東京低地の6〜8世紀 赤丸は低地所在の古墳(推定含む)、青は水面

東京低地図  図で示した海岸線は6〜8世紀頃の推定ラインです。川のラインは近世頃の主要な自然河川です(水色は現在確認しうる主な河道跡)。なお微高地の形状は(いかなる資料によっても)推定であり、大体の位置を示しています。

 東京低地の古墳は殆ど調査されていないのですが(隅田川右岸は推定古墳)、台地上には、低地を見下ろすように多くの古墳群が確認されています。図の範囲だけでも、下総台地側は言うに及ばず、北区・台東区・文京区内に点在しています(図では示していない)。
東京全域の古墳分布
※微高地┳自然堤防 大河川の河道両側に発達
・・・・┗砂洲   海岸に平行に発達する砂堆
 沖積平野の遺跡は、原則として微高地上に所在する(十分条件ではない)。微高地は、上流部では主に自然堤防、沿岸部では主に砂洲を起源とする。海退が一定の速度で進行する場合、砂洲は一定の間隔で平行に形成されるようである。東京低地では、三ノ輪から千住に至る微高地列、浅草微高地が原形をよくとどめている。砂洲形成の最前線が海岸線と認識されるが、当初は手前の砂洲との間に広い水面が残り、「潟」の状態になっていたと思われる。


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