平成118月〜12月分

35、平成111214

・相続に関する相談ということで来客があった。戸籍を持ってきましたというので見せてもらうと、見たことがない様式の戸籍謄本が出てきた。「え?これなに」横書きの、きちんとワープロで印字したような戸籍謄本である。よくみると西宮市発行である。戸籍の附表が確か平成5年にコンピュータ化されていたが、戸籍も?あの縦書きで手書きの非常に見づらい戸籍ではあるが、慣れというのがあって、コンピュータ化後のきれいに印字されたものの方が、どこをどう見たらいいのかわからず戸惑ってしまった。コンピュータ化前のものは改正原戸籍となり、相続証明書として戸籍類を集める場合、1通増えることになる。

西宮市で、来年14日から戸籍事務をコンピュータ化。従来の戸籍謄本は「全部事項証明書」、戸籍抄本は「個人事項証明書」に名称変更、様式はA4判の横書き)

・今年の司法書士試験の合格者名簿をみると「女性の合格者が多いな」と思った。司法書士の業務を考えると、もっと女性の数が増えてもいいと思う。

34、平成111211

年間で1000人に1人が破産する時代である(124日付朝日新聞)。裁判所は破産処理でパンク状態。裁判所で行われる、最初の債務者審問は個別であるが、破産者の免責審尋は、あらかじめ陳述書を提出させて、10人から15人ぐらいをまとめて一度に行う。特に財産隠しなどがなく、債権者も出席していない場合(消費者破産の場合、ほとんどがそうである)は、免責の効果や今後の手続を説明して、10分程度で終了。あまりにもあっけなく終了するので、自己破産申立の依頼者から「これで終りなんでしょうか。もう帰ってもいいのですか」という確認の電話がかかってくる。その後1ヶ月債権者から異議が出なければ、免責決定が出され、官報公告後2週間の期間を経て確定し、債務から開放される。生活苦から借金地獄へ陥り、長年苦しんできた人が、破産の申立をしただけであれほど苦しめられた督促がぴたっと止み、裁判所での(書類を作成する司法書士にとっては多少骨が折れるが、本人にとっては簡単な)手続を経て、債務が免責される。「もっと早く破産手続をしたらよかった」というケースが多い。(消費者破産について)

33、平成11121

司法書士には、司法修習のような公的な制度としての研修(強制)はないが、自主的にかなり多くの研修が用意されている。

新人研修としては、全国から研修生が集まる中央新人研修(1月から2月にかけての1314日の宿泊研修)、ブロック(北海道・東北・関東・中部など8つのブロック)に分かれての地域ブロック新人研修(おおむね1週間程度)、そして各司法書士会ごとで行う司法書士新人研修(先輩司法書士事務所での配属研修おおむね6週間と集合研修)がある。カリキュラムは多岐にわたるが、裁判に関する内容が多い。中央新人研修は、ほとんど裁判関係で埋め尽くされている。ブロック研修になると立会など登記実務が増えてくるが、やはり裁判関係もかなり多い。各司法書士会で行われる配属研修になると、実際の仕事を経験するということで登記実務が中心となる。研修内容から、会がめざしている、これからの街の法律家としての司法書士像がよみとれる。

32、平成111110

妻が「七五三はどうするの」と突然言い出した。そういえば、子どもがちょうど七五三にあたる(息子が5歳、娘が数えで3歳)。私は、あまり関心がなく「七五三って何をするの?」と反対に問い返してしまった。そういう夫婦の会話も関係なく、実家の父母が完璧に段取をしてくれていた。子どもの着物の準備から写真館での撮影、神社での祈とう、おまけに妻の母も含めての食事会の段取までしてあった。(孫のためなら)

写真館では、父母が孫の着物姿を見て「かわいい」とか言って喜んでいる横で、「きれいな写真館やな。うちの事務所も将来にはこういう感じにしたいなー」と七五三とまったく関係ないことを考えていた。写真撮影は予約でいっぱいらしく、順番待ちをしている親子等でにぎわっていた。後で費用を聞くと・・・。「え!こんなにするの。着物代が**円、写真代が**円、うーん」とうなっていると、妻が「立替えてもらった分、払おうとしたけど、いいからだって、ありがたいね」と涼しい顔で言う。(親のすねをすこしかじる)

