[ホームページへ戻る]

武者組/おめでたき日々(2003年7月)

(2003年7月)
今月のことば:成功する?読書日記


2003年7月24日(木)

うわづら文庫

 岡島昭浩さんのつくっている日本文学等画像ファイル 「うわづら文庫」というのを知った(via 「みずたまり」)。刊行後50年たったものをPDF化したものだ(テキストではない)。明治のものが中心だが、よく見ると島村抱月「メーテルリンク論」、「復活」(トルストイ)があった。前者をちらっと見たら、「イプセン、トルストイ、メーテルリンクは道学者」とあった。ふむふむ。スキャナで読み込んだだけの画像なので、決して読みやすくはないが、いろいろと勉強にはなろう。

 でもいくらブロードバンド時代とは言っても、画像データが重過ぎるのではないだろうか。何かと並行作業をしながら読もうとしたら、PCがフリーズしてしまった。要注意。

2003年7月23日(水)

  Yahoo!カレンダーで「武者組」的予定表をつくってみたので、試験的に公開する。一部個人的趣味の部分も入っているが、ご容赦されたい。
 いろいろためしていたら、実篤記念館の展示予定がインポートできてびっくり。これは使うしかない!日本民藝館もブリヂストン美術館もできないのに。さらにここに項目すら表示されない美術館記念館も数多くあるというのに。誰が情報収集・掲載をしているのだろうか。

2003年7月21日(月)

新潮文庫『友情』改版

 7月20日付けのメールニュースで書いたとおり、新潮文庫の『友情』が今年6月に改版された。今年の3月には岩波文庫版『友情』も改版されて、文字が大きくなったが、新潮文庫版も同様で文字が大きくなって組版もゆったりとなった。こういった改版は時代の趨勢らしい。 (岩波文庫版の改版については、今年3月の「おめでたき日々」で書いている。)

 表紙や解説などは変わっていないが、本文の最後のページが私が持っているもの(131ページ)より2割増で155ページになっていた。本体価格も324円から362円とちょっと値上がり。前回改版は「昭和62年5月103刷改版」で、16年ぶり。版が擦り切れたのか。

 店頭でみると、ちょうど「新潮文庫の100冊」キャンペーンのものから切り替わっているようだ。それまでの在庫で書棚にささっているものは古いままだ。私の持っている最新版は「平成10年5月117刷」だが、前回改版から11年で14刷を重ねている。およそ夏の「100冊」キャンペーンのたびごとに増刷をしているのだろうか。

「Web日記を書く心がけ」(結城浩さん)

  結城浩さんの「心がけ」という文章の中に、「Web日記を書く心がけ」というのをがあるが、その中でも「出し惜しみしない」というのに共感。私は別に出し惜しみをしているわけではないが、もう少しまとまってから書こうとか、もっといい文章が書けそうになってから書こうとかで、結局書かずじまいになっている話題がいくつもある。それをあまり構えずに、すんなり書いてみようと受けとった。真似してみよう。

 ちなみに結城さんは www.textfile.org(テキストとプログラミングの寡黙な情報集)というページをつくっていて、おもしろい話題が多いのでよく見に行っている。おすすめ。

2003年7月20日(日)

 「武者組“あるね”ニュース」発行。

○ [講座] 「実篤に挑戦!〜うちわづくり〜」(実篤記念館)
○ [講座] 「実篤に挑戦!〜筆と墨で絵を描こう」(実篤記念館)
○ [講座] 夏休み企画「聞いて・見て・楽しむ会」(実篤記念館)
○ [新刊情報] 新潮文庫『友情』が改版

