新・闘わないプログラマ No.86

Windows2000はどうなった


意外に思われるかも知れませんが、まだWindowsNT 5.0と呼ばれていた頃から、Windows2000のことを期待していました。と言ってもサーバー用OSとしてではなく、クライアント・デスクトップOSとしてですが。

いま私が使っているOSでは、職場の自席のPCがNT 4.0ですし、家でもデスクトップPCはNT 4.0とLinuxのデュアルブートです。ノートPCにもNTを入れたかった、というか一度入れてみたのですが、ブートに時間がかかる上にサスペンドがうまく出来ない、PCカードのプラグアンドプレイが出来ない、などの理由で、仕方なくWindows95(とLinux)を入れています。
私がNTにこだわっているのは、95と比較して、こっちの方が安定しているからです。もちろんこれは比較の問題であって、NTが、いかなる場合でも、他のいかなるOSと比較しても、非常に安定している、などと言っているわけでは、もちろんありません :-)
でも、いろいろ話を聞いてみると、個人でNTを使っている人って、本当に少数派なんですね。まあ、そこいらへんで売っているメーカー製のPCって、みんなWindows98がプリインストールされているし、わざわざ別に金を払ってまでNTを買って入れる、なんてこと普通はしませんですか。
それに今時のメーカー製のPCって、Windows98が前提でハード・ソフトとも構成されているようで、まだデスクトップの場合はそれでも何とかする手はあるかもしれませんが、ノートの場合は他のOSを入れるのはお手上げ、というものも多いですよね。困ったものです。まあ、そんなこともあって、今はメーカー製のデスクトップPCには魅力を全く感じていない私だったりするわけですが。

話がずれました。元に戻します。
NTを使わない理由に、周辺機器やらボードで、ドライバが無くて動かないものが多い、という話はよく聞きます。私は、いままでとりたててこれで困ったことはないのですが、結構困ることが多いのでしょうか。私の場合、ビデオ、サウンド、NIC、SCSI、プリンタ、スキャナ、CD-R等々を付けてますけど、とりたてて問題は無かったりします。あと、この間、ちょっとした必要があって、デスクトップ用のPCカードアダプタを取り付けましたが、これも問題なし。
あと、ゲームは問題らしいですね。私はゲームはほとんどやらない(やるのは暇つぶしにソリティアとか、Linux上でxboingというブロック崩しとか ←これは結構おもしろい)ので、よく知らないのですが、DirectXのバージョンがどうたら、とかいうやつがあるそうですね。

まあ、いずれにしろ私は、Windows95/98系だったら、NTの方が安定してていいと思うんだけどなあ、と考えています。あ、もちろん、デスクトップOSとしてのお話です。もちろん、UNIX系の方がもっと安定しているでしょうけど、アプリケーションを初めとして、いろいろとこれはこれで面倒ですからねえ、全面的に乗り換える、というわけにはなかなか……。
ところで、今年になって、巷ではCeleronのデュアルCPU化がブームになっていますよね。まあ「巷」とは言っても、秋葉原近辺のことだけだったりするかも知れませんが。
もともとCeleronはPentium IIの廉価版という位置づけで発売されたCPUで、Pentium IIの半分以下の値段(場合によっては数分の1)で買えるのが魅力だったのですが、同一クロック周波数のPentium IIとCeleronって、値段ほどの性能差が無かった(というか、場合によってはほとんど差が無い、といっても過言ではないくらい)んですよね。
じゃあ、Celeronと比較してPentium IIのメリットは何か、というとデュアル化出来る、要するに、2つのCPUを持つPCを作ることが出来る、ということだったわけです。ところが、Celeronも実はちょっとした細工があればデュアル化出来るということが暴露されてしまったのです。
あとは、IntelがCeleronのデュアル化を原理的に不可能にするように設計変更するまでは、このブームが続くんじゃないかと思うのですが、ここで不思議なのは、なぜこんなブームが起きたか、ということだったりするのですよね。だって、Windows95/98はデュアルCPUに対応していないのです。複数のCPUを持ったPCでWindows95/98が起動しないか、というとそんなことは無くて、起動することはするのですが、それは1個のCPUしか動かない(他のCPUは止まっている)状態で起動しているに過ぎません。要するにデュアルCPUにしても何の意味もありません。
CPUを複数搭載することの意味は、それらが同時に動作することによって性能を上げよう、ということなわけですから、複数のCPUを同時に動かすことの出来るようなOSでなければ、何の意味もないわけで、Windows系のOSならNTがこれに相当します。他にも、LinuxとかBeOSとか、今時のOSならかなりのものが該当しますけど。
しかし、デュアルCeleronがこれだけブームになっている、ということは、実は隠れNTユーザーが結構いたということ? それとも、みんな急にNTを入れたのかなあ。案外、WindowsNTが突然売れ出していたりして。

しかし、相変わらず話が横道にそれてばっかりで、全然Windows2000の話題にならんではないか。
まあ、とにかく「デスクトップOSとしては」Windows系は当面使って行く必要があるので、それがNTカーネルを採用したWindows2000の方向に行くことはいいことなんじゃないかな、と思っていました。話によれば、ノートPCでもちゃんと使えるようになるらしいですし。
ネットワーク関係でも、NetBIOSなんていう過去の遺物を使わなくてもよくなるそうなので、これはこれでいいことなのですが、でも、古いNTをバージョンアップするまでは、そのクズのNetBIOSも併用しないといけないでしょうから、よけい管理の手間が増えるだけだったりして。売り物のActive Directoryも、まともに使えるようになるまでにはかなりの時間がかかるでしょうし、それまでは、WINSなどというカスとも付き合って行かざるを得ないですよね(このあたり、かなり感情が入っています ←日ごろの苦労が偲ばれる、というものです(^^;))

と思っていたら、どうも雲行きが怪しくなってきたようで……
マイクロソフトは、Windows2000のベータ版を大々的に(金を取って :-))配布する一方、デスクトップOS(というかコンシューマ向けOS?)としては、Windows98系を引っ張る方向に転換したようですね。Windows98 Second Editionなるものが今年に出て、その後、この系列の新バージョンを出す、ということで、NTカーネルによるOSの一本化は先送りされちゃったようですね。DOSの影を引き摺っているOSをいったいいつまで引っ張るつもりなんでしょうね。
この隙に乗じて、別の勢力が……などということになれば話は面白いのですが、なかなかその「別の勢力」が無いですよね。MacOSのカーネルはもっとタコだし、OS/2はこの分野ではもう既に死んでいるし、BeOSは面白そうだけどどうなんだろ、Linuxはデスクトップ環境の整備が後れているし。

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