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おめでたき日々

(2001年8月)



2001年8月25日

●「武者小路実篤全集」(小学館、全18巻)の古本価格相場を調べてみた。

EasySeek(古書だけではなくCD等も扱い、個人間の売買もあり)で検索してみると、数件出て来た。全18巻だが、なぜか17巻で売りに出ているものもあったので注意。

●有名な古書検索サーチエンジン「スーパー源氏」で書籍名で検索したところ、次の店が見つかった。

●新潮社版全集 全25冊揃(1954)は、次の2店舗が見つかった。

●相場は15万円前後であろうか。新本の定価が1冊約7千円だったから、\7,000×18=\126,000より高くなっている。全集は箱付きで、月報と帯がついている。これらの状態も良いか確認が必要だろう。高価なものをオンラインだけで買うのはどうかと思うが(読めれば良い向きには問題はないだろうが)、あとは読者の方々の判断に委ねたい。又、売切御免。

早稲田大学オープンカレッジ早稲田校の講座「旅する心 −有島武郎の生と死−」(講師:榎本隆司氏、月曜10:40〜12:10)が後期追加募集を行っていた。受付期間は8月21日(火)〜9月14日(金)。もともとは通年講座だが、特に後期からのご受講でも支障はないと講師の了承を得たものに限り、後期からの受講を受け付けているとのこと。詳しくは上記ホームページを参照のこと。

●最近の立ち読みから。

●平野久美子編「伝説の旅人」(文春ネスコ、2001)(bk1/Amazon)は、近代日本の知識人の海外旅行に注目した本。副題にもある著名人56人の洋行を列記した部分は全く期待はずれだったが、冒頭の文章で気になる一節があった。
●海外旅行のきっかけや背景をいくつかのパターンにまとめていたが、その一つに戦前の時代閉塞感から逃れるために海外に出るというのがあった。これは実篤の欧米旅行(昭和11年4月〜12月)にあてはまりそうだ。同じ頃、横光利一や高浜虚子も欧米に行っている。虚子は羽織袴姿のまま通したそうだが、慣れない洋服を着て出かけた実篤と対称的だ。

●同じ頃洋行した野上弥生子の「欧米の旅」が岩波文庫の新刊(上中下)で出た (bk1/Amazon)。昭和13年10月〜翌14年11月までの旅で、第二次世界大戦の勃発で急遽帰国している。岩波書店から上下二巻で刊行されたが、昭和18年5月に書かれた「跋」に、私が旅したときから世界情勢は大きく変わったが、敵国を見聞した「斥候の報告書」として読んでほしいと書いてあるのは、痛ましくも時代の趨勢を強く感じさせた。

●嵐山光三郎「おとこくらべ」(恒文社21、2001)(bk1/Amazon)をパラパラめくる。「葡萄」はタケオ(有島武郎)の情死を描いた作品で、「一房の葡萄」と縊死の様子を葡萄に引っかけただけのクダラナイもの。「文壇血風宴会録」は年号と作家と食べ物を組合せただけの作。その「一九四一年のスイトン」に志賀直哉邸でスイトン(食用蛙の肉だんごが入っている)を食べる実篤と小林秀雄が出て来るが、何のヒネリもない。同氏は「追悼の達人」など優れた作品も書けるのだから、こんな思いつきや材料を並べただけのものを出されるのはもったいないと思う。

2001年8月17日

●「夏休みの自由研究」ではないが、夏休みを使ってホームページのHTML4.0化をほぼ完了した。だいぶ古い文章や改版予定のあるページは昔のままにしてあるが、大部分のページはスタイルシートを使った新しいレイアウトに変更した。だいぶ読みやすくなったと思う。
●スタイルシートに対応していないブラウザでは、急にページの地の色が黄色でなくなったりするかもしれないが、それ以外は不都合はないと思う。レイアウトの変更を容易にするためにもスタイルシート対応は必要なので、ご理解いただきたい。

●「このホームページについて」とその関連ページを修正した。「このホームページについて」に注意書き関連を集約し、過去の記録的な文章は「書庫」に移動した。

●来る8月22日(水)には、調布花火大会が多摩川河川敷で行われる(荒天時23日)。夕方には京王線もだいぶ込み合うと思うので、実篤記念館においでの方はご注意ください。逆に東京地区最後の花火見物とセットでおいでになるのも良いかもしれません。

2001年8月5日

「ロダンと日本」展の見学レポートを追加。それに合わせて、「勉強勉強勉強」のページも若干レイアウトを改善。

●最近暑くてバテ気味なので、がんばってきた毎週更新もこの次あたりはちょっとお休みをいただくかもしれません。ご了承ください。

2001年8月4日

●メールマガジン「とっとり雑学本舗」第96号(2001年7月6日、鳥取県総務部広報課発行)には、「とっとり豆知識」として「『鳥取砂丘』と『有島武郎』、そして『与謝野晶子』」という記事が載っていた。それによると、それまで「砂漠」と呼ばれていた砂地を有島武郎が初めて「砂丘」と呼び、「浜坂の遠き砂丘の中にしてさびしきわれを見いでつるかも」という短歌で一躍有名にしたとある。そのほかにも島崎藤村や与謝野晶子と鳥取の関係なども書かれていて、丁寧につくられたメールマガジンだと思う。

●「岸田劉生」で検索していたら、「美術の中のこどもたち」展に行き着いた。ここで「麗子像」が展示されるのだった。会場は東京国立博物館平成館(上野公園)、会期は10月2日(火)〜11月11日(日)。同館所蔵の「麗子像」(1921、重要文化財)が特別展示ということで出品される。絵1枚のために観覧料1,000円は判断が分かれるが、めったに見られないものなのだろうか。もしそうだとすればそれだけの価値はあるかもしれないと、備忘的に書いておく。

●最近の新刊で気になるものに、「白樺の手紙を送りました」(V.L.ヤーニン著、松木栄三/三浦清美訳、山川出版社)(bk1/Amazon)がある。副題に「ロシア中世都市の歴史と日常生活」とありbk1の解説を見るが、内容がよくわからない。7月29日付け日経新聞の紹介記事を読むと、ロシア中世は度重なる火災で資料が焼失してしまったが、白樺の皮に書かれた文書(50年前に発見)だけが今日に伝わっている。それが伝える中世の生活を記した本らしい。

●メールニュース8/2号記載の「青空文庫」更新状況を、Webページにも反映した。


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