 1件、調べていたが申込み締切が過ぎていたので載せられなかった話題があるので、ここに記録として書いておく。もっとこまめにフォローしなければ。

○ [講座] 「作ってみよう!〜わたしだけの本〜」(実篤記念館)
 実篤記念館では「作ってみよう!〜わたしだけの本〜」と題した講座を開催する。自分で中身から装丁まで行って、自分だけの本をつくるそうだ。
 日時:8月2日(土)、3日(日)、7日(木)全3回。13時半〜15時。
 会場:実篤記念館内
 講師:岡野暢夫氏(製本工房リーブル)、記念館学芸員
 定員:10名(小学生・中学生対象)
 参加費:630円(材料費実費)
 申込み:3回受講が可能な人に限る。往復葉書で7月15日必着。

 日経新聞の書評欄に関川夏央『白樺たちの大正』の書評が載った。「『改造』への衝動」が全国を席巻した時代=大正時代という観点で描かれていると紹介されている。「屈指の空想家であった武者小路実篤の文学の特異性」というのが「?」だが、おおむね好意的な評だ。(でも、「宮崎県日向村」なんてないからね>書評子。)

 調布の花火大会は、無事開催。どんという音だけ聞こえるが、マンションの陰で見えなかったので、調布ケーブルテレビで鑑賞。

2003年7月19日(土)

 今回はメモとして書きためたものを一気に記入してみた(7月10日〜7月17日)。毎日書いて校正して公開するというのもしんどいので、ちょっとこの方法を試してみようと思う。読まれる方は、少し前の日付のものもまとめて出てくると少し変な感じを受けるかもしれないが、毎日このページをチェックされている方も稀だと思うので、当面この方法でいってみる。今後は何日から何日分までまとめて掲載したとも書かないのでご了承いただきたい。

  明日は調布市花火大会(多摩川河畔)。天気はちょっと不安だが、盛大に打ち上がってほしい。実篤記念館は展示替え中で花火大会とはしごはできないが、近場では「狛江市花火大会」というのもある(7月30日(水)午後7時30分から。多摩川緑地公園グランド、小田急線和泉多摩川駅下車)。記念館は低いところにあるので見えないが、少し狛江寄りに行けば見えるかもしれない。

2003年7月17日(木)

 外出先で立ち寄った本屋は品揃えは良かったが、大きな書棚がどこか近寄りがたかった。きちんと分類されているのだが、気軽に何か探してみようという気分になれない。かろうじて面展示してあるものに目をやるぐらい。手にとりにくい雰囲気。
 「武者組」も、中味はたくさんありそうだがどう見たらいいかわからないと知人に言われたことがある。どこかこの本屋に似たバリアがあるのだろう。ナビゲーションをしっかりするのと、リニューアル時には「軽さ」を打ち出していきたい。

2003年7月14日(月)

 京王線つつじヶ丘駅にある実篤記念館の掲示板に、今夏のさまざまなイベントで夏休みの宿題にどうでしょうかという掲示が出ていた。今週末から夏休みか。多くの小中学生にも記念館に来て欲しい。こんなところがあるのかと、きっとびっくりするはずだから。

 「実篤」で検索していたら、夏の全国高校野球岩手県大会の中で「中村実篤」選手というのがヒットしてびっくりした(沼宮内高校)。甲子園に出たら応援しよう。

2003年7月13日(日)

 記念館の「東洋の美」展は今日まで。なんとか時間をやりくりして、見学。最近いつもぎりぎりだ。いかんいかん。

 今回は実篤所蔵の美術品の中から、東洋美術に関するものを出品している。いろいろ持っていたのだなというのが率直な感想。書に陶器に仏像などなど、趣味人とは思わないが、ほかにも西洋絵画もあり、死ぬまでいろいろ勉強していたのかもしれないと思った。

 展示品の大半には、一点一点武者小路穣氏の解説がついている。教科書的な事実だけではなく、その真贋についての意見や実篤との関係などもふれていて、とてもためになる。血の通ったというかあたたかみのある文章で、以前展示室でお聞きした同氏の解説を聞いているようだ。

