新・闘わないプログラマ No.5

アスキーはどこへ行く?


先日、こんなメールが舞い込みました。

お客様各位

    「アスキーインターネット(AIX)」 サービス終了のお知らせ

 株式会社アスキーでは、現在皆様にご利用いただいておりますインターネット
接続サービス「アスキーインターネット(AIX)」を1998年 1月24日をもって終了
させていただくこととなりましたのでお知らせ申しあげます。

え〜、終わっちゃうの?このページ、AIXで始めたばかりなのに(;_;) 引っ越し先を考えねば。

今回は、別のネタで書いていた文章を用意していたのですが、急遽、この話題にさせていただきます。
どうもここ何年か「アスキー」と聞いても、いまいちぱっとしないと言うか、どうなっているんでしょうね、あの会社。
「アスキーは私の青春そのものだった」というのは冗談としても、アスキー(会社 or 雑誌)と共にこの世界を見てきた、それなりに思い入れのある会社であることは確かです。最近は、やることなすこと、ほどんどうまくいっていないように見えるのですが、ほんとにどうしちゃったんでしょう。西さんって、非常に見識を持った人だと思うんだけど・・・って、もう10年くらい前に1回会ったことがあるだけですけど。
そう言えば、いつからだろう「月刊アスキー」も全然買っていません。この間の20周年記念号は懐かしくて久しぶりに買いましたけど、20年分の「月刊アスキー」の表紙の写真を見ていると懐かしさがこみあげてきます。同世代の友人と、この表紙を見ながら、思い出話が尽きませんでした。

今年に入ってからでも、ASCII NETの終了、「週刊アスキー」の休刊、で今度は、AIXとAIFの終了、と暗い話題が続いています。

ASCII NETは、日本のパソコン通信の草分けといってもいいでしょう。残念ながら、私はその実験段階はほとんど知りませんが、商用パソコン通信になった早い時期に加入しました。当時は300bpsという今から見ればとんでもなく遅い通信速度で接続していました。300bpsというと、画面上に文字が1文字づつ表示されていくところが見えます。その後、私のモデムは、1200bps、2400bps、9600bpsと高速になっていきましたけど。
私自身は、アクティブなネットワーカー(死語?)ではありませんでしたから、時々、あちらこちらを読んでみたり、ソフトをダウンロードしたり、そんなことしかしませんでしたが、他の商用パソコン通信サービス、Nifty ServeやPC VANと比較して、独自の雰囲気を持っていたと思います。
何年前のことだったでしょうか、アスキーはASCII NETのサービスと料金体系を大幅に変更しました。特に料金体系の変更は、それまでアクティブだったユーザーの反発を買い、ASCII-NETの没落を早めた、といっても間違いありません。それまでどれだけ使っても月2000円の固定料金だったものが、青天井になったのですから、アクティブなユーザーにとっては非常な打撃になったはずです。
そのころから、アスキーはASCII NET自体をどうしたいのか、明確なビジョンを示すことが出来なかったように思えます。最後の頃は、一部の場所を除いて閑古鳥が鳴いているようなありさまで、あれではとても商売としては成り立たないだろうな、と思ったのも事実です。「積極的な方策を講じない」〜「ユーザーが逃げる」の悪循環が続いただけのようにも思えます。これは、ASCII NETだけに限らず、最近のアスキーを見ていると、悪循環、もしくは、何かが空回りしているような気がしてなりません。

私は、アスキーは、雑誌も含めてもっとハイエンドの部分にターゲットを絞るべきではないかと思います。今、世に出ている、いわゆる「初心者向け」のチャラチャラした雑誌や本はアスキーには似つかわしく無い、と思います。私は「さすがはアスキー」と言われるような雑誌や本を期待しています。
今、アスキーとマイクロソフトがどの程度の関係なのかギョーカイの事情には詳しく無いのでよくは知らないのですが、できればマイクロソフトとも距離をたもってやっていってほしいとも思っています。西さんなら、ビル・ゲイツにもきついことが言えるんじゃないかな、と思うのですが、買いかぶりすぎでしょうか。

いろいろ言われていますが、私は今でもアスキーのことを好きですし、がんばって欲しいと思っています。陰ながら応援しております。それと、一つだけお願いを聞いてもらえるなら「年刊AhSKI!」また出して下さい(^^)

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