さて、再びシナリオ会議です。 前回はプロット打ち合わせでしたが、今度は脚本の打ち合わせ。 脚本を机の上にデンと出し、いよいよ打ち合わせの開始! 「このシナリオは完璧です!非の打ち所がない。このままのシナリオで、次の 作業(アニメの場合は絵コンテ作業)に入って下さい!」 ……なんて事は、まずありません(^^;)。 大抵は、「ここはこうした方がいいのではないか?」「この部分はちょっと 違うんじゃないか?」「このキャラクターはこんな事は言わない」と言った意 見が出ます。 それらの意見を元にして、シナリオに修正を加えていくわけです。 これを「直し」と言います。 余談ですが、あるプロデューサーと食事したおりに、 「シナリオ学校では、ちゃんと『直し』のやり方を教えてほしい」 と、愚痴られたことがあります。 新人の脚本家と仕事をする際、一番頭を痛めるのが、この「直し」の問題だ と言うのです。 曰く、 ・指摘された部分だけを直して、辻褄が合わなくなる。 あるいは逆に、 ・余計な部分まで手を入れて、よい部分まで消えてしまう。 と、いったことが、あまりにも多いというのです。 確かに私にも心当たりがあります(^^;)。 そしてほとんどのシナリオ学校では、「直し」のやり方までは教えない、と いうのもまた事実でしょう(教えてる所もあるかもしれませんが……)。 現実問題として考えると。 この「直し」がきちんとできるようにならないと、どんなにすぐれた才能を 秘めていても、現場では役に立ちません。 「俺はどうしても、『直し』をするのはイヤだ!」 という方は、脚本家になるのは諦めた方がよいでしょう。 脚本を書くのは、趣味の範囲に留めておくのをお勧めします。(つづく) |