注)追記―平成14年、司法書士の報酬基準は撤廃され、平成15年より、各司法書士がその責任において、それぞれ各司法書士の報酬が明示されることとなります。したがって、現在、下記は適用されません。

報酬基準(平成11年作成)

司法書士の報酬について(平成11年作成)

司法書士の報酬は、司法書士会で決議され、法務大臣の認可を受けた「司法書士報酬額基準」(あくまでも基準です)に基づいています。毛利司法書士事務所(司法書士報酬基準)http://ace.wisnet.ne.jp/wada/binran/housyuu/shihoushoshi-housyuu.htm(司法書士報酬基準)

基本的には、「書類1枚につきいくら」という枚数主義ではなく、その作成にかかる書類の内容に応じた、「件数主義」を採用し、例えば所有権移転登記1件申請するのであれば、その1件につきいくらというかたちで規定されています。また、その1件の報酬については、基本報酬と手続報酬とに区分され、その他、事件の内容によって、付随業務に対する報酬、相談料や日当などについても報酬として受領することができます。

例えば、所有権移転登記では、基本報酬は、課税標準価格(不動産の価額)によりちがい、課税標準価格が1,000万円であれば15,480円以上19,170円以下、1000万円を超え2,000万円までであれば17,900円以上21,980円以下ということになっています。それに手続報酬である4,900円を加えるということになります(所有権移転の手続報酬は14,900円)。

抵当権設定登記であれば、同様に課税標準価格(債権額)によりちがい、課税標準価格が1,000万円であれば、13,640円以上16,940円以下、1,000万円を超え5,000万円までであれば、19,660円以上24,030円以下となっています。それに手続報酬である4,900円を加えます(抵当権設定の手続報酬も4,900円です)。根抵当権設定も課税標準価格(極度額)に応じて、抵当権設定とほぼ同様です。ただ、共同根抵当権設定の場合は、すこし加算されます。

また、登記の目的となる不動産の個数が複数の場合、個数加算ができ、1個につき970円を加算します。

さらに立会の場合 は、個々の事件の報酬に15%以内の金額を加算することができます。

あと、原因証書などを司法書士のほうで作成したような場合は、文案を要する書類の作成として14,750円を請求することができます。また、事件処理で出張したような場合、日当として半日 24,270円以内・1 48,540円以内を請求することができます。

抵当権設定登記などは、多くの場合、登録免許税を司法書士の方で立替えて支払い、登記完了後、それを含めて請求しますので、合計額が多く感じるようですが、おおむね司法書士の報酬は、平均すると、登記1件(申請件数)につき3万ぐらいになります。

登記費用としては、司法書士の報酬の他に実費として登録免許税や登記印紙代(閲覧・謄本代)などがかかります。 参考Q&A QA1.htm

課税標準価格によって異なるということは、リスク面が考慮されているということです。必ずしも手間がかかる度合いに応じているわけではありません。

商業登記についても、同じような計算方法で、報酬が算出されます。例えば、役員変更の場合、基本報酬は、7,690円以上、9,630円以下で、手続報酬は、2,400円になっています。それに議事録などを作成した場合14,750円となっていて、おおむね25,000円ぐらいになります(登録免許税等実費は含まない)。

参考 設立の費用 seturituhiyou.htm

裁判所に提出する書類の作成報酬については、基本報酬は、目的価格によって区分されていますが、それに加える書類作成報酬は、1枚につきいくらというかたちで規定されています。

例えば、訴状の作成でいうと、目的価格が30万円までであれば、10,090円以上12,030円以下、それに正本1枚につき4,750円を加えます。

相談の報酬は、個別的相談として1時間3,590円以内、継続的相談として月額23,980円以内となっています。

基本報酬が10円単位まで規定されているのは、消費税との関係で、以前は、内税だったのが、外税に変わったためです。現在は外税ですので、報酬額に5%の消費税がかかります

(報酬については、上記のように、一応の基準はありますが、事案や各司法書士により違いがでてきますので、依頼する司法書士とあらかじめ相談するようにして下さい)

<登記費用は誰が負担するか>

一般的には、登記をすることによって利益を受ける者が負担するということになります。

例えば、不動産の売買であれば、多くを買主が負担し、担保の抹消であれば、不動産の所有者が負担することになります。

しかし、担保の設定に関しては、担保権者が金融機関の場合、債務者(普通、不動産の所有者)が負担し、金融機関は負担しません。取引慣行上(契約書上)そのようになっています。