トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス
in アメリカ (3)

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●2000年 6月 9日
バンドの音を聴きながら、ハンバーガーやポテトをほおばり、甘いレモネードを飲むあぁ…まさにアメリカだぁ!
明日午前のレキシントンの日本人学校(Central Kentucky Japanese School)の音楽鑑賞教室のために、センターカレッジの打楽器を積み込む。が、しかーし!! まともな楽器はすべてメインステージや他の会場にスタンバッてしまったらしく、「ここにあるものどれでも使っていいヨ」と言われたモノどもは、ヘッドがイカレてたり、足がガタガタだったり、ペダルが動かないティンパニや、片側のヘッドがないフロア・タムや、上の部分の留めネジがないハイハット(つまり軸に2枚のシンバルが刺さっているだけ!)など、ろくなモンじゃないっ! ここには写っていないけど、運搬をしてくれたオジさんたちが打楽器専門業者さんで「ちょっと待ってみ」ってな感じで、そこら辺に転がっているネジやら何やらでアレコレいじってくれて、どうにか楽器を揃える。セットドラムなんか、いろんな太鼓を「これは使える、これはダメ」なんて言って集めて、かろうじて『セット』にした状態…。ひえ〜、明日、大丈夫なんだろうか? 会場を3ケ所も移動して本番やるのよ〜?!

カレッジのホールを借りてリハーサルをした後、キャンパスに出てみると、庭にバイキング形式でランチが用意されていた。木陰では、明日からのリハーサルを兼ねてか、出演バンドのひとつが演奏をしていた。こんな具合に、南北戦争の頃の楽器を使って当時の音楽を演奏するバンドが、結構人気があるらしい。カラッとした晴天の下、ひなびた味のあるバンドの音を聴きながら、ハンバーガーやグリルド・ポテトをほおばり、甘いレモネードを飲む…あぁアメリカだぁ。

このフェスティバル協賛で行われる、気球レースの会場にて。午後、この町の飛行場に、いろいろな地域から気球愛好家たちが器材一式をトラックで運び入れ、レースの準備を始める。気球が上がるまで結構時間がかかるので、その間、フェスティバル参加団体があちこちで演奏したり、屋台が出たり、子供をポニーに乗せるコーナーがあったり、空気でふくらませた大きなすべり台やアトラクションがあったり、住民の皆さんは多いに盛り上がるのである。この写真は、いわゆる『流し』やストリート系の演奏屋さんの概念を根底からくつがえす(って大げさか)、流しのピアニストである! アップライト・ピアノを乗せている台は、ちゃんとブレーキがついていて、人々が集まっているところに台を押していって止めて、適当にチップをもらうまで弾くと、また次の場所にゴロゴロとピアノを押していく…。これでアメリカ横断とかしてたらスゴイなぁ、と思いつつ見つめてしまった。

The Eighth Regiment Band のパフォーマンス。これも南北戦争時の楽器を使って1860年代の音楽を演奏するバンド。"a museum of 19th Century American emotions" がキャッチフレーズだそうな。

The U.S. Air Force Reserve Pipe Band のパフォーマンス。アメリカのエア・フォース音楽隊の中でも、このバグ・パイプ隊は多忙を極めていて、年間20ケ所以上、移動距離は10万マイルにも及ぶほどの演奏旅行をこなしているとのこと。衣装は、本場スコットランドに特注しているんだって。

The Circle City Sidewalk Stompers Clown Band のパフォーマンス。クラウン(日本でいうピエロ)の扮装で「歌って、踊って、飛び跳ねる」、まさにコミック・バンド。スーザフォーンなんかベロ出してるし…。

こんなカラフルな気球が30個くらい上がる。レースの勝敗を何で決めるのかは聞き忘れてしまったけど、誰かの家の庭に着地した場合、そのお家の人が気球の乗員たちにご馳走をふるまってあげて、おもてなしをするという申し合わせになっているとのこと。こんなもんが着地できる庭を持っていることからして、いかにもアメリカ的だぁ。


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