脚本ができるまで.その13


シナリオ会議〜「直し」
 さて、再びシナリオ会議です。
 前回はプロット打ち合わせでしたが、今度は脚本の打ち合わせ。
 脚本を机の上にデンと出し、いよいよ打ち合わせの開始!

「このシナリオは完璧です!非の打ち所がない。このままのシナリオで、次の 作業(アニメの場合は絵コンテ作業)に入って下さい!」
 ……なんて事は、まずありません(^^;)。
 大抵は、「ここはこうした方がいいのではないか?」「この部分はちょっと 違うんじゃないか?」「このキャラクターはこんな事は言わない」と言った意 見が出ます。
 それらの意見を元にして、シナリオに修正を加えていくわけです。
 これを「直し」と言います。

 余談ですが、あるプロデューサーと食事したおりに、
「シナリオ学校では、ちゃんと『直し』のやり方を教えてほしい」
 と、愚痴られたことがあります。
 新人の脚本家と仕事をする際、一番頭を痛めるのが、この「直し」の問題だ と言うのです。
 曰く、
 ・指摘された部分だけを直して、辻褄が合わなくなる。
 あるいは逆に、
 ・余計な部分まで手を入れて、よい部分まで消えてしまう。
 と、いったことが、あまりにも多いというのです。
 確かに私にも心当たりがあります(^^;)。
 そしてほとんどのシナリオ学校では、「直し」のやり方までは教えない、と いうのもまた事実でしょう(教えてる所もあるかもしれませんが……)。
 現実問題として考えると。
 この「直し」がきちんとできるようにならないと、どんなにすぐれた才能を 秘めていても、現場では役に立ちません。
「俺はどうしても、『直し』をするのはイヤだ!」
 という方は、脚本家になるのは諦めた方がよいでしょう。
 脚本を書くのは、趣味の範囲に留めておくのをお勧めします。(つづく)


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