新・闘わないプログラマ No.484

お心当たりがない場合


インターネットバンキングとかいうやつがありますね。要するに、銀行口座の残高や振込み手続きをインターネット経由で行うやつです。私のように銀行口座にうなるほどお金が入っていると(嘘 ←言うまでもない)、まあそれなりに便利に使っているわけですが、ある銀行のインターネットバンキングを使っていて、メールアドレスを登録しておくと取引状況を知らせてくれるサービスがあることに気付きました。
「まあ、試しにやってみようか」ということで登録してみました。そして、少し経つと、件の銀行から次のようなメールが届きました。

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■■■ 【重要】 メールアドレス登録のお知らせ
■■◇
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いつも★★銀行のご利用ありがとうございます。
お客さまが登録されたメールアドレスは以下のとおりになりますのでご連絡いた
します。お心当たりがない場合は、★★★★★コール(0120-xxx-xxx)まで直ちに
お問い合わせください。

 lepton@amy.hi-ho.ne.jp

◎申し訳ございませんが電子メールでのご質問等は受け付けておりません。
 メールでのご返信はご遠慮ください。

★★銀行

「申し訳ございませんが電子メールでのご質問等は受け付けておりません」っつーのな何なんだよ、という話はともかくとして(どうして電話はよくてメールはダメなのかは、いまだによくわかりません)、「お心当たりがない場合」には連絡しろ、って書いています。
まあ、メールアドレスを入力するときに間違えた場合のことを書いているのでしょうけど、これってどうなんでしょう? インターネットバンキングのユーザーが登録時にメールアドレスを間違えた場合、

ということになります。このうち後者の人にあてて「お心当たりがない場合は、★★★★★コール(0120-xxx-xxx)まで直ちにお問い合わせください」と言っているわけですね。でも、いまどきメールの受信者で、この内容にしたがって「直ちにお問い合わせ」するような純真な人はほとんどいないのではないでしょうか。だって、0120-xxx-xxxという電話番号が本当に★★銀行のものであるかどうかすら確かめようもないわけですし、そんなどこの誰かもわからない人あてに電話する人も少ないでしょう。少なくとも私だったら放っておきます。
となると、この「まったく別人」は、他人の取引レポートを延々と受け取ることになってしまいます。いったいどんな取引レポートが届くのかまだわからないのですが、「誰それから、Leptonさんの口座(口座番号xxxxxxxx)に5億円入金されました。現在の残高は20億円です」(←あくまで例です ←言わなくてもわかるって)とかいう具体的なレポートだったりしたら……このサービスを使うのは止めることにします。
もちろん、ユーザーがメールアドレスを誤って登録した場合には当人宛に「メールアドレス登録のお知らせ」メールが届かないわけですから、それで気付くであろう、という考えは成り立ちます。でも、今回実際にメールアドレスを登録したときに、この「メールアドレス登録のお知らせ」メールが届くまでに1時間以上かかりました。なかなかメールが来ないので「変だなあ、登録を間違えたかなあ」とは思ったのですが、その後、別のことをやっていて登録したことすらすっかり忘れてしまっていました。
そんなわけですから、そのまま「メールアドレス登録のお知らせ」メールが届かなかったとしても、そのまか気付かないままになってしまう可能性は十分ありえます。
というわけで、こういうメールを送るだけではあまり意味はないよねえ、もう一段階、ユーザーからのアクションが必要なのでは、と思ってしまいました。

この「メールアドレス登録のお知らせ」メールと同類の、しかも身に覚えのないメールは、私のところにもいっぱい来ます。出会い系サイトへの誘導だったりするのが多いわけですが、あと、メールマガジンの購読開始メール。これにも「お心当たりがない場合は〜」と書かれていますが、これも無視しています。だって、本当に真っ当なところからのものかどうか確認できないから(というか、確認するのが面倒だから)です。
そんなわけで、私のところには、自分で購読したわけでもない読みもしないメールマガジンがいっぱいやってきているのですが、これって、いったい誰が何の目的で購読申し込みするんでしょう? 謎です。

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mailto:lepton@amy.hi-ho.ne.jp