新・闘わないプログラマ No.56

ジャンク


このコラムでは、最近のコンピュータ関係の話題を中心に取り上げるつもりである、などと言っておきながら、よくよく振り返ってみるとあんまりそういうネタを題材にしていなかったりして、先週はマイクロソフトの例の裁判の話題とか、ネットスケープがAOLに買収された話題とか、けっこうおいしいネタもあったりするので、これを取り上げようかな、などとも思ったりもするのであるが、でも、いやいやまてよ、そのテの話題は他の人もやっているだろうし、こういうのは情報収集能力に長けた(=ヒマな)人に任せておいた方がいいんじゃないかというような気もするし、そんなことを言っておきながら実は私もヒマだったりするかも知れないわけで、じゃあなんで取り上げないのかというと、それは単にひねくれているだけかもしれないし、それはそれとして、ネットスケープの将来はどうなるんだろう、なんてことも思わないわけでもないけど、別に私はNetscape Communicationsの株主でも無いわけであるからそれほど気になるわけでもないし、そんなことよりも、朝日新聞のWebサイトで「AOL、ネスケを買収」(記憶なので表現は不正確)なんて見出しがあったりして、「ネスケ」は無いだろう「ネスケ」は、などと勤務時間中に一人で突っ込んでいたりしたのだが、1時間ほどして再び見たら「ネットスケープ」に変わっていてやっぱり慌てて差し替えたんだろうな、しまった保存しておけばよかった、でもどうせやるなら「このホメパゲに関するご意見・ご感想は下記のメアドまでカキコしてください」程度のことはやって欲しかった、などと一人でほくそえんでいた今日このごろだったりするわけであるが、そろそろ読者の「いいかげんにしろ、読みづらくてかなわん」という声も聞こえてくるような気がしないでも無いし、だいたいこういうありがちな手法で内容の無いの誤魔化そうとしてもすぐにばれてしまうのがオチであるからして、このあたりで止めておきます。

で、今回のテーマですが、これとは全然関係なくて「ジャンク」についてです(^^;)

私がいつも見ているNetNewsのあるニューズグループで、ある人が、○○という店ではジャンク品を買ってはいけない、という趣旨のことを書いていました。当人はいたくご立腹のようで、ジャンク品のMac用のメモリーを買ったんだけど動かなかった、っていうんですね。でもって、店では交換も受け付けてくれない、そもそも動作保証をしていない、許せない、ってことらしいです。
これを読んで、「だからジャンク品なんだろー」と突っ込んだ人間は世界中で1億人くらいはいるんじゃないか、と思いますが(^^;)、そういうことが通じない人種ってのもいるんだなぁ、と「あなたの知らない世界」を見てしまったような気分でした。
その人の言うことには、「『動作保証していない』と『動作しない』はちがう」とか「ジャンク品にしては値段が高かったから、動くことを期待したのは間違っていない」とか言うんですけど、一般人の感覚ってこうなんですか?
私も、コンピュータに関して、出来る限りいわゆる「一般人」の感覚を失わないように、理解するように努めてはいるつもりなんですが、この話にはびっくりしました。そもそも「ジャンク品」なんて、そのメリットとデメリットを熟知した人がすべて納得済みで買うもんだ、一般人が手を出すようなものじゃない、と思っていたのですが・・・。安い、というだけで買うには危険性が多すぎるし、物(ブツ)を見る目、というのも必要でしょうしね。

私も、秋葉原あたりでジャンク品を見て歩くのは好きです。よほどのことが無い限り買いませんけど。買って直して使う、というのも面白いのですが、工具とか測定器とかあんまり持っていないので、最近のコンピュータ関係のジャンク品じゃあ、手が出せないものも多いですから。
多分、企業などに入れていたパソコンの処分品から取ったんでしょうけど、あんまり一般的じゃない部品が結構売っていたりします。拡張ボードなんかでも、MCAのボードなんかがいっぱいあったりして「うーん、MCAじゃあ使い道ないしなあ、当時は高かったんだだよなあ」なんて思いながらにやにやしたりして(^^;)
あ、MCA(Micro Channel Architecture)ってのは、IBMがPS/2っていうパソコンで採用したアーキテクチャで、PC ATの次の世代のパソコンとしてIBMが売り出したものですが、世間的には全然流行りませんでした。ただ、IBMのメインフレームを入れている所では、その関連で、PS/2(日本だとPS/55)を導入してたところがかなりありました。拡張ボードの規格は、ISAと全く異なっていて、挿すことすら出来ませんから、MCAのボードなどあっても、今となっては使えるパソコンがほとんどありませんし、しかも確か「オプションディスケット」というフロッピーディスクと一緒になってないと使えなかったはずですから、買っても使い道が・・・・。
ところで「PS/2」っていう名前は、今では「PS/2マウス」という言葉にかろうじて残っているだけで、世の中には「PS/2」をマウスの規格だ、と勘違いしている人がいて、初心者向けの某用語辞典にもそんな記述がありました。しかし、コンピュータ用語辞典(特に初心者向け)には笑える記述が沢山あって、読んでいて楽しいですね(^^;)
この間、いつものごとく秋葉原でジャンク品を物色していたら、PCMCIAのLANカード、1枚1000円、というのが箱にいっぱい(100枚くらい?)入っていて、「うーん、1000円かぁ、ちょっと高いかなぁ、どこの奴だろう、予備に1枚買っておいてもいいかなぁ」なんて思って手に取って見ると・・・・「16/4 Ring Node」なんて書いてある。「こ、これってEthernetじゃなくて、Token RingのLANカードじゃん(^^;)」私が物色している間に1人、そのカードを買っていった人がいるけど、いいのかなぁ、いや本当にToken Ringのカードが欲しくて買っていったんならいいですけど、なんか違うような気がするし。
というわけで、ジャンク品を買うなら、ぱっと見てそれがどういう製品か、というのを見る目というのも必要だったりするわけです。

ところで、最近なんか、秋葉原あたりのジャンク品って、結構値段が高くありません? いくらなんだって、この品物、こんな値段じゃ買わないよなぁ、というのが結構あったりして、あんなんで商売になるのか、不思議です。あんなんだと、確かに「素人」を騙して売りつけている、という感じがしなくもありません。
でも、何のかんの言っても、掘り出し物を見つけたときの嬉しさ、というのもジャンク品ならでは、ですから止められませんですけどね。

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