新・闘わないプログラマ No.371

そらりす


Sun MicrosystemsのOSの新バージョンであるSolaris 10の無償ダウンロードが開始されまして、早速使ってみることにしました。
SunのOS(まあ、要するにUNIX)は、私自身としては、まだ“Solaris”という名称が無く“SunOS”と呼ばれていたころ、十数年前からいじっていました。当時のSunOSはBSD系のUNIX(という表現でいいのでしょうか?)で、SunViewとかいうウインドウシステムが乗っかっていたと記憶しています。今と違って(もしかすると今でも?)、UNIX上でウインドウシステムを使う必要性は低いことも多く、私もSunView上ではプログラムのデバッガ(確かdbxをGUI化したようなやつだったような記憶が……もう忘却の彼方)くらいしか使ったことが無かったと思います。
その後、Solarisという名前になって、BSDじゃなくなった後も、いくつかのシステム構築で扱いました。
そんなわけで、SunOSやSolarisとは結構長い付き合いなのですが、実のところあまり詳しくありません……特にシステム管理とか、そっち方面。大昔はSunOSをインストール(当時はCD-ROMなんていう大容量(?)の便利なメディアなど一般的ではありませんでしたから、QICとかいう規格のテープでOSが提供されていて、そのテープからブートしてインストールした)などもしたことがあるのですが、今では、たとえば“df”コマンドの実行結果を見ても「何が何やら」状態です。
また、ここ数年以上Linuxのほうを主に扱ってきたせいで、なおのことSolarisの知識には乏しい状態に陥ってしまっています。まあ、だからと言ってLinuxには詳しいのか、と言われると……まあ、ノーコメントということにしておきますが。

そんな中、Solarisの新バージョン(Solaris 10)からは、商用も含めて無償ライセンス化され、Sunのサイトからダウンロードも可能、という話を耳にしまして、「正式版が公開されたら、とりあえず試してみるか」と思っていました。個人利用の場合にはもっと前から無償で使えたはずですが、商用も含めて無償なら、仕事上でちょっとしたサーバを立てるときにも使えるかなあ、と。
で、ようやく公開されたので、早速ダウンロードすることにしました。
無償とは言え、なにやらユーザ登録のようなことをしないといけないようで(えーごだったのでよく読んでない)、いろいろとごちゃごちゃ登録をして、やっとダウンロードのできるページに到達。そこを見る限り、ダウンロードするファイルの総容量は数GBもあるようで、こんなの何時間かかれば終了するのか見当もつきません。そこで家のサーバ(Linuxのやつ)を使って、wgetコマンドでダウンロードさせて放っておくことにしました。結局、全部ダウンロードされるのに1日強くらいかかったようです。公開直後の混雑していると思しきタイミングにしては、案外早く終わりました。
あとは、ダウンロードしたDVDのイメージファイルをDVD-Rに焼いて、インストールDVDの出来上がり。

そして、さっそくインストール……と行きたいところなのですが、ここで問題が。インストールできるPC、もっと言うとインストールできるような空きパーティションのあるPCが、家には無かったのです。
通常使っているデスクトップPCで、使用中のパーティションを1つ潰せば空きができなくはないのですが、そもそもSolarisってパーティションをいくつ使うの? そのパーティションはプライマリパーティションじゃないとダメなの? それとも論理ドライブでもいいの? もしかしてルートパーティションは1台目のディスクに無いとダメとかいう制限があったりする? こんな疑問は調べれば解決できますが、調べるのは面倒くさいし、週末の半日くらいでサクっとインストールだけしてみたいので時間があまりありません。それに、インストールをミスってPCの他パーティションやパーティションテーブルをぶっ壊したりするとダメージがでかい、という問題もあります。
というわけで、とりあえずVMwareで逃げることにしました。VMwareについては以前も何度か書いていますが、要するにWindows(やLinux)上に仮想的なPCを作り出すためのソフトウェアです。仮想的なPCには仮想的なディスクがつながっていて、万が一、こいつの内容をぶっ壊しても影響が他に及ぶことはありません。
で、VMwareがサポートしているOSにSolarisが入っているのか調べてみたところ、

Solaris 10 (experimental)

おお、Solaris 10もサポートされているじゃん……ん? でも後ろに括弧書きで何か書いてあるぞ? “experimental”? なんだそりゃ? まあ、気にせず行ってみよう。
VMwareは仮想的なPCを作り出すソフトウェアですから、その仮想PC上にインストールするOSは(デバイスドライバなどの問題を除けば、原則として)問わないはずなので、まあなんとかなるだろう、ということで。
8GBの仮想ディスクを作成して、先ほど作ったインストールDVDで仮想PCをブートすると、問題なくSolarisのインストーラが起動しました。X上のGUIインストーラもちゃんと動作し、メッセージも日本語で表示されました。インストール時の選択項目や設定項目も少なく、とりたてて問題もなく、お手軽にインストールが完了しました。
そして、リブートして、ログインするとGUI環境のCDEが……おお、なつかしい。何せここのところ「Solarisを使う」とは言ってもTeraTermからtelnetでログインするくらいのことしかしてなかったので、コンソール上でのCDEを見るのは久しぶりだったりします。
しかし何かヘンです。よく見ると640x480の解像度になってしまっています。めちゃめちゃ狭いです。「あれ〜、おっかしいなあ。インストール時にはもっと広いデスクトップが表示されていたはずなのに〜」……インストール時に、どこかの設定を間違ったのかも知れません。まだ、この件は未解決のままです。

画面が狭くてCDE環境はろくに使えなかったので、外からtelnetで入っていじってみようとしたのですが……ログインシェルがshだし、Linuxなどと違ってあらかじめ便利なプログラムや設定が満載されていたりするわけでもないし、プロセスの一覧を見ようとして、いつものLinuxの癖で“ps aux”とかやって怒られるし(“ps -ef”とかかな?)。探してみたところ、bashとtcshは/usr/binに入っていますね。昔のSolarisには無かったような……とりあえずログインシェルはtcshにでも換えておこうっと。
という感じで、インストールしたあたりで今週末は時間切れでした。
で、この後どうするかですが、もし使えそうなら、家のサーバをSolaris化してもいいかな、などとも考えています。その理由は……ほら、
「家のサーバにはLinuxを使っています」
よりは
「家のサーバにはSolarisを使ってます」
のほうがなんとなく格好いいじゃないですか ←理由はそれだけですか? ←そうです。

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