納涼企画第三弾「怖い話」

さて、会社組織に納まっている人ならば、どんな部で、どんな係で、どんな役職か決まっていらっしゃる事と思う。
そこで自分が何をすべきであるかを知り、面白かろうが面白くなかろうが、日々の糧を得るために働いてらっしゃる事だろう。
ある人はその役職に一喜一憂し、またある人は疑問を持ち、そしてまたある人は挫折し会社から去っていくのである。
既に第三回を迎えた、全然怖くないこの「怖い話」企画。
社会的な恐怖と言うものをじっくりお聞かせしやしょうか・・・・・。

まず人間と言うものの性格から話を始める。
人間と言うのは社会という組織で群れを作る。
そしてその中に組み込まれ、役割を持つこととなる。
例え、

社会に自分が溶け込んでいない一匹狼だぜ!
他の人間がいなくても、俺は立派に生きてるんだぜ!

などとほざいてみても、買い物には行くしバイトもしている。
完璧な一人と言うのは、この社会的役割がはっきりした現在において実現不能と言ってもいい。
食べ物を見てみよう。
生産者を経て流通業者に問屋や店。
これだけの役割が既に「売る」という行為を行う時点で介在している。
この間に様々な人が携わっているのだ。
そして人間とは、こうした役割分担をする中で、様々なところに所属する。
人間と言うのは大抵この組織の中にいることに対して、安堵を覚える生き物なのだ。
目に見えてわかるのが、会社の組織と言えよう。

話を本編に戻そう。
皆さんは普段自分が会社の中でどんな部署にいるか把握してますな。
どこどこ部、どこどこ課。
場合によってはどこどこ事業部、どこどこ係。
例え役職が無かったとしても、こういった自分の所属だけははっきりしている事だろう。
私の場合は派遣社員なので、行った先での役職と言うのは無い。
本社に帰れば「技術員」という事になっていると言う点では、一応肩書きを持ってはいるが、一歩社外に出されれば、無冠の人になる訳だ。
ましてや本社でそういう肩書きがあったところで、普段本社に寄る用がない人間は、本社の構造を一切把握できていないので、この本社の組織に所属していると言う意識はかなり希薄である。
むしろ派遣された会社での所属が自分が聞いても納得できるという困った状況になる。
そんな訳で派遣された先の会社の所属こそが自分の居場所であり、それゆえに自分の所属する部署というのはわかっている筈なのだ。
ちょっと前ならば、
ネットワーク事業部運用管理係
であり、更にこの中の
一般保守グループ
なるところに配属されていた。
その後部局名が変わり、
ネットワーク事業部ネットワークソリューション事業部
所属となった。
この辺で自分の立っている場所が判然としなくなってくる。
今期に入り派遣先の会社の社長が交代した。
これに伴い会社内の組織変更が行われたのである。
さて、新しい組織票を見せてもらった訳であるが・・・・・・・。

わ、わからん・・・・・(汗)。

自分は果たして一体何処の所属になるのだ?
なにやら自分の足元が崩れ落ちるような感覚。
そして焦燥。

でもその事情を更にややこしくしているのは、私の派遣元から今の会社まで更に2つの会社がパイプしている。
当然そこでもどんな所属か決まっているはずなのだが、この歳になるまで気にした事が無い。
これは由々しき問題ではなかろうか?
仕事ははっきりしている。
ネットワークの運用管理だ。
して、会社での私の所属って・・・・・・、一体何処なの?

2000年8月1日



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