君の名は・・・・。
東京駅。
ここは何を隠そう、一大ショッピングモールと化しているのは、事実どころか見慣れた方には当たり前の話だろう。
中には充実し過ぎとも思えるみやげ物コーナーが軒を並べているとの事だ。
何せ、某友人が、旅行先擬装用に買っておいたはずの「白い恋人(北海道土産?)」を喰われた際に、羽田まで買いに行ったという実績があるが、後に他の方から、

「東京駅でも売ってるよ?」

という話を聞くにつけ、大笑いしてしまった事があるほどだ。
まぁ、この話は今回の話に関係が無いので捨て置くが、現在の東京駅が多くの店を抱えられるほどに大きくなったという話でもあろう。
で、ここから本題。
このように充実した店舗には、電車の長旅に供えるための退屈しのぎができるアイテムを扱っている店もある。
個人的に考えうる最高の暇つぶしは「読書」。
そう、東京駅には本屋も存在する。
どうやらKIOSK関連らしいのだが、雑誌を中心に雑多な本を扱っており、京葉線から他の路線に乗り換える事が多い私も、時々立ち寄る事がある。
そこである本の看板を見かけたのである。
彼は、経営が傾いた自動車会社を復活させる為、この国に赴いた、一人の企業戦士である。
現在社長。
彼の半生を綴る本の看板だったのである。
(因みに半生を綴っているかは私は知らない。何せ読んだ事がないので)
彼は日本にやってきて先ずコスト削減の為として、大幅な人員削減を行った。
所謂リストラである。
これによって、一時期の彼のニックネームは「リストカッター
・・・・・・、「パイ○カッター?」
「コストカッター」と呼ばれ、またあるところでは「首狩り族」等などと呼ばれる事となった。
また膨らみすぎた車種を大幅に減らし、人員ばかりのコストではない徹底的なコスト削減を行った訳である。
現在随分持ち直した事もあり、かような本の出版となったのであろう。
唯一残念でならなかったのは,この会社の伝統であったスポーツ車の生産終了及びその車種の生産工場閉鎖であろう。
確かに開発コストが高くなりすぎ、これもこの会社の寝所を潰しそうになった事は否め無かったという話を聞いた事がある。
・・・・、で、いまじゃあ只のセダン。
これに関してはスポーツ車好きの友人A氏は相当がっかりしていた模様。
そんな彼の自叙伝の看板に"ほぼ"頭身であろうかの人物の写真が使われているのであった。
そう、彼の名はカルロス ゴーン。
現日産自動車代表取締役社長である。
そんな大人物の自叙伝発刊!
そして間近に見る偉大な経営者たる彼の等身大立て看板を見て私は一人こう思った。

「社長!奴ァタッパが低いですぜ!!!」
おい待て、俺。



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