新・闘わないプログラマ No.409

発掘


先日、職場の倉庫を漁っていたら、ごみの山の中から、かなり古いパソコンみたいな筐体が発掘されました。「なんだろ、これ。どこかで見たことあるなあ」と思いつつ記憶をたどってみたところ、思い出しましたよ。あのキャプテン端末じゃあないですか。
まだ廃棄もされず(っていうか、ほとんど廃棄状態でしたが)に残っていたのか。しかしこれ、いまから廃棄しようとしたらどうするんでしょ? 知らない人が見たらパソコンに見えそうですし、例のリサイクル制度絡みでややこしいことになったりするかも知れません。
ちなみに、さきほどキャプテン端末の写真がどこかにないかGoogleとかで検索してみたのですが、めぼしい写真はありませんでした。ひところは流行った(キャプテンシステムはそんな流行らなかったか)けど、「いんたーねっと」が普及するまえに廃れてしまったことに対する情報って、ほとんど残ってないんですよね。まあ、当たり前かも知れませんが。

しかし、いまどき「キャプテンシステム」と言っても、もしかして知らない人も結構いるかも知れません。とりあえずe-Wordによれば、

電話回線を通じて文字や画像を送受信するビデオテックスの国内方式の名称。国際電気通信連合(ITU)によって標準化されたビデオテックス規格の一部。1984年にNTTが公衆回線網を使って同方式を利用したサービスを開始した。専用の端末を用い、チケット予約やショッピング、株式市況、気象情報などのサービスが提供された。「ニューメディア」の中核サービスとして期待されたが、技術が未成熟だったことや、端末が高価な割りに魅力的なサービスが提供されなかったことから、ほとんど普及せずに終わった。

ということらしいです。ちなみに、サービスを終了は2002年らしく、案外最近までしぶとく残っていたのは驚きです。まあ結局のところ、「魅力的なサービスが提供されなかった」というところに尽きるわけで、いわゆる「いんたーねっと」の普及によって命運が尽きたと言えるわけです。
ところで「魅力的なサービス」というのがいったい何を指すのか、まあ、やっぱりあっち方面のナニだったりするかも知れませんが、やっぱり「キャプテンシステム」なんっていう国が音頭を取ったやつでソレを大々的にやるのもやっぱりアレなわけで、まあ要するにそういうことかなあ、と。

さて、ここから何の話をしましょうか……「キャプテン端末が発掘されたよ」というネタで書き始めたのですが、この時点においても、まだオチは何も考えていません。ううむ、困った。

そうそう、何年か前から始まったデジタル放送、あれってデータ放送というのをやっています。リモコンに「データ」とかいうボタンがあって、それを押すと放送の画面が小さくなって、それによって空いたL字型の部分に、各種の情報、「これからの番組」とか「ニュース速報」とか「天気予報」とか、そんなのが表示されます。そういえば一度、録画中に「データ放送」ボタンを押しちゃって悲しい思いをしたことがあります。
とまあ、そんな話はどうでもいいのですが、そのデータ放送で表示される画面、なんとなく往年のキャプテンシステムっぽいような気がするのですが、気のせいでしょうか。いやもちろん、単純に画面だけ比較したら、データ放送の画面のほうがきれいなわけなんですけど、なんというか、使い勝手というか、情報の使えなさ加減というか、そういうのが、往年のキャプテンシステムを彷彿させます。
ところで、地上波のアナログ放送が終わる(ということになっている……たぶん延期になるんでしょうけど)が2011年で、あと6年。それからどれだけいま普及を図ろうとしているのデジタル放送の仕組みが使われるのかわかりませんけど、データ放送の仕組みも含めて、すぐに時代遅れになってしまうような気がするんですけど、どんなもんでしょう。それとも私が知らないだけで、今後の技術革新にも対応していけるだけの柔軟性を持っているんでしょうか。
BSはともかく地上波はデジタル化する必要性がどこにあったのかなあ、と思います。まあ、いろいろなところでさまざまな利権が絡み合っているであろうことは容易に想像できるわけですが、あまりそういうことばかりにこだわっていても、先を読めなくてポシャったキャプテンシステムの二の舞のような気がなんとなくしてきます。

と、なんとかむりやりまとめることができました。めでたし、めでた……え? 全然まとまってないですか。すみません。

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