脚本ができるまで.その5


シナリオ会議
 資料が送られてくると、脚本家はそれに目を通します。
 ザーッと目を通すだけの人もいれば、丹念にじっくり見る人もいます。この辺は人それぞれですね。
 そして再びプロデューサーからの電話。
 資料到着の確認と、いよいよ顔合わせの日程の相談(最初の電話で済ませる人もいますが)。
 いつ、どこで、最初の打ち合わせをするか、ということです。
 まだ企画段階だと、プロデューサーと二人でどこぞの喫茶店でこっそり、ということもありますが、すでに何本か脚本ができてる場合だと、「シナリオ会議」というのに呼ばれます。

 「シナリオ会議」とは?
 その名の通りシナリオ、すなわち脚本全般について話し合いをする場です。
 具体的にはどのような話し合いがなされるか、列挙しましょう。

 1.シリーズ構成に関する打ち合わせ
   (これのみを行う時は「シリーズ構成会議」と呼ぶこともあります)
 2.発注(プロット or 脚本)
 3.プロット打ち合わせ
 4.脚本打ち合わせ

 2の「発注」以外は、脚本家の書いてきたもの(シリーズ構成案、プロット、脚本)を元に話し合いを進めます。
 それらに関して、意見や感想を言うわけです。
 ですから周りからみると、脚本家がつるし上げをくってるように見えるかもしれません(^^;)。
 いや実際、そんな気分になることもありますが(^^;;)。

 シナリオ会議に出席するメンバーは、作品によって微妙に異なりますが、大体は以下の通りです。

 ◎プロデューサー
  ・テレビ局のプロデューサー(通称:局プロ)
  ・広告代理店のプロデューサー
  ・アニメ会社のプロデューサー
 ◎監督
 ◎シリーズ構成
 ◎文芸担当
 ◎その話を担当する脚本家

 これらの他に、その話を担当する演出家(東映アニメーションとか)が出席することもありますし、設定が複雑な作品の場合、設定関係の人間が立ち会うこともあります(サンライズとか)。
 出席者は合計で6〜8人ぐらいでしょうか。

 シナリオ会議が行われる場所は、作品によってまちまちです。
 アニメ会社の会議室だったり、新宿あたりの喫茶店だったり。
 テレビ局で、なんてこともあります。
 以前、フジテレビが河田町(新宿近く)にあった時は、フジテレビの地下食堂でよくシナリオ会議をやって、芸能人を間近で見物できたりしました(^^)。
 ところがお台場に移転してからというもの、フジテレビでシナリオ会議をやる事はほとんどなくなり、芸能人を見る機会もなくなってしまいました。
 ちょっと残念(^^;)。(つづく)


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