トップページご感想体験レポート9>7回目

Breath Therapy Report


ブレスワーク7回目

6回目のセラピー以降、私の中の『ちいさいこ』のイメージが常に、と言っても良い位頻繁に見えるようになりました。外に出かけると「ててつなご」と言って私の左手の指を一生懸命に握って(握手しているつもりらしい)喜んで歩いていました。お散歩といちごとおやつパンが大好きでにこにこ。一ヶ月が楽しく早く、過ぎて行きました。ただ、ちょっと困った面も出て来ました・・・
握手して一緒にお散歩が大好きな『ちいさいこ』ですが、病院と(これは現在の私も嫌いだから問題ない?)溝などにかけてある『金属の網状のモノ』を踏み越えて通る事が出来ないのでした。

・・・思い当たるところはあります。私が物心がようやく付いたかな、と言う位の頃、家の前に用水路があり、玄関から板を渡してありました。で、「川に落ちると大変な事になるから勝手にお外に出てはダメ!」と、それはきつく言われていたのです。ある日用水路の上を歩道にする工事が始まり、落ちると恐い川の上全面に『金属の網状のモノ』が貼られたのです。しかし「川は落ちると恐い」と思い込んでいた小さい私はその上を歩く事が出来ませんでした。それを家族は「(網が貼ってあるのに)落ちる訳無いじゃない、あんたバカだねぇ」と笑いました、みんなで・・・

話を戻すと、『ちいさいこ』は病院や網の前で私の足に掴まり「こわいよぅ!!」と半泣きになるのです。(イメージで)抱きかかえて「大丈夫だよ怖くないない」と言い聞かせてお互いに納得するのですが、荷物をてんこ盛りに抱えていたり、人の流れでだっこし損ねる事もあります。そうなるとさぁ大変、『ちいさいこ』は「あーんあーん!あるけないよ〜!!おいてっちゃやだ〜!!!」と大泣き・・・なので、もう一度その場所までだっこ出来るように戻るようになりました。他人から見れば「何やってんだあの人」状態でしょう。

7回目のカウンセリング&ブレスワークです。『ちいさいこ』もにっこにこ、「なかのさんちにいくの(^^)」と手を繋いで『スペースまほろば』に向かいました。
中野さんに「また怖い物が増えました」と言うとちょっとびっくりされましたが(怖いモノ増やして行っちゃまずいわな〜・笑)
『ちいさいこ』が『金属の網状のモノ』が超えられない話をすると、「痛いねぇ、とか怖いねぇ、とか共感して貰えると言う事で安心する事があるのですが、不幸にしてそう言う経験が出来なかったのかも知れませんね」と。以前のカウンセリングで「だだをこねたりした時に適切な対応を受けていなかった可能性があります」と言う話題が出て来たのをふと思い出しました。

そして、最近、自分が町中で「赤ちゃん」に目が行く事を話しました。自分がこどもが欲しいのかな・・・と思ったりもしたのですがどうも違う。「自分が赤ちゃんになりたい」のでした。一番始めから、だっこ、よしよし良い子良い子・・・ってして欲しいと思うようになっていたのです。私的には訳が分からないのですが、それを聞いた中野さんは「今日いろんなお話をしてて、今の話題が出て来て納得しました」と。
そして、「今まで『ちいさいこ』とコミュニケーションを取って行く中でいろんな事に気付かれていたように思うのですが・・・そろそろ統合(一体化という言葉だったかも知れない)する事が必要かも知れませんねぇ」とおっしゃいました。
その言葉を聞いた『ちいさいこ』がびくっとして飛び上がりました。「それは・・・」私も何だか妙な気分になったのと、ある事を思い出して尋ねました。以前のセラピーで消えて行った黒い星・・・「『ちいさいこ』が消えるという事ですか?」「消えないですよ。でも、今程頻繁に出て来なくなるかも知れないです」
中野さんの言葉か終わるか終わらないかの内に『ちいさいこ』は「やだっ!!!」と叫んでぴゅーっと走り出し、セラピールームのはしっこに座り込んでしまいました。「やだって・・・言ってます」と伝えながら何故か私は半泣きでした。「あぁ・・・じゃぁまだ無理かな(^^;)」私は何故涙ぐんでいるのかが不思議で・・・でもしかし、ブレスワークは始まりました・・・

深い呼吸をし始めると、寝転がっている私の頭上に「ここまでおいでぇ」と言う『ちいさいこ』の声が聞こえました。『ちいさいこ』は私が気が付いたのを確認すると、後ろを向くとぴゅーっと走り出しました。私は追い掛ける事にしました。走って走って・・・すると道にあの、『金属の網状のモノ』がありました。「きゃぁ」と叫んで、『ちいさいこ』はその網の目からしゅるっと落っこちてしまいました。慌てて『金属の網状のモノ』を覗き込み、とっぱらって下を覗き込み名前を呼んで手で探って・・・でもどこにも『ちいさいこ』はいない!!

