新・闘わないプログラマ No.473

Office 2007ファーストインプレッション(←これも早い)


先日(2007年1月10日)に公開されたMicrosoft OfficeのアップデートでExcel 2000のアップデートを行うと、開けないファイルが出てきてしまう、という問題が発生しました。1月19日になって修正版が出てこの件は解決するに至ったのですが、あまり騒ぎにならなかったのは何故なんでしょう? まあ「いまさらOffice 2000なんていう古いバージョンを使っているやつなんてほとんどいないよ」ということなのかも知れませんが、現実問題としてはどうなんでしょうか?
Office 2000は、プロダクトアクティベーションが不要な最後のMicrosoft Officeだから、1枚のプロダクトキーで何台にでもインストールできるので、そういう方面でよく使われているだろう、とかいう話は置いておいても、そもそも、Office 2000とOffice XPとOffice 2003(それと、Office 98も)の違いはどこにあるんだ、と問われると、なかなかありません。私の知っている範囲内では、Office 2003ではExcelでメールアドレスらしき文字列を入れても勝手にリンクが付加されない設定ができるくらいです。
だとしたら、わざわざOffice 2000をOffice XPにしたり、Office XPをOffice 2003にしたりした人はそんなにいないんじゃないかなあ、と想像できます。ということは、Office 2000だって、いまでもそれなりに使われていると思うのですが、そうでも無いんでしょうか。少なくとも、私の職場では基本的にOffice 2000を使っています。
そんなわけで、先日のアップデートははまりました。職場にてあるExcelのファイルを開こうとしても、一瞬ウインドウが表示されるだけですぐに閉じてしまうのです。それもすべてのファイルじゃなくて、どんな条件のファイルが開けなくなるのか、その法則性もよくわからない。その直前にやったアップデートが悪さしているとは最初は気付かなかったわけで、誰かがマクロでいたずらした(開いたExcelのファイルをすぐに閉じるようなマクロでも仕込んで)のではないか、とも疑いました。
その後、周りを見渡したところ、あちこちで「Excelのファイルが開けね〜」の声が。さっきやったアップデートが悪いのではないか、と思い始めたのが午前10時頃。インターネットで情報収集をしていたところ、昼頃になって同様の現象の報告がちらほらと見受けられるように。
夕方ころになって、Internet Watchにこの件の記事が載ったものの、他ではほとんど騒がれていなかったようで、たとえばIP Proなど、その夕方の時点でも相変わらず「Windows 2000/Office 2000以降のユーザーは即刻,『Microsoft Update』などを利用して, パッチを適用すべきだ」なんていっていたくらいでした。
そんなわけで「Office 2000」はもう過去のものなのかなあ、と思った次第です。

さて、先週、VMware上にWindows Vistaをインストールしてみたわけですが、引き続き今週はOffice 2007をインストールしてみました。Office 2007には(それまでのOfficeと同様に)いくつかのエディションがあります。まあ、どれをインストールしてもよかったのですが、ここはやはり「全部入り」でしょ、ということでUltimateを選択。Windows Vistaと同様に、プロダクトキーは入れない状態でインストールしました。プロダクトキーを入れなくても50回は起動できるそうですので、とりあえず評価するのには問題ありませんし。
CPUも遅く、メモリも大して多くないPC上でVMwareを動かして、その上に重いWindows Vistaを動かし、さらにその上でOffice 2007のインストール、ということで何時間かかるかわからん、と思ったのですが、案外速く終わりました(正確な時間は計っていなかったのですが、たぶん1時間くらい)。

Microsoft Officeは98から2003まで、基本的に操作性もファイルフォーマットも変わらずに来ました。それが今度は、操作性がガラッと変わり、ファイルフォーマットも、従来の独自フォーマットからXMLベースが標準になるということで、そのあたりには興味があります。
インストールが終わったので、なにはともあれ立ち上げてみました。最初に立ち上げたソフトはExcelです。AccessやPowerPointは、最初に立ち上げてどんな感じかみるのにはちょっと違うような気がしますし、かと言ってWordはほとんど使ったことが無いのでパス。というわけでここは定番のExcelです。
で、そのExcelですが、上のところ、つまりいままでメニューやツールバーがあったところ、今までのExcelとはまったく違っています。というか、これって標準的なWindowsアプリケーションの作法からも遠く離れていませんでしょうか? ウインドウのタイトルバーの直下にメニューバーがあって、そのメニューバーの一番左のメニューが「ファイル」で、次が「編集」で、というのとぜんぜん違います。このOffice 2007のような操作性が今後のWindowsアプリケーションの標準になるんでしょか。
ちなみに、別パッケージになっているOffice Visio 2007は昔ながらのインターフェースでしたが。

Windowsの場合には「クラシック表示」とか言って、以前のWindowsの見た目を踏襲する機能が付いているのですが、私が(短い時間)捜してみた限りでは、Office 2007を2003風にする設定は見当たりませんでした。どこかにそんな機能があるのでしょうか?
いやまあ、インターフェースを変えるなら変えるで別にいいのですが、いままで長年にわたって培ってきた「○○したい場合には、○○メニューから○○を選んで、表示されたウインドウの○○タブをクリックして、そこの○○というチェックボックスを○○にして……」というバッドノウハウ(?)が無効になっちゃうのが残念といいますか……。

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