なじみの店は、当然のことながら居心地が良い。
しかし、フリで入った店が自分を心地よく迎えてくれた時は
また格別の喜びがある。

カラカラカラン
カウベルが大きく鳴った。

いらっしゃいませ

黒いジャンパーを着た30くらいの男性客、
きょろりとした目でテーブルを選んで、やや体をくずした風に座った。

この近くに取材に来たんだけど。
少し書き物させてもらってもいいかにゃ?
そんでもってコーヒーは3杯ぐらい飲むから。

はい、どうぞ
remi は微笑んで答えた

その男はメニューを見ながら、独り言のように
あとアップルパイはあるかにゃ?
行きつけの喫茶店では毎日食べてるんだけどさ。
あー、無いのね。じゃ、ガーリックトーストは・・・
そんなら、普通のトーストちょうだい。

はい、かしこまりました
remi は微笑んで答えた

うーみゅ、やっぱり真子ちゃんのアップルパイが食べたいにゃー。
金城さんがいないから話しかけられることもないし、
この店は集中できそうだから取材メモを仕上げるとするか。
しかしなんで集中できるんだろうにゃ?
うーみゅ、あの絵に見られてるような気配がないからかにゃ?
まーいいか

真子、じゃなかった。おねーさんコーヒーおかわりちょうだーい!

向こうの高いビルはすごかったにゃ。雪は降るしオーロラは見えるし・・・
うーみゅ、なんかおいらはオーロラとご縁があるみたいだにゃ。

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ゲスト:アレキサンドライトの常連
噴水脇の売店 より。
小説登場者の出演をご快諾下さった作者 ページ・ワンさんに感謝いたします。