新聞配達人(朝刊)の独り言 (平成12年4月から掲載)

1、新聞配達ではなく、ビラ配達? sin1

2、新聞配達の給与(アルバイトの場合)sin2

3、暗闇 sin3

4、指が痛い sin4

5、不配 sin5

6、いろいろ(田中麗奈のように)sin6

(おわり)

新聞配達ではなく、ビラ配達?

金曜日と土曜日は、新聞にはさまっているビラが非常に多い。

1部が雑誌1冊ぐらいの分量となり、二つ折りするのも苦労するぐらいである。新聞を積んだ高さはいつもの数倍となり、配達する時間も20分ぐらいよけいにかかってしまう(決算特集の日経新聞も強烈)。

ビラの大半が不動産関連である。新聞のビラに不動産(住宅)がはいるようになったのはいつ頃からであろうか?

住宅を購入できるのが、ある程度限られた人のみであった時期は、住宅の宣伝方法として新聞ビラというのは考えられなかったであろう。

この新聞のビラをみて、「お!この家いいな。買おうか」という人がどれぐらいいるのであろうか。

「頭金0」とか「今申込みの方に購入諸費用100万円プレゼント」とか、日用品の安売りじゃないんだから、ちょっと「やりすぎ」という感じがする(苦労は理解できるが)。

大半のビラがごみとなる。資本主義経済は、無駄によって支えられている。

ビラは、新聞販売店の貴重な収入源だが、配達人にとっては、やっかいもの以外なにものでもない。

新聞配達の給与(アルバイトの場合)

新聞配達のアルバイトの給与は、各新聞販売店によって異なり、時給タイプと部数タイプに分けられる。

部数タイプは、1部につき1ヶ月いくらというふうに定めている場合が多いと思う。1部250円とすると200部配達している場合、1ヶ月50000円ということになる。それに、各種手当がつく場合がある。

時給の場合は、がんばって早く配達すればするほど給与が少なくなるということで不公平である。多くの場合が1回いくらというふうに定めていると思われる。ただ、この場合、部数が増えても給与が増えないため、拡大員が、がんばって顧客を獲得してくればくるほど、配達員としてはいやな思いをすることになる。

部数タイプが合理的なようである。ただ、この部数タイプも地域によって不公平が生じる。例えば、ホテルやコンビニ、大型マンションなどの場合は、一度に多数の部数がさばけるのに対して、1軒屋が立ち並んでいるところでは、なかなか部数がさばけない。なかなか新聞配達人の給与について一律に公平にするのはむずかしいようだ。

手当としてぜひ導入してもらいたいのが「雨の日手当」「雪の日手当」「台風手当」「道路凍結日手当」「決算特集日手当」である。雨の日の配達は、晴れている時の数倍しんどい。

暗闇

女性の配達員にとっては、朝の配達の暗闇が非常に恐いようだ。しーんと静まり返った住宅街はかなり不気味な感じがする。そこになんらかの動く影が見えた時などは、「どきー」と心臓がひっくりかえりそうになるということである。影の正体はだいたい猫。最近は空缶集めの浮浪者が増えてきており、なかには浮浪者に追いかけられた人もいる(理由は不明?)。

私がよく見るのが、住宅街には不釣り合いな超ミニスカートをはいたおねえちゃんである。車から降りて、早足で住宅街のマンションに消えていったり、寒い中お迎えの車を待っていたりする。最近特に増えた出張サービスの風俗嬢である(と思う)。新聞を郵便受けなどに入れる時に、必ずといっていいほど入っている小さなビラ、「こんなん見て自分の家に呼ぶやつなんているのかいな」と思っていたが、意外といるようである。ただ、見かけるマンションがだいたい同じなので、同じ人が呼んでいるのだとは思う。この出張サービスの風俗業増加によって、全国いたるところ風俗街になっている。

このビラは階段のところにちらばっていることが多く(わざとやっているようだ)雨の日にこのビラで何度か転びそうになった。この風俗ビラ、過激なものもあるので、もうすこし取締まることができないものかね。

(警察への届出でできるようになったため、急増、ただ、だいたいが採算はとれてないと思う)

新聞配達と関係ない話になりました。

指が痛い

新聞配達のアルバイトを始めた当初、やはり足が筋肉痛になったが、長くやっていると指の関節が痛くなってくる。指をよく見ると、新聞を二つ折りや三つ折りする際にちょうど新聞にあたる個所がまめのようになって膨れている。「なんで指が?」新聞入れの入り口が小さいところについては、三つ折りしないと入らないため、「ぐっ、ぐっ」と指で力を込めて折り曲げる。それを200部ぐらいやると、指が筋肉痛になるようだ。

配達が終った後は、指をよくほぐすことが大切。

不配

配達も慣れてくると、あまり配る場所を意識しなくても、配れるようになる(体が勝手に動く)。しかし、あまりにも無意識に配っていると配り忘れの個所が必ず出てくる。新聞も1種類ではなく、スポーツ新聞、経済新聞、囲碁新聞、小学生中学生新聞、英字新聞、さらにビラあり新聞、ビラなし新聞と多種多様な新聞があるため、気をぬいたり、考え事をしながら配ると、だいたい間違って配っている。だいぶ以前は、今のように新聞社ごとに販売店があるのではなく、地域によって販売店があり、配達員は、読売、朝日、毎日など各新聞をいっしょに配っていたそうである(大変そう)。

販売店によって異なるが、多くのところが、不配をするとペナルティをつけ、給与からいくらか引くということをやっている。不配が多く発生する時期は、配達する個所が変化する年末年始や3月・4月の引越シーズンなどである。配ったはずなのに、不配になっていると(多分盗まれた?)むしょうに腹が立つ。中には、新聞の休刊日に「新聞が入ってない!」と怒って電話してくる人もいる。

いろいろ(田中麗奈のように)

金曜日や土曜日などの、折込みビラが多いときは、マンションの扉のところに新聞を差し込むことしかできない(無理に入れると新聞が破ける)。

それを、内から無理やり抜こうとすると、新聞が破れてしまう。朝日新聞のテレビコマーシャルの田中麗奈のように扉を開けて、外から新聞を抜いてほしい。

朝の4時から配達を始めても、最終配るのは6時過ぎになってしまう。したがって、配達経路により、配達時間につき、かなりの時間差が生じる。6時ごろになっても「遅い」って怒らないで。

本業(司法書士)がすこし忙しくなってきたので、新聞配達を辞めることした。司法書士のみで食べていけるほどにはなっていないが、しばらく司法書士1本で、営業を含め、やっていきたい。

新聞配達(朝刊)アルバイト期間、平成11年2月から平成12年10月まで

(新聞配達は、かなりきつい。長期、配達の仕事をしている人はえらい!)

雑談 zatudan.htm