩いていてしょっちゅう聞いた。
間違えて覚えているのか、ウケ狙いで言っているのか…。
南大門市場を冷やかしてから地下鉄に乗ってホテル最寄の駅へ戻った。
18時の集合時間までには時間があったが、ギリギリに行くより早めに戻ってホテルで休みたかった。
再び歩いてホテルへ。
どうも私のプロデュースする(?)旅はよく歩くことになるようだ。
途中のコンビニで今夜の部屋飲み用のビールを購入。
ホテルの部屋冷蔵庫では缶ビール1本5000ウォン(500円)取られたが、コンビニでは1.5リットルのペットボトル入りビール(そんなもんが売っている)が同じ5000ウォン(500円)。
そのビールペットボトル1本、缶ビールを4本とツマミ少々を購入してホテルに戻った。
ホテルの部屋へ戻り早速買ってきた缶ビールを1本飲んで仮眠。
フリーで動ける実質の旅行はここまで、ここから先数時間の宴会は社員旅行ということでロビーに集合。
18時までは自由行動にも関わらず、時間になるとしっかり皆が揃うのはやはり学生とは違うところか…。
バスに乗り込んで街のレストランへ移動。
焼肉とキムチだけでは無い、韓定食なるその名の通り韓国の各種セットメニューが出される。
昨夜の焼肉屋とは違って、今回の大部屋はそれなりに移動の自由もきいた。
いわゆる普通の宴会になった。
お偉いさんやお世話になっている先輩社員などへビールを持って注いで回る。
あまり好きでは無いが、苦手でもないのでそれなりに無難にこなせた。
そうしたことは前職で慣れている、これも仕事だと思えばどーってことないな。
それでも何だかんだで結構飲んでホテルへ戻る。
ホテルの部屋に戻ると改めて飲み直し。
同期と2人で夕方に購入したペットボトルビールを飲み干す。
これまでに宴会でお互い散々飲んでいるはずが、そのビールでまた気分が良くなってきた。
ウォンも残っていたので折角のソウル最後の夜だしバーへ行く事に。
昨夜も行った16階のバーではバンドの生演奏に加えてこの夜も無難に美しいソウルの夜景。
夜景はともかく、バンドの生演奏はお喋りをするのには邪魔だったな。
エルトン・ジョンなどの無害な曲をやってはいたが…。
景色もそこそこにビールを飲んで、気が付くと1時30分、ラストオーダーだった。
結局ビールは2人で7本、昼から数えたらどれだけ飲んでるんだか。
風呂上りにも缶ビールを飲んで就寝。
翌朝は10時にロビー集合で帰国の途につく。
朝起きられるかな…。