思ツタコト No.21

手紙


拝啓 初秋の候、皆様方にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、・・・

などと堅苦しい始め方をしてしまいましたが、私、手紙を書くのが大の苦手です。出来る限り書かずに済ますように努力はしているのですが、でも、どうしても逃れられない場合もあります。そういうときには「手紙の書き方」のような本をひっくり返して、うんうん唸ることになります。
その上、あの便箋に文字を書いて行く、という行為自体が苦痛以外の何ものでもありません。そもそも、最近とんと字を書かなくなってしまいました。もう100文字以上の字を書くと腕が痛くて・・・。その上、よく字を間違えるんですよね。出す相手によっては間違った字を線で消して書き直したような手紙は出すわけに行きませんから、一から書き直しになったりして。

それに比べて、電子メールは楽ですね。ほとんどの場合、形式ばった部分は書かなくても許してくれるし、字を間違って、新しい紙に書き直す必要も無いし、漢字を書けなくて辞書を引く必要も無いですしね。
こういうふうに電子メールって、結構安直に使われることが多いと思うのですが、でもやっぱり手紙としての最低限のマナーとでも言うのか、そういうのも必要なんじゃないかな、なんて思うことも多々あります。

私が受け取った電子メールにも時々あるんですが、TOフィールドやCCフィールドに複数のメールアドレスを列記してあるメール、これって出した方はなんとも思ってないのでしょうか? まぁSPAMメールのようなやつはこの際どうでもいいですけど、そうじゃない、知人からのメールでもときどきあるんですよね。
大概はWebページを更新した、とかいうお知らせメールなので、複数の人にいっぺんに送ろうとしたのでしょうけど、これってちょっと変じゃありません? そこに指定してあるメールアドレスの人たちがお互いに知人である、とかいうのならまだ分からないでも無いですけど、全く知らない人たちのメールアドレスが列挙してある場合もよくあります。こういう形で他人のメールアドレスと、その人にこういうメールを送りました、ということを公開することについて、メールを出した本人は何も考えないのでしょうか。
また、TOフィールドに複数のメールアドレスを指定できる、ということを知らない人が多いのか、よくあるパターンとしては、TOフィールドに1つ、CCフィールドに複数のメールアドレスを指定してある、というのがあります。でも、これってなんかランク付けされたようで、気分のいいものでは無いですよね。CCフィールドに書かれた人は、なんか「まぁ、おまえにもついでに教えておいてやるよ」と言われたような気になると思います。

そもそも、こんなこと、普通の手紙でやったらどう思うか、考えてみれば分かりそうなもんだと思うのですがねぇ。確かに、CCやBCCは、普通の手紙には無い、電子メールの優れた特長だとは思いますが、乱用しちゃいけないと思うんですよ。そもそもそんなことしなくたって、複数の人に電子メールを出すのだって、そんな面倒な操作が必要なわけじゃないですからね。少なくとも、普通の手紙なんかよりははるかに簡単。
最近、こういうメールを立て続けに何通か貰ったものですから、ちょっとこんな話を書いてみました。

朝夕は冷え込む季節でございますから、お体を御大切に。
敬具

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