31、平成111027

・ソニーの犬型ロボット「AIBO」が再び販売されるということである。最初、販売されるときに「これほしいな」と言うと、妻に鼻で笑われ、「こんなん買うんやったら、いつも言ってるFAXが買えるやんか」(事務所のFAXは、家庭用のもので使いにくく、よく買い換えたいと言っていた)とあしらわれた。その時はなぜか、犬のようで犬らしくない、もろロボット的な形にひかれてしまった。今回も買う余裕はないが(司法書士の売上げがもう少しあれば・・・)、4号機?が出る頃には買えるようになりたい。

・今日の日経新聞では、「違法取立とアイフル逆転敗訴」「商工ローン問題、宮沢蔵相 法の不備認める」「日栄の貸金業登録取消求め申告書」と違法な取立に関しての記事が3つ取り上げられている。商工ローンの根保証なども問題となっているが、司法書士の間でも、だいぶ以前から問題としていたところである。保証人が認識していない債務の保証部分は無効だと思われる。

(新聞ねた・・・)

30、平成11108

登記を本人でやろうとする人が増えているように思える。

司法書士会などが行っている無料相談でも、抵当権の抹消登記、相続登記、会社設立登記などで、自分で書類を揃え、申請書を書き、「これで登記できるでしょうか」というたぐいの相談がある。大抵、勘違いしている個所があり、このまま申請すると補正になったり、取下げて申請し直さなければならなくなってしまうものが多い(中には完璧にできていて、こちらが感心することもあるが)。

また、自分でやろうとしたけれども、「どうしてもできなかった」ということで、事務所へ来られる人も多く、そういう人は、すでにかなりの手間と時間がかかっており「最初から頼めばよかった」ということになる。本人でやろうという人は、とりあえず、本をみたり、法務局で相談してしてみるが、細かい点でどうしてもわからないところが出てくる。そして、わからないまま申請してみると、補正がたくさんつき、何度も法務局を往復するはめになってしまう場合が多い。それでも、きちっと登記ができれば良いが、間違った登記がされてしまう可能性もある。

そこで、本人で登記をやろうという人も、気兼ねなく、最初の段階で、司法書士に相談してほしいと思う。「私は時間があるので、自分でやりたい」ということで、「わからない所は教えて下さい」という依頼の仕方でもかまわないと思う。そうすれば間違った登記をせずにすむし、費用も実費と相談料だけですむ場合もある。そんなに複雑でない抵当権抹消登記や相続登記であれば、ある程度事務手続ができる人であれば、司法書士の指導の下、本人でも充分にできると思われる(多少の手間はかかるが)。

登記は司法書士の代理申請を義務づけるべきだという考えもあるが、現状、代理申請が義務づけられているわけではなく、本人でもできる。そうであれば、本人でする場合、最初に司法書士に相談してもらいたいと思う(そう思うケースが多い)。

29、平成11101

不況の中、生活苦でせっぱ詰まると、判断力がにぶり、やっかいな詐欺などにひっかかってしまう。

新聞などで報道されたアフリカ・ナイジェリアでの詐欺は、かなり大掛かりなもので、常識的には「うそだろ」という感じだが、むしろ大掛かりになればなるほど判断がし難くなるようである。

ネット上でも、ねずみ講のようなものや「こんなのあり?」というものが横行している(交通の反則金についての保険とか)。基本的に、実質的な労働・サービスや物品を伴わない、濡れ手に泡のようなものは信用しないほうがいい。一時的に利益を得ても、法的に問題があったり、他人から怨まれたりする可能性がある(と思う)。

28、平成11928

アップルコンピュータの「アイマック」のデザインを模倣したとして、ソーテックが「イーワン」の販売差し止めの仮処分を申立てられた事件で、申立から1ヶ月満たない期間でそれを認める仮処分が出された。非常に迅速な審理だったということである。司法改革の議論の中で、裁判の迅速化が取り上げられているが、それの影響か?裁判手続が比較的早くなってきているようである。

私の経験した裁判業務はまだ数える程であるが、自己破産手続に関して、たしか、今年の4月の申立の際、書記官から「もう今年は免責審尋の期日がすべて埋まっているから、来年になるよ」と言われたが、今年の9月の申立の事件で、免責審尋の期日がその年の12月に予定されている(すべて埋まっていると言ったのはなんだったのか?)。どうも自己破産申立後の債権者への意見聴取書の送付を簡略化し(消費者金融などの業者以外の者に限って送付)、破産者審問を早い期日に開くようにして、免責審尋の期日も早めているようである。

新聞配達人の独り言 sinnbunn.htm

zatudan.htm