シナリオの分量は「ペラ○枚相当」という具合に言い表します。 『ペラ』というのは、200字詰めの原稿用紙(20字×10行)のこと。 かつて、ほとんどすべての脚本家が『ペラ』を使っていたので、こういう呼び方が残っているのです(現在はワープロやパソコンを使う人が多いです)。 先に述べたように、必要とされるシナリオの分量は作品ごとに異なります。 具体的に挙げてみましょう。 私がこれまで手がけた作品の中で、最も本編尺の長い作品は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。 約23分で、シナリオの分量も圧倒的に多く、ペラ80枚前後。 分量が一番少ないのは、『ビーロボ カブタック』などの東映特撮作品。 ペラ50枚以下で書いてました。 気分としては、『こち亀』は『カブタック』の倍、書いてる雰囲気です(^^;)。 『GTO』はペラ63枚程度、『発明BOYカニパン』はペラ67枚程度、『みどりのマキバオー』がペラ65枚程度。 だいたいこのあたりが平均的な分量でしょうか。 ただ本編尺とシナリオの分量は必ずしも比例するわけではありません。 『どっきりドクター』も『こち亀』並みの本編尺があったのですが、ペラ68枚ぐらいでした。 『カブタック』も本編尺が短かったわけではありません。 ロボット物や変身ヒロイン物など、毎回お決まりの出撃、変身シーンなどがある番組だと、そのシーンに時間をとられてしまいますから、どうしてもシナリオは短くせざるを得ません。 また登場人物がすごい早口で喋ったりする番組だと、シナリオの分量はどうしても多くなります。 私は直接関わっていませんが、『こどものおもちゃ』などはペラ90枚で書いていたと聞きます。 シナリオの分量については、脚本発注の段階で、 「ペラ○枚ぐらいで」という指定がたいていあります(なければ自分から訊ねます)。 ただ、その番組にとっての適正な分量というのは、シリーズが進むうちに自然と決まっていくものです。 『コレクター・ユイ』などは最初ペラ63枚で書いていましたが、次第に60枚程度になり、最終的には57枚となりました。(つづく) |