新・闘わないプログラマ No.479

ファームウェアのアップデート


半年ほど前に買ったiPod nano、かなりバッテリがもつので、まだ充電した回数は10回に満たないと思いますが、充電しようとPCのUSBに接続するたびに、ソフトウェアのアップデートを促されているような気がします。
iPodをPCに接続すると、PC側で自動的にiTunesというソフトウェアが起動して、iTunesがiPodのソフトウェアのバージョンをチェックして、インターネット経由で新しいソフトウェアが無いか調べているようです(←仕組みはよくわかってない私)。で、毎回のように新しいソフトウェアが見つかるみたいで(バグではないと思う……毎度バージョンが上がっているし)、毎度のように(←多少大げさに言っています)「バージョンアップするか?」と言われているわけです。
購入当初のiPod nanoは、よく液晶のバックライトが点灯したままハングアップしました。最初にハングしたのが電車の中で、当然リセットの方法もわからず、「うわっ、どーしよ、どーしよ」「そうだ、困ったときのインターネット」と、PHSで「iPod ハング リセット」とか入れて、リセット方法を調べた私。
最近はハングした記憶が無いので、ソフトの安定性も上がったのでしょう。

ハードウェアを制御するために、ハードウェア内に埋め込まれているプログラムを「ファームウェア」と呼びます。ファームウェアと言うと「機器を制御するための、低レベル(←「ハードウェアに近い」という意味です)の、最低限のプログラム」というような印象を私などは持つのですが、今どきは、ハードウェアに搭載されてる(フラッシュメモリなどに書き込まれている)ものは、OSやアプリケーションまで含めて「ファームウェア」と呼ぶことが多いようです。
まあ、いわゆるコンピュータ以外の機器で、OSと呼べるようなものが動作して、機器を制御したり、ユーザーインターフェースをつかさどったりするのが、そのOS上のアプリケーションだったりするのは最近のことですからね。細かい話は話は置いておいて、ここではそういうのも含めて「ファームウェア」と呼んでおきます。
ちなみにファームウェアをアップデートすることを「ファームアップ」などと呼ぶようですが、これって和製英語でしょうか? えーごが不得意なのでよくわかりませんが。ちなみに「和製英語」って言葉もなんか変ですよね。あえて言うなら「和製『英語もどき』」?

さて、最近は民生用機器……という範疇でいいのかどうかわかりませんが、AV機器やら電話機やら、コンピュータに詳しくない人も使うような機器でもファームウェアのアップデートができる製品が多くなりました。LANインターフェースを持っていて、インターネットに接続して新しいファームウェアをダウンロードして、フラッシュメモリを書き換える、という製品も珍しくありません。
ファームウェアのアップデートには危険を伴います。いや、べつに、ファームウェアのアップデートをしても爆発とかは起きない(たぶん)と思いますが、アップデートの操作を行うと、

ただいまファームウェアのアップデート中です。
電源を切ると起動しなくなることがありますので、
絶対に電源を切らないで下さい。

などと脅されます。でも、停電になったらどーしましょ。先日、電子レンジと食器洗い機と掃除機を同時に使ったらブレーカが落ちました(ここに引っ越してきてから初めてです)が、もしそのとき「絶対に電源を切らないで下さい」と言われていてもどうすることもできません。いやまあ、電子レンジと食器洗い機と掃除機を同時に使うほうが悪いわけですが。
それはさておき、ファームウェアのアップデートでは、私も何度か痛い目を見ています。幸いにも「起動しなくなった」ということは無いですが、アップデートしたファームウェアがバグだらけで、しかも「旧バージョンに戻す方法がない」(新しいバージョンが出れば、それにすることはできる)、ということで、結局より新しいバージョンが出るまで、その機器は1年近くお蔵入り、なんてこともありました。
先日もDVDプレーヤのファームウェアをアップデートしたら、4:3のDVDソフトも含めて全部16:9でしか表示できなくなってしまい、しかも戻す方法がなくて、現在お蔵入り中です。このDVDプレーヤのファームウェアは品質が悪いことで有名で(私の中で)、少し前のバージョンなどDVDソフトの約半数がまともに見れない状態(映像も音声もノイズだらけ)になってしまいました。そんなわけで警戒していたはずなのですが、世間の評判も調査せずにまちがってアップデートしてしまいました。きっと魔が差したのでしょう。

最近のデジタル放送を受信できる機器では、デジタル放送に載せてファームウェアを配布しています。こういう機器では、ユーザーが好むと好まざるとにかかわらず、勝手にアップデートがされてしまいます。まあ、機器の設定画面で「自動でアップデートしない」とかいう設定をしておけば、勝手にアップデートされることは無いのですが、初期設定では「自動アップデート」になっているはずで、大多数の人はそのまま自動アップデートになっていることと思います。そもそも、この設定項目自体が、メーカー側の逃げ口上に過ぎないかと思います。つまり、「放っておいたら、勝手にファームウェアがアップデートされて、仕様が変更されて、不具合が出てしまった。どうしてくれる」などとユーザーから言われたときに「でも、自動アップデートにされていたのはお客様ですよね?」とか逃げることが可能になります。

と、ここまでは前置きでした。さて、ここからが本題です。
家で使っているHDD/DVDレコーダ、デジタル放送によるファームウェアの配布があったようで、今日、電源を入れてみたら「アップデートされました」のメッセージが出ていました。
このレコーダは、ウェブブラウザ経由で録画予約その他の操作ができます。いままではFirefoxで何の問題もなく操作ができていたのですが、ファームウェアのアップデートがあった今日、レコーダへのログインができなくなってしまいました。旧ファームウェアではInternet Explorer 7でのログインができなくて問題になっていたのは知っていたのですが、Internet Explorer 7など使っていないので、気にもとめていませんでした。調べてみたところでは、今回配布されたファームウェアではそれの対策を行ったようです。と同時に、どうやらFirefoxでのログインができなくなってしまったようです。
でも、なんでこんなことになるんでしょ? 両方ともログインできるようにするのって、そんなに難しいんでしょうか。っていうか、普通に作ればいいだけのような気もするのですが。
だいたいにして、頼んでもいないのに勝手にアップデートしておいて……え? 「自動でアップデートしない」に設定しとけばいいだけじゃん」ですか? いやまあ、そうなんですけどね。

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