00/6/13

[[ ライカの話 ]]

ひょんなことから手に入った Leica M4-2 ですが、それまで一眼レフが当たり前と思っていたライカ初心者が こうしたものを突然もつとどうなるかということで、ちょっと感想などアップしてみました。 つまり、ここに書くのはライカ"ツウ"な人の感想ではなくて、突然ライカを持ってしまった人の感想ってとこですね。

ライカというカメラ( Leica M4-2 )

今まで、ライカなんてほとんど使った事がありませんでした。 唯一、あるといえば大学の研究室に眠っていたライカ(教授のもの)を借りてフィルム1本分程度撮ったくらいです。この頃はライカなんて自分に縁のあるものだとは思ってなかったので、このライカの型番さえわかりません。露出計はついてなかったので今から考えると、M3かM4だったのか。取説を見なくても普通に使うことができた記憶があります。
でもなぜか、その写りについてはほとんど記憶がありません。当時の私には買えるはずのないカメラの微細な写りの違いなど興味がなかったのでしょう。

その約10年後となる最近、身内にライカ病患者が発生しました。それもかなりの重症です。カメラを買いたいと言った彼にライカを提案したのは私ですが、まさか海外オークションをメインに次々と買い漁るまでになるとは・・・・。

そうしたことがあって、試し撮りをする程度なら、バルナックタイプからM3、M4、M5、M6TTLと一通りを触ることができたのは貴重な体験でした。
古いライカ(バルナックタイプ)では、その作りは特に精緻で、そのものだけで芸術品のようです。しかも現代のものと比べても遜色なくシャープに写るということから、作られた年代を考えると感動せずにはいられません。マニアな人が出てくるのも納得できます。
さすがに年代とともに使い勝手は改良されていて、バルナック(IIIf)などではピントを合わせる窓と構図を決める窓が別々だったのが、M型では今時のフレームが入ったファインダーとなり、その他、自動復元のフィルムカウンター、レバー式の巻き上げとなって、M5、M6では露出計も内臓となって現代のカメラという感じになります。

そうすると最新の"M6"が一番完成されていてそれが"いいのか"となると・・・、どうなんでしょう?? 全般を通してみると間違いなくそうだと思うのですが・・・・、新しいものほど個性が薄くなって普通のカメラに近くなってきている気がします。ライカでは、それぞれのモデルに使い勝手も含めて個性があります。しかもそれを精緻な技術で実現し、シャープな写真が今でも写るところがすごいところです。つまりは、使い勝手に納得がいけば、どのタイプでもしっかりした写真を撮ることができ、カメラの操作自体も楽しめるということです。

さらに、ライカの歴史的な背景の理解等が加わって、結局、マニアな人は自分の個性を数あるライカの中のどのタイプかに投影させることでひとつの自己表現としているのかもしれません。

さて、そんな数あるタイプのなかでうちのはM4-2です。さすがに外観は、ライカらしくなにか神々しい雰囲気が漂っています。
M4-2はカナダ製しかなく、ライカ"ツウ"な方々には人気がないそうです。私の場合はどうしても道具としての完成度が気になるので、どこ製かなんて事は問題ありませんが、露出計がないのが気になります。ライカの達人だと勘でピタッとあうのでしょうが、私の場合は何年経ってもそうはいきません。ただ何か写ってればというのなら別ですが、そうでなければ露出計は必須です。(で、VCメーターを買ってしまいました)
二重像合致のピントあわせは暗いところでも合わせやすいのですが、コントラストがない面や同じ模様が続く面では逆にあわせづらく、一眼レフと比べて一長一短というところです。
他の部分については露出計のないM型では最終に近い仕様ということもあって完成度が高いように思えます。割とスムーズな巻き上げ、スッキリしたファインダー、"チャッ"という実に静かなシャッター音。一歩間違うと病気になりそうですね。

SUMMILUX-M 50/1.4

ライカだとレンズはズミクロン?なんて話は、ライカマニアではない私でも聞いた事があるような気がします。でも、ここにあるのはズミルックス。他のレンズ(ズミタールやズミクロン等)もテスト撮影はしてみたのですが、いまいちサービスサイズのプリント程度ではわかりません。撮ったものだけ見ると、レンズ全般になにか存在感があるように写ってるようには見えますが・・・???という感じです。
そんな感じなので、ライカで撮ったものを単独で見ていろいろというより、実際に比較してみるのが一番ということで、私が普段愛用しているSMC PENTAX M50/f1.2とズミルックス(50/1.4)について全く同じ条件で撮影比較してみました(フィルム1本分)。
いろいろなところで言われているライカレンズの素晴らしさがでるかどうか。

"結果はこちら"

を見てもらうとして・・・。
驚くほど"違い"がないです。シャープさ色調とも、サービスサイズのプリントを見る限りだとその違いはわかりません。ましてやライカで撮ったものを言い当てるなんて不可能です。 この程度の違いなのか、はたまたPENTAXのレンズがズミルックス似なのか。
今回比較対象としたPENTAXのレンズはM型で、一世代以上昔のレンズですし、 PENTAXでもAレンズとMレンズで大分発色に違いがあるように感じられますから、たまたま傾向が似たものの比較になってしまったのか。

気を取り直して、ホントによーーく、よーーく見ると、違いがゼロというわけではないです。ライカのほうが同じ絞りでも若干被写界深度が深く、ボケた部分のコントラストが少し高いようです。遠景でも解像度が高いみたいですね。色調も若干濃い目です。逆光はペンタックスのほうがf1.2という不利な条件にもかかわらず強いですね。しかし、画面上の差は気のせいに近いくらい僅かです。
少なくとも、サービスサイズのプリント程度でライカのレンズは云々なんてことを言うのはナンセンスということがハッキリわかりました。 ただ不思議なのは、サービスサイズでもライカだけ使ってできあがった写真をみると、この実験の差以上に写ったものの存在感があるよう見えます。 なぜでしょう??
これは、やはり思い入れと気のせいってやつなんでしょうねえ。

フォクトレンダー VC METER

なんといってもカメラに露出計がないのは使えません。木村伊兵衛さんのような神業は私にないのです。一応ミノルタの露出計(AUTO METER IV F)は持ってはいますが、大きくて、せっかく35mmカメラで撮影するのにその軽快さが失われてしまうのでは意味がないと考えています。というわけで、最近の優れものはこのフォクトレンダーのVCメーターです。フォクトレンダーといっても、実は日本のコシナ製であるということは、最近評判のベッサL、Rなどからうかがい知る事ができます。
超小型のボティーはアルミダイキャスト製で各部の作りも丁寧にできています。ダイアルのクリック感も適度で品質感があります。もともとライカなどと組み合わせることを前提として設計されたのでしょう。寸法的な収まりも純正部品のような感じになります。これがあれば、露出計のないクラッシックカメラも現代の実用カメラとして蘇らせる事ができます。受光素子はSPDで、EV1(f1.4 1sec)-EV20(f22 1/2000)までの測光範囲をもち、約30°の測光角があります。思いのほか正確なようで、お薦めの一品ですね。
私は、別売りのストラップアダプターも購入しました。これでこの超小型の露出計を首からぶらさげて使うこともできます。


(注)ここに書きこまれたことは m.takeda のまったくの独断と偏見によるものです。内容についてなんら保証するものではありません。

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