1999/10/17 号 -------------------------------------------------------- 武者組「あるね」ニュース ------------------------------------------------MUSHA-GUMI [ArNe] News  山谷五兵衛がぶらりとやって来た。「何か面白い話はないか」と言うと  例によって「あるね」と言って、話しだした。 ---------------------------------------------------------------------- ● 今回は 4つ の話があります。 ○ 「世界の文学」にトルストイ登場  朝日新聞社から出ている「世界の文学」というシリーズ(小冊子の分冊で刊 行)の第15巻はロシアの作家の特集で、トルストイとドストエフスキーを中 心に取り上げています。薄い本ですので中身にはあまり期待されない方がいい と思いますが、「アンナ・カレーニナ」の映画化の歴史とかがカラー写真で見 られるので、ちょっと目を通されるのもよろしいかと。 ○ [新刊情報] 『華族たちの近代』浅見雅男  NTT出版から浅見雅男著『華族たちの近代』という本が今年の10月1日 に出ていました。偶然立ち読みで見つけましたが、なかなかわかりにくい華族 制度について整理して書かれています。  索引を見ると、実篤と父・実世の名前がありましたが、実篤は勘解由小路家 の養子縁組の話で登場しています。勘解由小路資承(すけこと)には男子がな く、長女と松方義一の間にできた次男・資淳(すけあつ)を養子にしたいと思 った。しかし女系の親戚から養子をとることができない規則になっていたため、 一度実篤の養子にしてから、資承の養嗣子にしたという話でした(一定範囲の 男系の親戚からなら養子はOK)。  立ち読みなので記憶があいまいなのですが、叔父の資承を「実篤の従兄弟」 と書いてあったようで、ちょっと注意が必要かもしれません。それにしてもこ のようなことは年譜にも書かれていないため、興味深い話です。 ○ 岸田劉生、生まれ故郷の銀座について語る  これは既刊ですが、『大東京繁昌記 下町篇』(平凡社ライブラリ273) の中で、岸田劉生が銀座の思い出について文章と挿し絵で書いています。他に も著者はいるのですが、「芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋=著」となっていて、 劉生の文章があるとはなかなか気づきませんでした。また挿し絵で木村荘八も 参加しています。 ○ 古本情報2つ  一昨日神田神保町に久しぶりに行き、古本屋を見てまわりました。水道橋に 近い日本書房(研数学館並び)には『白樺』揃い(岩波書店とありましたので、 復刊でしょう)が78万円(!)で出ていました。また、靖国通りの小宮山書店 (書泉グランテ隣)には、青銅社の実篤選集(全12巻)揃いが1万5千円で 出ていました。いずれも買いません(買えません)でしたが、10月30日 (金)〜11月4日(水)は神田古本まつりだそうですから、足を伸ばされてはい かがでしょうか。  ちなみに青銅社の選集は昭和39年の刊行で、たぶん主な作品は収録されて いると思います。小学館の全集を見ても、この選集の目次が載っていなかった ので確認できませんでしたが、昭和39年以降では「一人の男」(後半生の自 伝)が書かれているぐらいです。 ◆ 本の街 神田 http://www.book-kanda.or.jp/ ■ ホームページを少しだけ更新しました。 ---------------------------------------------------------------------- 武者組「あるね」ニュース 1999/10/17号 (不定期刊) 発行:こにし さとし konishi_satoshi@amy.hi-ho.ne.jp ↓配信先変更・登録削除はホームページから/実篤記念館見学レポートもあり 武者組ホームページ:http://www.amy.hi-ho.ne.jp/~konishi_satoshi/ ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して 発行しています。( http://www.mag2.com/ ) マガジンIDは 0000008392です。 ----------------------------------------------------------------------