脚本ができるまで.その9


プロット打ち合わせ
 さて、いよいよ「プロット打ち合わせ」の日。
 繰り返しになりますが、「プロット打ち合わせ」というのは、「シナリオ会 議」の議題のひとつです。
 指定された時間に、指定された場所に向かいます。
 もちろん遅刻などもっての他。
 前の用事が長引いたとか、交通機関が普通になったとかで遅刻しそうな時 は、連絡をいれます(社会人として当然ですね)。
 この点、携帯電話が普及して便利になりました。

「おはようございます」
 と挨拶して、着席。
 昼でも夜でも、この業界の挨拶は「おはようございます」です。
 最初のうちは私もだいぶ抵抗がありましたが、慣れてしまえば、どうという ことはありません(^^;)。
 会議の参加者は、事前にFAXされてきたプロットを机の上に出します。
 脚本家も自分でプリントアウトしたプロットを出します。
 会社によっては、脚本家用にFAXのコピーを用意してくれている所もあり ますが、一応自分でも持っていた方が安全でしょう。

 会議の進行役(これを誰が勤めるかはケース・バイ・ケース)が口火を切り ます。
「このプロット、どうでしょう?」
 他の参加者に意見を求めます。
「いいんじゃないの?」
「いや、特に問題は……」
「面白いと思いますよ」
 なんて意見ばかりだと、脚本家にとってはすごくラッキー。
「じゃあ、この線で脚本を書いて下さい」
 となり、無罪放免(^^;)。
「お先に失礼しまーす」
 と、喜々として会議室を後にします。

 が、世の中こううまく行く時ばかりとは限りません。
 たいていは何らかの意見が出されます。
「ちょっとここの部分が気になってるんだけど……」
「一応、確認しとくけど……この部分、こういう事だよね?」
 と言うような些細な?意見から、
「これ、違うんじゃない?」
 と言う、(脚本家にとっては)身の毛もよだつような意見まで様々。
 脚本家はそれらの意見をちゃんと自分でメモしていきます。

 もしそれらの意見が、
「おおむねOK、部分的に不満あり」
 というような場合には、脚本家はそれらの意見に留意しつつも、一応、脚本 に入ります。
 が、もし出された意見が、
「全然違う」
 といった種類のものでしたら、「プロットの書き直し」を要求されます。
 脚本家は次の会議の時までに、もう一度プロットを書かなければならないの です。(つづく)


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