思ツタコト No.17

架空戦記


「架空戦記」というジャンルの小説(らしきもの)があります。「超零戦 全機発進せよ」とか「大逆転 超要塞空母大和 西太平洋の死闘」とか、これはいま私がでっちあげたタイトルですが、きっと似たような本がいっぱい出ているはずです。
内容は、と言えば、どれも似たり寄ったりで、とにかく当時(ほとんどが第二次世界大戦時代)の日本の技術力と工業力を無視したスーパー兵器が開発され大活躍して(しかも、なぜかほとんどの場合海軍)、日本が連合国に勝利する、というお気楽な内容の代物です。

知り合いに、自称軍事マニアの人物がいます。そいつは、それさえなければいい奴なんですけどね・・・・カラオケで軍歌を歌うのは止めて欲しい・・・・。そいつの口癖は「日本も空母を持つべきだ」なんですけど、「んなもんあっても、いったい何に使うんだ?」と私が問い返しても、全然要領を得ません。ただ単なるミーハーというかオタクなだけのような気もしてきました。
その人物が一所懸命薦めるので、何冊か件の「架空戦記」を借りて読んでみました。やっぱり、食わず嫌いはよくないですし。

で、その感想なのですが、「こんな本で金を取るとはいい度胸してるじゃねーか」
特に凄かったのが霧島なんとか、という人物が作者のやつです。本当に、内容が無いよう(^^;) ストーリーは、書くのも馬鹿馬鹿しいのですが、要するになんか分からないけど、ものすごい兵器(スクリュー音を検知して自動追尾する魚雷とか、ジェットエンジンの戦闘機とか)が開発されて、日本が大勝利を収める、とこれだけです。
文章は、小説と呼ぶにはあまりにも恥ずかしい下手くそさ、それに笑っちゃうのが、なにか兵器が登場すると、「その装備・特徴は次のとおりである」と言って、約1ページにわたって箇条書きにしてあるところです。それが随所にわたって出てくるものですから、いやぁ、いいページ稼ぎしていますね。

しかし、この風潮っていったいなんなんでしょうね。
私もここ何年か、昭和の歴史に興味を持っていて、いろいろ本を漁ったりしているのですが、私自身のことを言えば、戦争の個々の戦闘がどうだったか、なんてことには全然興味がありません。そもそも、どうあがいたって勝てない戦争だったんだし。

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