 実篤公園ではたくさんに蚊に食われた。記念館の出口(公園側)に虫除けスプレーと虫さされの薬がおいてあるので(ありがたいことだ)、じっくり歩くならばぜひ使われるのをおすすめする。

 ちょうど開催中の有島記念館(北海道)の「有島3兄弟と白樺派の人びと」のポスターがはってあった。終わったものもあるが、書いておく。

6/9 特別記念講演 「有島3兄弟と白樺派の人びと」紅野敏郎氏
4/25 「有島文学の道」命名
5/10 有島記念館春の音楽彩
6/9 「カインの末裔」文学碑除幕式
クラシックコンサート
 8/13(水)13時から ピアノトリオ 河辺俊和、小原圭他
 9/20(土)14時から ハープ独奏 池田千鶴子
10/4 一房の葡萄祭

 ネーミングにちょっと違和感がある(なんだか浮ついた感じがする)。「流行作家」有島らしいが、実篤はもう少し質実剛健でいってほしいと思った。

2003年7月12日(土)

「グーテンベルク21」では、「来月くらいからトルストイの大長編『アンナ・カレ−ニナ』のメールによる配信を予定しております。日程が固まりしだい、またご案内を差し上げます。」だそうだ。有料だろうから読まないと思うが(ケチ!)、メモ。

2003年7月10日(木)

 帰りにかもしだ商店に寄る。原田宗典の『青空について』が今年3月に光文社文庫で出ていた(のが並んでいた)。あとがきが追加されていて、それによると、当時は鬱で何も書けなかったが、これらの詩だけはしぼりだすように書いたとあった。
 なんだか雰囲気が実篤の詩に似ていると思ったが、実篤の詩も精神的に厳しいときに書かれたのではないかと思った。

 最近出た本で『鬱力』というのがあったはず。ちょっと気になる。

 で、『青空について』を図書館で貸出予約。文庫は貸し出し中だったので、単行本の方。(→週末に入手するが、やはり「あとがき」は文庫だけだったので、文庫本も予約を入れた。)

2003年7月8日(火)

 書店に行くと、入口で夏の文庫フェアが始まっていた。新潮文庫の100冊に、 『友情』は去年に引き続きの当選。おめでとう。角川文庫は空振りで、集英社文庫にもないなぁと思いながら見ていると、原田宗典『はらだしき村』が入っていた。
 新潮文庫の100冊の小冊子には、ロングセラーベスト10というコーナーがあり、『友情』は第4位(約500万冊)だったが、これは以前も見たデータだろうか。ちなみに1位は『こころ』、2位は『人間失格』、3位は『老人と海』だった。

 その書店で、安岡章太郎『私のぼく東綺譚』(新潮文庫)を見る。当時の写真と荷風が撮った写真に交じって、木村荘八の挿絵も多数収められている。

 電車の吊り広告で、 「pen」という雑誌の「男は奈良へ。」という特集に、志村直愛という名前を見つけて、「奈良」、「志」、「直」だけで反応してしまった。病膏肓にいるというやつか。

2003年7月5日(土)

「調布市福祉のまちづくり実態調査報告書」

 「調布市福祉のまちづくり実態調査報告書」というのが図書館の新刊コーナーにあったので読んでみる。調査対象に実篤記念館と実篤公園があったのだ。

 発行は調布市福祉部福祉総務課だが、民間の調査会社に調べさせたもの。庁内で作成したような簡易印刷&簡易製本(一部カラー)。平成15年2月刊、登録番号(刊行物番号)2002-229。
 背景としては、平成9年4月調布市福祉のまちづくり条例制定、平成10年4月調布市福祉のまちづくり条例施行規則の施行というのがあり、それらに対する現在の状況を調べてまとめたもののようだ。
 調査期間は平成14年10月1日〜平成15年1月31日で、調査対象は公共施設54、道路62路線、公園13、駅9、バスターミナル3、タクシー乗り場3、アクセス調査13ルートとなっている。
 評価基準は大きく分けて3つ。接近性(敷地内通路、駐車場、出入口に関する項目)、移動性(廊下、階段、昇降機、各部屋のドアなど施設内の移動に関する項目)、利便性(だれでもトイレ、ベビーベッド、浴室、客席、案内などの設備に関する項目)となっていて、動作空間に最も厳しい条件を要する車いす使用者が利用できることを基本に考え、ABCの3段階評価。Aは「高齢者や身体障害者のだれもが利用できる」、Bは「一部の人にとっては利用が困難」、Cは「整備を要する」。

