新・闘わないプログラマ No.85

Linuxってどこが優れているの?


「Linuxってどこが優れているの?」
最近、よくこんなことを聞かれます。それは社内での場合もありますし、プライベートでの場合もあります。「ねえねえ、りなっくすってういんどーずにくらべてそんなにいいの?」とかなんとか。
この質問は大変答えにくい。

「そーだなあ、技術的観点から見たら、LinuxはUNIX互換、ってことになっているし、UNIXとしての基本的な機能はほぼすべて押さえているんだよね。じゃあ、世の中に数多あるUNIXとその互換OSの中で、Linuxがどうか、と言われれば、可も無く不可も無し、ってところかなあ。技術的先進性が他のOSと比較してそんなにある訳じゃ無し、BSDのようなブランド力があるわけでもないし」
「じゃあ、全然たいしたこと無いんじゃない」
「まあ、そうとも言えるね。でも、逆説的に言えば、だからこそ注目されているとも言える。こう言っては失礼かも知れないけど、凡庸なUNIX互換OSとして」
「雑誌や新聞を読んでいると、今にもWindowsに取って代わる、といったような論調が多いし、なんかものすごいOSなのか、と思っていたのだけど」
「全然。ごく普通のUNIXに過ぎないよ。だいたい、マスコミってやつはニュースバリューってのが大切だから、なんでもセンセーショナルに書くわけで。いま話題になっているのは、サーバー用途のOSとしての話であって、取って代わられるのはWindows NT Serverという、Microsoftのサーバー用OSの話。今すぐ、デスクトップOSであるWindows95/98がLinuxに取って代わられる、というようなヨタ話は聞く必要が無いと思う」
「じゃあ、Linuxっていうのはサーバー用OSなんだ」
「いや、別にそんなことは無い。ユーザーが直接触れるクライアント機のOSとしてももちろん使うことが出来る。UNIXで使われているウィンドウシステムであるXも動作するし。ただね、Xそれ自体は、WindowsのGUIと対比できるようなものでは無い。このXの上で、ウィンドウマネージャというものやら、デスクトップ環境というものやらが動作して初めて、WindowsのGUIと対比できるような環境になる。ところがLinuxにおけるこのデスクトップ環境が群雄割拠の状態で、どれが主流になるものやら、という状態が長く続いたんだよね。今は、KDEかGNOMEだろう、というあたりに収束してきているけど。ちなみに、商用UNIXの世界ではCDEというデスクトップ環境が今は主流なんだけど、こいつはフリーじゃ無いので…」

いや、最近、社内でもLinuxの普及のための裏工作をやっていまして、だれかに何かを聞かれたときに、こんな話をよくしています。いやもう、毎回同じような話になってしまうので、面倒くさいこと、面倒くさいこと。
私は、もともと信仰心の薄い人間 :-) なので、Linux信者というわけではありません(もちろん「Microsoft信者」でも無いし「Apple信者」でもない)から、Linux教を社内に広めようとしている伝道者というわけではありません。
今でも職場の倉庫には486DX2やら486DX4やらのPCがうち捨てられていますし、数年くらいまえに社内に導入されたPentiumの75MHzやら90MHzやらの遅いPCもそろそろお払い箱になって大量に出回ってくることはまちがいありません。
こいつらをそのまま捨ててしまうのは勿体無いなあ、というのがそもそもの理由だったりします。社内システムやら、開発環境から、少しくらいとまっても「ごめんなさい」で済むようなところに、Linuxを入れて、ルータとか各種のサーバーとか、その他もろもろの用途で使えるのではないか、ということで、やろうとしているところです。
古いPCの信頼性、とか、そういった問題もありますけど、何せ古いPCは沢山余っているので、予備機として同じ構成にしたPCを横においておいて、壊れたらそちらと取り替える、なんてことをやろうか、と思っています。社内システムやら開発環境ならそれでもさしたる問題は起きませんからね。

まあ、そんな感じでやっておりますが、私自身としての「Linuxってどこが優れているの?」の答、というか、何故、社内でLinuxの導入の推進をしているかですが、

まあ、他にもいろんな理由がありますけど、その中でも重要なのは……

[前へ] [次へ]

[Home] [戻る]


mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp