新・闘わないプログラマ No.477

緊急入荷


先日の朝、開店直後の某量販店にいた私。その日は、朝の11時に都内某所で待ち合わせしていたわけですが、プリンタのインクの予備が無くなったので、早めに家を出て、この量販店に来ていました。

「ただいま、任天堂Wiiが緊急入荷いたしました。お求めのお客様は○階までお越しください」

Wiiって、最近話題のゲーム機だったよなあ、確か。SONYのPlayStation 3はあっという間に在庫がだぶついたみたいだけど、Wiiはいまだに品薄でなかなか買えない、どっかのニュースでやってたような気がする。とは言え、ゲーム機買ったって、ゲームはしないもんなあ。

家にあったゲーム機と言えば、PlayStation 2が一時期あったくらいで、それもLinuxを入れてサーバにしようと目論んでいたくらいで(←それも、使ってみた感じではいまいちだったので止めました)、あまりゲーム機なるものに縁がない私です。そんなわけで自分で買う気はまったくなかったわけですが……。

でも「えー、売ってたんなら、なんで買っておいてくれないのー」なんて言い出すヤツがいるような気がするなあ。とりあえず、メールして聞いてみるか。

「『任天堂Wii、緊急入荷しました』だって。いる?」

そしたら、すかざず、

「いる!!」

んじゃあまあ、しょうがない。買っておいてやるか。

そっち方面に疎い私でも、Wiiと言えば、あのリモコン型のコントローラを振り回すやつで、そのコントローラが手からすっぽ抜けてテレビの画面に突き刺さったとか、なんとか。はたまた、スポーツゲームで、そのコントローラを振り回すとダイエット効果があるとか無いとか。その程度の知識はありました。
ゲーム機のコントローラと言えば、家に唯一あったPlayStation 2のコントローラ。借りてきたゲームで、多少はゲームでもしてみようか、などと思ったこともあったのですが、コントローラのボタンの多さと、ゲームで「どのボタンを押すと何の操作になるのか」を覚えるのが面倒で、結局、ゲームなどほとんどやらずじまいでした。
要するに、あれですよ、あれ。パソコンのキーボードを見て拒絶反応を起こしてしまう人、いますよね。あれと一緒。私はゲーム機のコントローラを見て拒絶反応を示してしまうわけです。リアルタイムで進んでいくタイプのゲームで、あんなにあちこちにボタンが付いているコントローラ、とても使えませんって。

それはさておき、ちょっとばかり(ほんとうに「ちょっとばかり」ですが)、Wiiに縁ができたので、Wii関連のニュースをいろいろと眺めてみました。そんな中で、インプレスのPC Watchの「任天堂 岩田聡社長インタビュー(1)」における、岩田社長の言葉、

【岩田氏】 マンマシンインターフェイスを変えないと、今ゲームをしてない人が触るきっかけができない。これは、最初から強く感じていました。

昔はファミコンのコントローラを奪い合っていたお客様が、今は「ちょっとやってみる?」とコントローラを渡すと、あとずさりして、「ぼくはできませんから」「私は指先が器用じゃありませんから」とおっしゃる。こうした状況になった時点で、僕らは何かを失ったんです。

以前持っていた何か、すなわち、誰でもすっと遊べてすぐ面白いという、直感に近い部分での新鮮な驚きを、もう一回取り戻す必要があります。DSの2画面とタッチペンという組み合わせも、Wiiのリモコンと遊びの提案も、どちらもそこに根っこがあったんです。

「あとずさり」というのは、まさに私のことです。いやまあ「昔はファミコンのコントローラを奪い合っていた」なんてことすらありませんでしたが。
確かに、Wiiのリモコン型のコントローラを、バットやラケットやゴルフクラブに見立ててゲームができるなら、それは直感的だし、「ちょっとやってみたいかも」と思わせるものはあります。いや、まあ、だからと言って、今は買いませんが。だって、ヘタして、はまっちゃったりしたら貴重な週末がつぶれて、原稿を書く時間が……。

「はい、これね。Wii」
「ありがとー」
「25000円ね」
「へ? くれんじゃないの?」
「あのなー」
「『いる?』って言うから『いる!』って返事しただけで……んじゃ、ありがと」
「おい、こら。ちょっと待て」

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