index ヒトの話
  1. ヒトの誕生 2000.12.31
  2. 港川人 2000.12.31
  3. Q&A編 更新2005.03.08
  4. ニュース編 更新2007.8.23

人類学分野リンク:

ヒト研究のパラダイム転換

ヒトとは何か。ヒトとは生物としての人間を指すタームだが、文化的存在ないし社会的存在と、生物としてのヒトは不可分なのだ。ここでは人間研究の流れを紹介しておきたい。近代以降のそれは、以下の3段階を経る。

  1. 生物学的決定論ないし社会進化論(啓蒙主義も文化史的アプローチもこの段階に含まれる)
  2. 社会決定論ないし文化決定論(マルクス主義も構造主義も構築主義もこの段階に含まれる)
  3. 適応論的アプローチないし社会生物学的アプローチ(ポスト構造主義や脱構築は含まない)

進化論は、世界が変化するというシンプルな事実を示し、歴史が可能性に開かれたものである事を示したが、性質の変化を理解できなかった。言語論的転回が社会決定論をもたらすが、これは要するに要素が相互に関連して全体を構成しているという考え方である。社会決定論は本質主義脱却への格闘と、構築主義への憧憬に満ちているものの、本質主義の克服にはあまり役に立たなかった(自ら本質主義に落ち込んでいったからである)。現在の日本考古学は、ほぼ文化決定論の段階にある。なお大衆(やマスコミ)の信念は基本的に本質主義的である。

参考:

記:2006/05/01 (2006/05/08)