置いてかれた。
私はそう思いました。置いてっちゃやだぁ、一人は嫌だ・・・涙が込み上げて来て、私は泣きました。号泣と言っても良いです。いつものお買い物途中の『ちいさいこ』と、立場が入れ代わってしまった気分でした。うつ伏せで、小さいこどもがだだをこねているように私はひっくり返って大声で泣き叫びました。
すると自分の背中、頭の辺りから、白いエクトプラズムのようなものが空に打ち上げられて行きました。前のセラピーの時も出て行ったもの。あぁ、『いかいおくり』だ・・・『ちいさいこ』もいなくなった・・・ひとりぼっちだよぅ寂しいよう・・・と私は泣き続けました。

泣き続けているうちに、私の頭上がキラキラ白く光っているのに気が付きました。前回のセラピーの時は打ち上げられた「白いもの」はすぐに消えて行っていたのに・・・「??」と思って仰向けになり上を見上げました。
私のそばには大きな大きな大きな木が立っていました。CMの♪この木なんの木♪がさらに背が高くなった感じです。キラキラしていたのは、木漏れ日なのでした。
私のからだから出て行った「白いもの」がどんどん木に吸収されて行き、木はどんどん大きくなって行きました。
「凄い木だなぁ」と私は純粋に思いました。気が付けば、泣き止んでいました。木漏れ日が気持ち良くて、手を伸ばして・・・するとワタシのからだは少しずつ上昇を始めました。

高い木のまん中くらいの枝に、『ちいさいこ』が引っ掛かっていました。「だっこしてぇ」と甘えた声でにっこり。即刻枝からはずし、『ちいさいこ』をだっこしました。
私のからだはまだまだ上昇し続けていました。「心配したよ、寂しかったよ。ずっとずっと一緒にいようね」と私が言うと、『ちいさいこ』は「いっしょ、って、そもそもずーっといっしょだよ〜?」びっくりしたように言いました。
すると、木の頂点に到達しました。頂点にはしゅるー、しゅるーと、さっきからだから出て行った「白いもの」が吸収されるところがありました。避雷針みたいだなぁ、と思った瞬間、からだは急上昇して、真っ白い世界に出ました。

私は寝かされていて、白い天井に直線の光る白い物が2本。周りはプラスチックだかガラスだか透明のもので覆われていました。
「誰か・・・いませんか?」私は呼び掛けようとしました。でも口から出て来たのは「ふえぇぇ」と言う声。周りを見渡してみました。プラスチックだかガラスだか透明のものの側面には2つ穴が開いていました。これは・・・保育器!?
私は生まれてすぐ、(十二分に大きかったのですが出産時の事情で)保育器に入っていたと聞かされていました。また声を出してみました。「ふえぇぇ、ふえぇぇ」でも・・・人の気配がありません。
壁を触ってみようと思って手を伸ばしてみると、私のては小さい小さいものになっていました。何と、念願かなって赤ちゃんになっていたのです。でも、置いてかれちゃったよ、と思いました。だーれもいない。がっくり・・・

諦めてしまった瞬間、私のからだは保育器を飛び出し原寸大に戻っていました。改めて、本当に誰もいないのかな、と見回してみました。すると・・・
「さみしいよぅ」「えーんえーん」「ままぁ〜」・・・保育器の中や白い床一面に、おびただしい数の『ちいさいこ』がいて、ひとりずつ丸まって、泣いていたのでした。
あっけに取られてみていると、その中の一人がこっちに向かって歩いて来ました。お散歩といちごが大好き、いつも一緒にいた『ちいさいこ』でした。彼女は『ちいさいこ』たちのリーダー格の様でした。一人だけ笑っていました。
「(私)がね、いっぱい『いかいおくり』したからみんなが(私)のなかにはいれるようになったんだよぉ」と嬉しそうに言いました。「でね、『ちいさいこ』(自分を指差して)(私)のこころのなかと、ひだりてででたりはいったりできるの」と。世界が保育器の白い部屋から、大きな木の下に変わりました。
すると、さっき泣いていた『ちいさいこ』達が、大きな木に吸い込まれて行く白いもののように、私の頭のてっぺんからひとりずつこころに入って行きました。全員入ってしまうと、『ちいさいこ』たちは私の名前を言いました。私に呼び掛けたのではなく、みんな自分が私、なんですよ、と言うニュアンスのようでした。すると、全員パン!と音がして、殻が弾けるように大きくジャンプしました。
「あぁ、寂しい『ちいさいこ』をみーんな私は殻に入れて閉じ込めてしまってたんだ」と気が付きました。自分が缶に詰められたように・・・苦しかったんだ、きっと。

あまりに強烈な体験だったので、セラピーが終わった後、私はしどろもどろに順番もむちゃくちゃに中野さんにお話しました。(すみません〜)「大冒険して来たんですね」と仰っていました。
「あまりに一杯で意味が分からないんですけど・・・」と言うと「無理に意味をつけなくていいんですよ、どんな感じがしたのか、それを十分に味わって下さい」とアドバイスを頂きました。そう、理屈っぽいんです、私・・・

帰り道、『ちいさいこ』と手を繋いで帰りました。途中、あの『金属の網状のモノ』がありました。すると『ちいさいこ』はするするとワタシの肩までよじ登って肩車。「飛び越えて」と言うので踏み越えました。「(私)がこえてくれるからこわくなくなった」とにっこり。そこで聞いてみました。どうしてセラピーの始め、やだって言ったの?
いっぱいおそとあそびがしたかったんだもん、って言っていました。


<6回目へ 8回目へ>

Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2005/01/01