「今何を感じていますか?」
いきなりそう尋ねられたら、今のあなたは何と答えるでしょうか。
「明日の仕事のスケジュールどうしようと思っていた」
そうですか。とっても忙しいんですね。
それで、何を感じていたのですか?
「めんどくさい仕事なんで、やりたくないな、いやだな」
そうか、、、。いやだな、と思っていたんですね。
この2つの答えの違いはわかりますか?最初の答えは頭の中であなたが「考えて」いたこと、あなたの「思考」ですね。次の答えはあなたの「感じ」、「いやだなぁ」という「感覚」を表現しています。
でもこんなふうに答えられる方はまだいいかもしれません。
「今、何を感じていますか」
「わかりません」
「わからない、というのはどんな感じですか?」
「うーん、、、わかりません」
こんなふうにしか答えられない方もいます。
そう答えた方も、本当はきっと何かを感じているのだと思うのですよ。「何わけのわかんないこと聞いてくるんだろう、うるさいなぁ」とか「いきなりそんなこと聞かれたらなんだか不安になってしまう」とか、、、。
でも、その自分の本当の気持ちに気づいていないのかもしれません。あるいは、気づいているのだけれど、こんなことを感じていいのだろうか、これで大丈夫なのだろうか、という思いがその感覚を感じさせないようにしているのかもしれません。
自分の本当の気持ちを感じることができないでいると、いろんなことがうまくいかなくなってきます。
まず人間関係。自分の気持ちを感じることができないということは、自分自身とよい関係を持てない、ということですから、他の人との関係もうまくいかなくなってしまいます。
すると自分に対して自信がなくなってきます。自分の本当の気持ちを無視してしまっているのですから、自分を信じることができません。それはイコール、他の人を信頼することができなくなってしまうことになります。
自分の気持ちを無視する程度が強くなってくると、さまざまな心身の問題が起こって来ます。うつ、不安といった心理的な症状はもちろん、身体の病気になってしまうこともあります。無視されている本当の気持ちが「わたしのことを見てよ〜!」と悲鳴をあげているのです。
ところが、その程度の強い人ほど、自分の中にそんな気持ちがあるということを全く意識していない人が多いのです。
もし、原因のわからない心身の不調に悩まされていたり、何かがうまくいかないなぁ、と感じていたら、ちょっと深呼吸をして、内面の声を聴いてあげて下さい。あなたの心の中には、自分でも気づいていないさまざまな声が、あなたに聴かれるのを待っているかもしれないのです。
このことは、あなたがもっと楽に生きていくための大切なキーポイントです。
どうして自分の本当の気持ちがわからなくなってしまうのか、その気持ちを受け取っていくプロセスなどについて、次回以降に書いてみたいと思います。
感情の解放(2)へ(【まほろば通信】vol.79掲載2001/12/01)
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