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層序
調査区
1号遺構
2号遺構
石器埋納遺構
層序

 遺構検出面は概ね水平である。基盤礫層上面から数十cm程のレベルであるらしい。検出層直上には、平行に10cm厚のパミス層(黒色斑点を特徴とする)、40cm程の間層(暗色ローム層)、厚さ40cm程のパミス層、さらに最大20cm程のローム層が堆積し、これら全ての層に対して不整合に、30cm前後の黒みを帯びた表土が接している。表土層は現地表に平行に、調査区の西端に向かって傾斜し、そのまま丘陵の斜面につながっている。

 腐食質の表土層を除けば、パミス層や暗色ローム層は水平に互層をなして堆積しており、安定した堆積環境であったことを意味する。多摩ローム相当層の、ほぼ基底に近い層準と推定されている。仮に2枚のパミス層が、それぞれ47.5万年前、48.5万年前に相当するとすれば(公式には一切コメントされていない)、間層の40cm=1万年に相当し、小鹿坂遺跡は48.6〜48.7万年前ということになる(レス=風成層の堆積速度一定の法則による仮定)。基盤礫層の深度からすると、離水してからも1万年程度の時間しか経っていないことになる。当時の荒川との比高も僅かなものだったろう(テクトニックな理由もあって、現在の比高は200mもあるが)。

 右写真は調査区の東側ベルトの東側である。調査区内で最も厚い層序と等しい。下部に見えるラベルは遺物出土地点であり、ベルト裏側の遺構検出面と同じレベルである。

 [現地説明会で展示されていた柱状図](長尾根遺跡・小鹿坂遺跡を対比)

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