其の壱、花も恥らう男子高生が、ラベンダー畑で花を摘み、学友達とシートを敷いて語らう姿。
・・・・・・・、駄目だ。
其の弐、練習に励む男子高生がランニングしながらやってくる、目標は秋の大会だ(何の?)、そして教師が草原に広がるラベンダー畑を指差しながら、こう言うのである。
「れっつ、びぎん!!」
・・・・・・・、いつの時代の青春ドラマだ、それは。
其の参、練習に励む男子高生がランニングしながらやってくる、目標は花園ラグビー場、そしてチーム全員が草原に広がるラベンダーに向かい、今はもう亡き友人の名を叫ぶのだ。
「いそっぷー!!」
ああ、懐かしいなぁ・・・・・。
当然、電話の向こうにいる話し相手に、私のそんな思考が伝わる訳も無い。
私は瞬時に思い浮かんだ数々の"ラベンダー畑で青春"する、男子高生を早々に放棄し、こう答えた。
「多分、現地で知り合った女子高生とかナンパして、青春の一ページに刻み込もうと言うことだろう。」
おお、無難だ。
結構普通のことも考えられるではないか、俺。
で、なんでこんなある意味無茶なコース選択とタイトルが決定したかと言えば、何でも三泊四日の殆どが自由行動となっている為らしい。
「他にどんなところに行くって?」
私はふと気になって聞いてみることにした。
こう見えても行った事が無いくせに、妙に北海道観光系には明るい私である。
「えーと、オルゴール博物館に行くって言ってたよ。」
・・・・・、鮎攻略時だな。←攻略って?
「するってーと、小樽運河にガラス工藝館なんかも入ってるんではなかろうな?」
・・・・・・金デコさんおるし。←居ません
「あ、そういえばあった。他にもススキノとか、ラーメン横丁とかもあったよ。」
・・・・・、潰れそうなラーメン屋には、やさぐれ気味な眼帯少女が・・・・・。←お気に入りDEATH
ま、まさか北海道大学を探そうなんて豪気なことは、流石に言わんだろうな。
とか一瞬不安に襲われるが、摩周湖やらなんやらには行かないと言う話だ。
ほっ。←なぜ安堵する。
但しここまで話を聞いて確認しない手は無いだろう。
「まさかさ、」
「ハイ?」
「その学友達の中に、DCで"北へ。"をやってるヤツは居らんだろうな?」
「そこまでは訊いてないけど。」
「あ、いや別に気にするこたぁない。」
その弟君たちの友人一同にはどんな青春を送ったか是非とも話を聞いて貰いたい訳だが、まさか帰りのお土産はロイズの生チョコじゃないだろうなと、一抹の不安を拭いきれない自分が、ちょっとだけ可笑しい今日この頃である。