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■ブレスワーク体験記3〜笑い泣き■


セラピーを受けて帰ってきた夜遅くのことでした。まだ大学時代のことで、その日は当時住んでいた山口から関西方面まで日帰りでブレスワークを受けて帰ってきたので、とても疲れていたように記憶しています。

お風呂に入ってぼんやりしているときに、その頃読んでいたある雑誌のある記事が心に浮かんできました。別に心理学や精神世界に関する雑誌ではなく、趣味の交通関係の雑誌で、あるバスの路線に関する記事でした。その記事に載っていた写真まで、今でもよく覚えています。

お風呂の中でその記事のことが頭に浮かんだ瞬間、お腹の底から激しい笑いが込み上げてきたのです。

そのときまでも、すでにずいぶん様々な内的変化を体験していたのですが、このとき自分に起こったことにはかなりびっくりした記憶があります。もちろん、その体験以前にも人生の中で「笑う」ということはあったはずです。でも、このときの体験は、初めてブレスワークを受けたあとに「自分はこれまで呼吸をしていたのだろうか」と感じときと同じくらいわたしにとっては衝撃的な体験で、「笑う」ということの意味が根本的に変わっていく感覚がありました。もう、お腹の底から、というよりも、身がよじれるくらい、身体全体で笑っているような感覚で、その感覚に身を任せていくと、それこそ息が苦しくなるほどでした。

その後は、セラピーを受けている最中にも笑いが込み上げて来ることがときどき起こるようになりました。泣くプロセスも続いていました。そんな中で気づいたことは、「泣くことと笑うことは同じこと、同じエネルギーだ」ということです。ひたすら笑っていると涙が出て来ることがあるし、ひたすら泣き続けているといつの間にか笑いが込み上げて来ることがあります。涙と笑いは一番深いところまで体験し尽くすと、実は同じエネルギーだったのです。

さて、この体験は1990年頃の大学時代の体験だったのですが、数年前に不思議なことに気がつきました。この体験のときに心に浮かんできた雑誌の記事に載っていたのは、今わたしが毎週利用している会社の高速バスを扱っているものだったのです。

その当時は山陰地方にはまったく縁がなく、一度も行ったこともなかったし、将来境港で暮らすことになって、大阪との間を行ったり来たりするようになるなんて考えたこともありませんでした。やはり、存在の一番深いところでは、すべてのことがわかっているということなのでしょうか。

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Written by Shinsaku Nakano <shinsaku@mahoroba.ne.jp>
Last Update: 2006/01/08