思ツタコト No.23

時刻表復刻版


世の中には、人々の想像を超えた、その存在価値すら定かではない商品というものも存在します。私の目の前にあるこの物体

「復刻版 明治大正 時刻表」三宅俊彦 編・解説 新人物往来社

これなども、その一例を申せましょう。
はたしてこれはいかなる物体なのでしょうか。我が国において、単に「時刻表」と言えば、基本的には国鉄・JRを中心とした列車時刻、その他の交通機関の時刻が書いてある書籍である、と言っても差し支えないでしょう。
そして、当たり前のことですが、時刻表は最新のものしか役には立ちません。10年前の時刻表を見て、駅に向かうということは決してないのです。
しかるにこの物体、図々しくも「復刻版」などと書いてあるではないですか、あまつさえ「明治大正」とは何事でしょうか。いったい、このような物体に対して、我々はいかなる判断を下すべきなのでありましょうか。

いやあ、慣れない書き方はやっぱり駄目ですね。最後までこの調子で続けようと思ったのですが、疲れたのでやめます(^^;)
いままで隠してきました(嘘付け!)けど、私、鉄道が好きです。鉄道が好きな人間にも、いろんな派閥がありますけど、私は、列車に乗ったり、時刻表を眺めたり、とかいうのが好きです。
通常の時刻表の用途から考えれば、古くなった時刻表は実用になりませんから、利用価値はありません。でも、鉄道の歴史を調べるという面から見たときには、時刻表は重要な史料になります。ところが、古い時刻表って意外と残っていないんですね、使い終わったら棄てられてしまうことが非常に多いですから。だから、古い時刻表は、古書市場でも結構な値段で流通しています。
我々のような、単に時刻表を眺めて喜んでいるだけのアマチュアにとっては、そんな高い買うわけには行きませんけど、そこには強い味方「復刻版」というやつがあります。今までに、昭和の時刻表の復刻版はJTBから3度発売されています(もちろん持っています(^^;))。大正以前の復刻版は今まで無かった(多分)のですが、先日発売されました。値段がちょっと高かったのですが、思わず買ってしまいました。

以前、うちに来て、本棚にある「時刻表復刻版」を見つけて「なに、これ!」と叫んでいた友人もいましたが、一般的にはそうでしょうね。「昔の時刻表なんて、持っていて何の役に立つの?」っていう感じでしょうし、復刻版なんてものが出るだけの価値があるんだろうか、と思ったのでは無いでしょうか。
このコラムを書いたきっかけは、その友人の反応を思い出してしまったからなんですけど、世の中には、いろんな需要があるし、まぁ、こんな書籍があってもいいんじゃないでしょうか、ということで、何が結局言いたかったのか、うやむやなまま、このコラムを終わらせていただきます(^^;)

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