「ぶわっかもん(莫迦もん)、戦車のラジコン贈るなら、東京マルイ謹製の90式に決まっとろーが!」
と意見を述べる。
そんな私は英軍戦車ファンである・・・・・・。
まぁ、そんな具合に風邪とともに一週間を生き延びてきた私であるが、年の瀬を迎えるにあたり、どうしてもやらねばならないことがあった。
それは部屋の障子貼りである。
ここ何年も私の部屋の障子は破れたままになっていたり、まったく貼っていなかったりと、複雑な状況だった。
これを打破するには即ち、
「障子紙を貼りやがれ」
という実に明快な回答へ帰結するものであり、昨今の冷え込みに対抗するために、私の部屋に課された最後の課題でもあったのだ。
そんな訳で私は一路地元のホームセンターに向かい、障子紙を購入。
うららかな日曜日の昼に、親が「後で剥がし易いから」という事情で、親自ら練った糊を片手に、ぺたぺたと障子貼りをする私の姿が見られた。
ぼへーっと糊を塗り、本人もぼへーっとしていると、
「あ、そういやそろそろ蛍光灯も買い換えなきゃ遺憾(いかん)」
とか考えていたのはまぁ別のお話。
親は親とて、正月飾りなど作っている。
(我が家では未だに正月の飾りは藁を編んで作っている)
この後は、新しく立て直したお墓の掃除だということだ。
時間にして一時間あまり、4枚ある私の部屋の障子は、実に数年ぶりに障子が全て貼られたのであった。
(待てやゴルァ!)
そして夜。
乾してあった布団に寝っ転がり、消灯の上睡眠をむさぼろうとする時である・・・・・・。
「な、なんか部屋が暖かい」
そうなのだ、それまで薄手のカーテンだけで乗り切っていたが、深夜の窓ガラスは容赦なく部屋の温度を下げまくっていた。
だがしかし、障子に紙が貼られた今、新たな城壁を私は得たことを実感したのであった。
こうして私は暖かな部屋を入手した。
この冬は電気ストーブをはじめ、様々な暖房器具が導入されたが、その機能を発揮できる土俵が出来たのである。
これでこの冬は完璧だ。
と、ここまで喜んでいたのは良いのだが、親曰く「剥がし易い糊」という事は、自動的に、
「剥がれ易い糊」
と言ってる気がするのは、愚息の浅はかな要らぬ心配なのでしょうか?