 そこでわれらが実篤記念館の成績はというと、接近性、移動性、利便性ともに「A」で、総合評価も「A」だった。×がついたのは、「駐車場はあるが障害者専用エリアがない」「視覚障害者誘導用ブロックがない」「屋外への出入口の幅が狭い」「便器に手すりがない」という内容だった。調査した54施設の3分の1が総合Aなので、標準以上と言えよう。
 それに反して、実篤公園はその地形が影響して評価は低かった。接近性、移動性、利便性すべて「C」で、総合評価も「C」だった。段差や階段があり、それらへの対策が講じられていない点が問題とされているようだ。しかしながら、実篤公園はもともと斜面にあるもので(来られた方はご存知だが、かなりの高低差がある)、ここを車いすで散策するのは現実的でない。私もこの点はほとんど「武者組」でふれずにきたが、記念館は車いすでも観覧可能だが、公園は散策できないとお考えいただきたい。
 ベビーカーで公園を回るのも厳しいので、小さなお子様連れの方はご注意願いたい。記念館はベビーカーOKだが、公園は原則抱っこで回られるのをおすすめする(あずま屋も2箇所あり)。

 ちなみに今回の調査でも、公園はおしなべて評価が低い。総合Aは1箇所、Cは13箇所中11箇所にのぼる。

今月のテーマ「成功する?読書日記」について

 今月のテーマの素は 鹿島茂の『成功する読書日記』(文藝春秋)。無理をせずに著者名と題名の記録から始めて、「遭遇時情報」や金額、星取表(☆3つ)などを追加して、短い感想や引用で自分なりの「読書日記」をつけてゆけばよいという本だった。都合のいいところだけを読み取っているかもしれないが、これに背中を押されるようなかたちで読書メモを再開したいと思い、テーマに選んだ。どうなるかお楽しみ。

 なお、この本については 「自著を語る」というページもあるが、 「WEB本の雑誌」のクロスレビューが参考になる。私も読んでいてどうかなと思った点もうまく指摘されている。


 実篤のお孫さん6人は井の頭保育園の卒園生だそうで、同保育園を創設され現在も理事長を務める福知トシさんのインタビュー記事を見つけた (「がんばる人 第30回 福知トシ」)。今年3月に新園舎が完成したとのことだが、戦後空き工場から始められたお話は勉強になった。

2003年7月4日(金)

  『新東京さわやか散歩2』(山と渓谷社)という本が図書館にあったので借りてみる。コースの一つに「実篤公園から多摩川」というのがあったが、かなりの距離だ。所要時間、約2時間10分。仙川駅→実篤公園・記念館→糟嶺神社→きたみふれあい公園→狛江駅前の泉龍寺→兜塚古墳→多摩川の五本松→小田急線和泉多摩川駅というルートで、地元民は絶対に歩かない(歩こうという気すらおきない)。見学や散策の時間を入れると4時間ぐらいかかるようだ。ハイキングというのは非日常だから歩けるのかもしれないが、ちょっとびっくり。
 この手の文学散歩や記念館カタログの類は継続してチェック中。

 「武者組“あるね”ニュース」発行。

○ [新刊情報] 浅川巧『朝鮮民芸論集』(岩波文庫)

この年の「おめでたき日々」を読む
これより前の「おめでたき日々」を読む
powered by MakeWeb



ホームページへ戻る

(C) KONISHI Satoshi