横田<miskij>萬や 奈良の景観を考える


大和北道路有識者委員会 が、第15回の有識者委員会を行い、 「資料-2  大和北道路検討のための評価の視点について」などを8月5日に発表されている。
偶然かどうか、4日は薬師寺〜若草山の景色などを撮影しに出かけていたのですが、この日は霞が強く、今ひとつでした。
そのため、ここで示す写真は、ガンマ値とコントラストを調整して、見やすくしてあることをお断りしておきます。
高円山の展望台では、県から依頼されたという景観調査の学生さん一団が見えていました。


薬師寺から見る

委員会の報告でも紹介されている、有名な大池から若草山方面を望んだ写真です。

大池から見た薬師寺と東大寺!

薬師寺を拝観するときに頂く縦4つ折の栞にも同様な画角の写真が見開きで掲載されており、この池は勝間田池とも称されるようです。

左の写真では、ほぼ中央に東大寺の屋根がうっすらと写っているのが判ると思います。
東大寺の標高は101mほど、屋根のてっぺんまでは48mです。
ここには写っていませんが、先述の栞では、奈良県庁のてっぺん(標高91m、全高30mほど)、興福寺の五重の塔(標高91m、全高50m)が写りこんでいます。
その一番端っこにはNTTのアンテナ塔(おわん3つ)がにょきっと覗いています。ここは標高88m。


換気塔想定図

栞の写真をもとに、カシミール3Dという地形処理ソフトで、R24八条交差点付近に高さ30mの換気塔を建てた場合の見え方を推量した結果、 薬師寺の東塔とNTTのアンテナ塔の間に入るのは確実です。
左の写真は、想定した高さで換気塔を書き入れてみたものです。(NTTの位置は間違えているかもしれませんが)


ただっ広い駐車場

薬師寺の駐車場では背の高い植え込みで囲って、視界をさえぎろうと努力してるものの、観光バスの高床化を考えると、どうなのかなあ、と思います。
観光バスに乗って薬師寺などを見て回る視点をも、実際に乗ってみて考えてみる必要がありそうな気がします。
観光客はおそらく1度来て、それで終わりなのでしょうか。
少なくとも観光パンフでは、周囲の景観までは紹介しないでしょうから、実際に訪問してみて、 心の中で美化していた風景との違いをどう受け止めるのだろう?
こと、京都に関しては、諦観という感もありますが…



平城京跡から見る

朱雀門の北側に駐車場があります。現在の高架道路は見づらいですが、じかに見ると橋げたの緑色塗装が目に入ります。
この近辺は高さ制限が30mに設定されており、現イトーヨーカドー(旧:奈良そごう)も制限内ですが、 制限内に抑えていてもこうして見えるということは、換気塔を(青の矢印の下に)入れればいやでも見えるのではないでしょうか?
また、換気塔を30mに抑えた場合、機能性はどうなのかも考慮する必要があるかもしれません。

朱雀門から東を見る・クリックで大きくなります

奈良県庁から見る

高円山展望台、二月堂からの景観を撮影したのですが、霞がかかっていて今ひとつだったのと、 薬師寺から県庁が見えたのなら、逆に県庁からも見えるのではないか、と気づいて、県庁の展望室にも寄り道して撮ってみました。
高さ制限を掛けたおかげでこの景色になった、と考えるべきなのでしょうが…ちょっと異彩を放つのは近鉄奈良駅ビルの左に見える奈良市100年記念会館と、その隣のマンションでしょうか。
なお、県庁、および一番右端のNHKのアンテナの高さは、30mだそうです。
後日、いくつかのコメントを書き加えるかもしれません。
下の写真は、公共施設からの景色ということで、自由に使ってください。撮影者は、Miskijと添えてください。

県庁から西を見る・クリックで大きくなります

地下案をもうちょっと考えよう

委員会では、地下案については、どのような構造にするかを明らかにしてないようですが、考えられるとしたら

のどちらかになると思いますが、交差点の間隔や、現在の高架道路との兼ね合いを考えると、どうなんでしょう?
交差点ごとの地下立体交差…は、現24号の平面交差点を高架で立体交差にした場合、あまり効果がないと評価しているので、 高架を地下にした場合も、同様に効果がないと評価するのでしょう(効果がなかったら、どうして東京では交差点の立体化をやるのでしょう)。

ちなみに第二阪奈トンネルの大阪側には、土壌を利用した空気浄化設備が設置されており、かなりの浄化効果を上げているといわれています。
しかし、この浄化設備はどれくらいの面積を要するのでしょうか?またコストもはっきりしません。


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