「お前も注意なんて止めときな、殺されるよ」
とか言われる始末だ。
こんな話を聞いていると、心の中で、一つの夢が崩れ去った事に気が付いた・・・・・。
「あなたは将来何になりたいですか?」
諸君、こんな質問を子供の頃から何回、いや何十回も聞かれた事があろう。
その度に移ろい、様々な夢を語ってきたと思うが、ある程度自分が見えてきた今、自分はおっさんになりたかった事に気が付いた。
子供の頃から良く見ていたドラマ、
「刑事コロンボ」
「特攻野郎Aチーム」
「機動警察パトレイバー」
いずれの作品も、渋いおっさんの活躍がキラリと光る優秀な作品である。
例えばコロンボ警部、ハンニバル・スミス大佐、後藤警部補、榊整備班長等など、私としてはかっこいいと思えるおっさん方だ。
こうした偉大(?)な人物達を見る中で、私が目指したもの・・・・・。
それは、「ゴルァコラおじさん」である。
ステッキ片手に街を闊歩し、悪さしているガキどもを怒鳴りつけ人の道を説く、こんなおっさんになりたかった。
若者達に嫌われようが疎ましがられようが、正しいことを正しいと言い、悪いことを悪いと言えるこのおっさんは、社会生活を送る上での必要事項を繰り返し説き、いつか悪ガキどもがまっとうに社会に出た時に、
「あのおっさんが居たから、今の俺があるのかも・・・・」
とか言わせてみたいのである。
我ながら思う、何たる偽善。
いわゆる自己満足でしかない行為ではあるが、それこそ、
「キャシャーンがやらねば誰がやる」
である。
昔の社会は、こういったおっさんを筆頭に、強い大人がいた社会と思っている。
そこには大人と言うものを頂点とした、社会のヒエラルキーが存在していた。
だがしかし昨今のガキどもを見てみよう。
昔の子供ならば体で覚えた力加減も社会構造というものもついぞ学ぶ事無く、子供のままの精神は持てる力をあらん限りに使い、ふと気が付けば相手を死に至らしめてしまう、そんな"物体"に成り下がった。
こんな社会を見ていて、目標コラおじさんである私はふと思うのである。
コラおじさんは、ある意味健全な社会のバロメーターなのではあるまいかと・・・・・・。