初物と異物感

最近眼鏡を作った。
今の今まで眼鏡をかけるなど、伊達とサングラス以外したことが無いのだが、寄る年波と車の運転に差し支えがあると言う事情からだ。
現在の眼鏡なしでの視力は両眼で0.6。
運転免許を所持する上で、視力は聴力とともに重要であり、視力低下は取得条件から逸脱してはならないのが常である。
私の記憶では、免許取得時に必要な視力は両眼で0.7、コンマ1足りない事になる。
・・・・・・・、残念。
何はともあれ眼鏡使用に踏み切った私なのだが、視力矯正用アイテムとして眼鏡をこの歳まで使った事の無い私は、大変奇妙な感覚を味わうことになる。
まず視界に曖昧さが無くなった。
そもそも視力が落ちたから眼鏡で矯正している訳であり、これで従来通り曖昧さ加減が残っていたら明らかに問題であり、曖昧さが無くなると言う事はそれはそれで正しいのだが、体のほうが納得してくれない。
まるで、
「俺の視界はこんなではない」
と訴えかけているようだ。
但しこの感覚は、最近会社との行き帰りの間連続装着していたので大分無くなった。
続いて目線のみの移動時、視界が無茶苦茶歪む。
これもレンズ越しに視力を確保している以上、レンズが持つ特性に逆らうことは出来ない。
まぁ、この辺も装着時間が延びてくれば、違和感無く納得出来るようになるだろう。
もう一つがしばらく拭い切れなさそうな問題である。
眼鏡をすることによって、今までに感じたことの無い感覚に晒されることになったのである。
これは恐らく矯正された視界と、従来型の眼鏡とはちょっと違うフレームを選択した為だと思う。
私のメガネと言うのは、最近流行り(なのだろうか?)のフレームレスタイプである。
しかも蔓は耳の裏まで末端が回り込んでおり、丁度耳たぶの裏側までやってくるのだ。
こういったフレームの選択の陰には、昔某人物が後の嫁さんと若かりし日、海に行ったときに海中に紛失すると言う失態の経験を踏まえている。
(っつーかメガネしたまんま、海に入るなっての)
で、私の場合も運転時着用がメインなのと、運転中に外れられては洒落にならないからなのだ。
少々話が脱線した。
で、こういったメガネは鼻に載せるパーツが付いてない。
どちらかと言うと耳と目の間の部分で固定しているのだ。
力のモーメントとしては下の通りである。
感覚は分かって頂けるだろうか?

○------↓(従来型のメガネ)

○→----←(現在私が使っているメガネ)

・・・・かえって分からんか・・・・。
但し、顔を前後から挟み込む形状でありながら、やはり重力の楔から解き放たれることは無いので、耳を支点に鼻側には下へ向かう力も加わる事になる。
まぁ要するに目の間の皮も下に引っ張られることとなるのだ。
これに視力矯正の画像が処理されると言う二重の違和感が、なんと無く感覚的になのだが、前頭葉がもにょもにょしてくるのだ。
・・・・・・・・もにょもにょ。
う゚〜む゚、なんと説明したら良いのだろうか。
ともかくこの感覚は経験しなくては分からない感覚である。

処でこれを読んでてタイトルで勘違いした人って何人ぐらいいたんでしょうね。
それを想像しているだけでもなんかお腹がもにょもにょしてくるのだ。
あ、そうか、この感覚ですよ。
もにょもにょ。



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