主人公
「現実が、一つの物語だとして・・・・・、」
「あん?」
「いや、そう考えた場合、実は自分が正義の味方でもなんでもなくて、実は悪党なんじゃないか?とか思ったこと無いか?」

微妙に台詞回しが間違ってるのは一切考慮しませんが、某映画での台詞である。
私自身、そんなことを考えた事が無い訳ではない。
他の御仁も少なからずそんな事を考えたことがあるのではないかと思う。

本日は帰宅途上の道の上よりお送りしております。
いわゆる一つの「前略道の上より(By一世風靡セピア)」ってな感じで・・・・。

人生は一つの物語である。
TVドラマと言うのは、その人の物語を一部端折りつつ、第三者に見せているものである。
それは確かに現実の人物ではないし、仮想と分かっているから安心もできる。
そしてドラマの世界には監督と言う神がいて、その人々の人生を統括している。
さて、話を現実と言うものに戻してみよう。
ドラマを統括する監督はいない上に、出演者はアドリブのみ。
各人個々が主役であり、また出演者である。
そして出演者はその広大な舞台(世界)の全てを知る事無く、ドラマは終焉を迎えてみたりする。
そう、あなたも自分の人生と言うドラマの主人公なのである。
で、そんな風にこの世を認識してみた場合、こんな考え方ができるのだ。

自分の知らない土地とは、本当に実在するのか?

つまりである、あなたの生きているこの"現実"と言うものが、果たして本当に現実なのか?
と言うことである。

TVをつければ世界の風景は見れるじゃないか。

という御仁もいるかも知れない。
考えてみたまえ。
TVというメディアは、虚構を現実にしてしまう力を持っている。
戦時中のラジオ放送。
負けつつある日本を知る事無く、語るべきものは戦死する中、果たして個人の見解で「負ける」と思ったものはいただろうか?
確かに空襲が増えた頃にはおかしいと思った人々は多くいただろうが、それは実生活に敗戦の色が見えてきたからこそわかったことであり、メディアは何一つ真実を語ってはいないのだ。
つまりマスメディアほど信用できないものは無いともいえよう。
人に脚色された現実など、虚構の世界と大差は無い。
むしろ現実を脚色している分、判断を狂わせやすくなるのだからなお性質が悪い。
だから可能性の問題として誰かが仕掛けた大きな舞台の中で、それすら知らず、自分が現実と思って生きているのではないか?
と言う考え方もできるようになる。
ひょっとしたら今あなたが見ている世界は、誰かが作った虚構の世界かもしれないのだ。
ばれないように巧妙に細工され、普段の生活をしている限り気付くことは無い。
そう、自分がその生活を壊さない限り、虚構を現実としてあなたは何も疑う事無く生きているかもしれないのだ。
普段あなたが通う職場や、学生さんなら学校。
そして通り道でふらりと立ち寄る近所の吉牛、呑んでくだ巻くいつもの飲み屋。
自分では、色々な所に寄っているのだから、もしこの世界が虚構だとしたら、絶対変なところがあるはずだと思うだろう。
では考えてみよう。
あなたがこの世界の中で、生活に必要としている個所は、一体どれほどの数だろう。
社会人なら職場、学生なら学校。
家とそれらをつなぐ道路や交通機関。
そしてその間にある立ち寄り先。
さて、この間には多くの建物が点在していると思うが、必要とならない限りあなたが直接寄ることは無いだろう。
通り道を見ただけでも外から見るだけの建物の何と言う多さか、そしてあなたは当然の如くその建物の中で、別の生活が展開されていると思っているだろうが、果たして本当にそうなのだろうか?
実のところ、その中には何も存在せず、何も住んでいない可能性があるのだ。
夜には明かりが点くし、なんか洗濯物が干してあったとて、それが証拠とはいえない。
ひょっとすると黒子の皆さんが一生懸命ステージに細工をしているかもしれないのだ。
ふと思えば自分が認めてる現実と言うのは、なんと言う軟弱な認識のもとに成り立っているかが分かるだろう。
所詮は自分が認めているだけである。
第三者による確認は、決して判断材料とはなりえない。
そうであろう。
巨大な罠の渦中の人物に、騙してる方が

「ええ、騙してます(きっ巴里)。これは現実ではありません」

などと答える訳が無いからだ。
そんな日常のふとしたところから、非現実世界に入り込んでいってしまう。
という手法が得意だったと言えば、眉村卓氏の「サラリーマンSF」だったといえる。
結構のめりこんで読んでいたものである。

まぁ、こんな大規模な罠を仕掛けられる人物ではないのだから、私自身こんな事を言ってても
「そんなことがあったら面白いだろうな」
と言う程度のものである。
例えばここにある普段は入らないような店のドアがある。
そこを開いてみれば、必ず店員が出迎えてくれるのだ。
いざ行かん、遊びの新規開拓!!!

「・・・・・・・・・・、あれ?」



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