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おめでたき日々

(2000年11月)


2000年11月26日

●昨日、実篤記念館で秋の特別展「白樺−美術への扉」を見てきた。点数も多く内容も充実していて、とても良い展示だった。白樺同人の作品や彼らが購入した作品などが紹介されていて、とても興味深かった。中でもクリンガー(クリンゲル)の「祭(輪舞)」とブレークの版画は、見ることができてとてもよかったと思う。特別展のパンフレットにもカラー図版は載っているが、可能ならばぜひ実物を見てほしい。

●昨日あわててメールニュースを出した「美の巨人たち」岸田劉生の回だが、録画はしたがまだ見ていない。

●夏の「切通しの写生」モデル見学のときに撮った写真を、Photo Highwayというサービスの中に置いた。このホームページに掲載しているものとダブリはあるが、その前後の写真もあるので、興味のある方はどうぞ(2001年8月に公開を一時停止)。

2000年11月19日

●11月16日発売の雑誌「サライ」(小学館)に、濱田庄司の記事が載っている。「人間国宝がめざした『鑑賞より実用』」というのがそれだが、以前メールニュースで取り上げた大阪市立東洋陶磁美術館の特別展「堀尾幹雄コレクション 濱田庄司−手仕事の軌跡」(10月3日〜来年1月28日)の紹介記事だ。カラー6ページに濱田の作品の写真が並んでいる(解説は控えめ)。
●その前の号の「サライ」には、特集「心が届く年賀状工夫集」の中に、芹沢けい^介が登場していた。彼が毎年手づくりで出していた年賀状についての記事だが、来年の干支「巳」を芹沢がデザインしたものを紹介していた。これらは仙台市にある東北福祉大学芹沢けい^介美術工芸館で来年1月20日から3月10日まで展示されるそうだ。この美術工芸館は、長男の芹沢長介氏が同大学で教えておられることからつくられたようだが、休館は展示替え期間と入学試験日というのが大学の美術館らしい。
●なお、上記の「サライ」公式サイトは簡単な情報しかないが、森島巌氏が作っている「サライのさらい」というページでは、目次や関連リンクなどが公開されている。まだ上記の号は入力されていないが、もう少したてば目次だけは入力・公開されると思う。

●昨日実篤公園の外側を通ったが、蔦などが紅葉していてきれいだった。まだ紅葉の途中という感じだが、良い天気で富士山も見えた。調布から富士山が見えるというのも耳慣れないかもしれないが、「富士山を目指す鉄道 京王線」というホームページをつくっておられる方もいるぐらいなので、興味のある方はご参照願いたい。

●今年8月に書いた「岸田劉生の『切通し』を見に行く」に、若干の補足をした。劉生の記念碑(標識)についての記事が見つかったが、それらの住所がまちまちであったことへのフォローである。詳しくは本文を読まれたし

2000年11月18日

●昨日の朝NHKラジオを聞いていたら、新しき村のある埼玉県毛呂山町は今ゆずの出荷の最盛期だそうだ。

『華族たちの近代』などの著者、浅見雅男氏の『公爵家の娘 岩倉靖子とある時代』を中公文庫の新刊で見つける。岩倉具視の曾孫が共産党のシンパになり、逮捕・釈放後自殺した(昭和8年末)ことを調べた文章だ。文中「赤化華族」や「不良華族」という言葉が出てきたが、そこから見れば新しき村なぞをつくった実篤なども立派な「赤化華族」だったのだろう。

●先日三鷹まで行ったので、JR三鷹駅北口にある独歩詩碑を見てきた。「武蔵野」の一節、「山林に自由存す」を実篤が書いたものだ。碑は北口ロータリーの中にあるとなぜか思いこんでいて、ロータリーに別の彫刻があるのを見てびっくり。右手を見回すと交番の向こうにひっそり閑とあった。(→逆光でうまく撮れていないが、写真を見てみる。

●以前メールニュースでとりあげた、ロシアでのトルストイ全集発行の支援者である昭和女子大学学長・人見楠郎(くすお)氏が、11月4日に亡くなった。ご冥福をお祈り申し上げます。
●トルストイと言えば、Yahoo!掲示板でトルストイについての話題が書き込まれている。興味のある方はご参加を。

●いつもは実篤記念館近くの若葉分館という図書館に行くのだが、足を伸ばしてつつじヶ丘分館に行ってみたところ、「季刊銀花」(文化出版局)という渋い雑誌があったので、手に取ってみた。すると今年の夏号(No.122)に「バーナード・リーチを父に持って 英国の陶芸家、ディヴィッド・リーチの仕事」という文章があった(筆者は津野志摩子氏)。彼はバーナード・リーチの長男で、今年89歳。現在はイギリス南西部デヴォン州の村ボヴィ・トレイシーに工房を構えている。父の仕事を引き継ぎ、天目釉や青磁、スリップウェアなどを得意としている。彼の3人の息子も陶芸家になっているそうだが、長男ジョン(リーチの孫)も59歳というから、「リーチも遠くなりにけり」だ。しかしリーチの思いが今なおイギリスに生き続けているというのは、うれしいことだ。


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