新・闘わないプログラマ No.160

さて…


さて、年も明けて、晴れて21世紀ということになったわけですが、だからと言ってとりたてて何が変わった、と言うわけでもなく、まあ何と言いますか、とりあえず「あけましておめでとうございます」
しかし、本当に21世紀なんですよね、これってすごいことですよね。だって私が子供の頃に聞いた話だと、コンピュータなんかはすごい進化を遂げていたりして、しかも「2001年宇宙の旅」だったりするわけですよね、すごいですね〜、宇宙の旅ですからね〜、HALですからね〜、「ツァラトゥストラはかく語りき」ですからね〜 ←って、どんな内容だったか忘却の彼方 ←って言うか、最後までなんだかよく分からなかった、という記憶しか残っていない。
などというヨタ話を十年一日の如き操作性のパソコンで書いていたりするあたり、20世紀と何も変わってないやん、などと悲しくなったりするわけですが、そんなことを私が長々と書くよりは、たとえば、「それだけは聞かんとってくれ」のkeithさんが書いた「なつかしき未来」などを読んで頂いたほうがいいのではないか、などと思ったりもするわけでして…。

ところで昨年の今ごろは、世紀の大イベント…というか1000年に一度の大イベント?…の「2000年問題」で世の中は大はしゃぎだったりしたわけですけど、ありゃいったい何だったんでしょうね。
私は、と言えば、一昨年(1999年)の年末に「最後はやっぱりこの話」ってな駄文を書いていたりしたわけですが、これってかなり不純な目的で書かれた文章だったりするわけでして、要するにその不順な目的とは何かと言いますと、「とりあえず、年が明ける前に証拠を残しておこう」ってことだったりします。
どう言うことかと言いますと、賢明な皆さんはもうお判りだと思いますけど(←すげー、ヤな言い方)、「『2000年問題』? あんなもん、大した問題にならんって。政府だのマスコミだと、何をバカ騒ぎしてるんだよ。そのせいでこっちは余計な仕事が増えて堪らんよな〜」ってのが、この業界の大部分の人の認識だったと思うのですけど、2000年になって、さしたる問題も起こらないのを見てから「ほ〜ら、やっぱり何も起こらないじゃん」って言っても、後知恵の謗りは免れないわけでして、それはそれで恥ずかしいことなのではないかと思うわけでして、1999年中に「大したことは起こらないんじゃないのん」って言ったという証拠は残しておこう、と思ったというわけです。
そうすれば、年が明けたあとのドタバタをネタに何か書けるかもしれないなあ、などと思ったりもしたわけですね。まあ、私の予測が外れたら外れたで、それはそれでネタになるし…。すみません、何でもネタにする人間なんです。

しかし、考えて見れば、うちの職場を見渡しても、特にメインフレームで動くプログラムなんかは、古いやつは30年も前に作られたようなやつがいまだに現役で使われていたりして、十年一日の如く…いやいや「三十年一日の如く」とでも言うべきか、同じような開発手法で、同じようなバグを出しながらやってきているわけで、なんと言ったらいいか、21世紀になったと言うのに、これでいいのだろうか、と思ってしまわないでも無いわけです。
でも、よくよく考えてみればUNIXの世界での開発手法だって、10年以上前とさほど変わっていないような気もしないわけでもないわけでして、どこの世界でもさほど進歩がないというのが実際のところだったりするのかも知れませんね。
しかし、ハードウェアの方は(質的には疑問が残りますけど)量的にはかなり進歩したわけで、CPUのクロックが1GHzを越え、ギガバイトのメモリとテラバイトのディスクも夢じゃない時代になってきたわけですけど、それにくらべてソフトウェアの方の生産性は……ねえ。

さて、いったい何の話をしているんだ、せっかくの21世紀最初の文章なのに、という皆さんの声が聞こえて来そうな気もするのですけど、やっぱりここは「21世紀のコンピュータ業界の展望」などというテーマで書くのが定番なのではないか、と思ったりしたわけでして、ええと「21世紀の展望」……「21世紀の展望」ねえ……あれ? 何も思い浮かばないや。スマン、今回はこれでおしまい。

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